「みんなでがんばる」方法がわかんなかった
「みんなで力を合わせてがんばろうね!」
いわゆる青春モノと呼ばれるアニメやドラマではこんな言葉がしばしばリーダーや監督から発せられる。
客観的に見ていたときは全然気付かなかったけれど、自分にはその「みんなでがんばる」方法がわからないことに気付いた。
毎日がサバイバルのような感覚だった。
海外に行ってからはより一層。だって個人で動かないと死んでしまうのだ。中学から授業は全部選択制で、まわりに合わせて選ぶことなんてひとつもない。
「ひとりで動く」ことが当たり前になっていた。
いわゆる部活とか、文化祭とか、合唱コンクールとか、そういうのを経験してこなかった身としては誰かに合わせることも、誰かに指示をすることもわからない。
これは強みでもあり、弱みだな、と思った。
ひとりでできることなんて限られているのに、なんでもひとりでやろうとしてしまう。
ひとりで意思決定し、ひとりで計画を立て、ひとりで実行する。
幸い、新卒で入った会社も、その後の会社も個人プレイが許されていたのでそこまで問題はなかった。さくさく営業して案件を取るだけ。クリエイティブを作るだけ。
でも、思い返してみれば新卒のときに「これを3人でやっておいてね」と先輩からもらった仕事を、残りの2人が全然動かないからと全部ひとりでやって、その後電車に揺られながら先輩の前でキャパを超えて泣いたことがある。
そこから自分はあまり成長できていないんだな、と思った。
人に頼らず、自分の力だけで遂行しようとして、最終的に失敗すると責任を感じてどっと落ち込む。
ただのアホなのである。
今、フリーランスでも「チーム」で動くのが効率的だし、小さな組織となることがマストとも言われているけれど、自分には無理だろうなと思っている。
ただ、そんな「みんなで」動けないと思っていたわたしにも、一筋の光が差した。
先日、リーダーとして取りまとめようと思って奮闘したが失敗し、案の定自分を責めて2日間ほど家から出られなくなった。
たった4時間やそこらの出来事なのに、迷惑をかけてしまったことがショックだったのだ。
それでウジウジとしていたら、先生的な人にこう言われた。
「そもそも悪いのはお前じゃない」「今までひとりでがんばりすぎだ」
もう、ダバダバ泣いた。新卒のときにやらかした失敗のプレイバックみたいだった。
どうして全部抱えてしまうんだろう。どうして全部自分が悪いと思ってしまうんだろう。
「性格」と言ってしまえばそれまでなんだけど。
「いつか、人に指示を出すのはうまくなりますか」
と聞いたら
「ならないよ」
と言われた。
「でも、じゃあ人と話すのが苦手な人がライターになって取材に行けって言われたらどうする?」
そう聞かれて、反射的にこう言っていた。
「それはもう、やるしかないです」
根性論なのかもしれない。でも、やるしかないのだ。だってそれは、ライターになりたてのわたしだ。今だって、人と話すのが得意か、と言われたらわからない。でも、今のわたしは取材が「できる」。
「というか、そもそもリーダーをやらなければいいんじゃない?」
それは…
それは完全に盲点だった。
できないくせにリーダーやろうとするから責任感に押し潰されて自爆するんだわ!!!!
そんなわけでこの、「みんなでがんばれない」問題は、どちらかと言うと「リーダーできない」問題だったのだということがわかり、ちょっと安心した。
来週から、またチームで動いていくことが増えるので、次からはリーダーのサポート役として何とか頑張ってみようと思う。