半年間毎日知らない人に「かわいいね」と言われつづけた話
「ゆぴしゃん今日も可愛いね🥺」
そんなDMを、半年間毎日欠かさずに送り続けてくれた人がいる。
何きっかけでそうなったのか、もう半年も前のことなので全然思い出せないし、DMが遡れなかったので迷宮入りなのだけど、ずっとずっとずーっと送り続けてくれた。
基本的にはその一文だけのシンプルなDM。
最初は、「どうリアクションすればいいんだろう」とか、「物好きな人だなぁ」と思っていたんだけど、気づけば毎日DMをひらいてメッセージにハートマークを押し続けるのが習慣になっていた。
ふたりのあいだに特に会話はない。
でもそれが、なんとなく「今日も起きたよ」「今日も起きてえらい」っていう暗黙のやり取りみたいになっていた。
この半年間、わたしにはちょっとボンヤリしていた時期がある。
朝も全然起きられないし、外にも出かけたくないからほとんどの時間を家で過ごすことが多かった。
そんなときでも毎朝6:00にはDMが届いていて、「今日も起きてるなぁ」なんて思いながら1日のはじまりを噛み締めたりした。
もしかしたら、この人にとってはわたしは「すごい人」なのかもしれないけど、こんなパジャマのまんまiPadで漫画をダラダラ読んでるやつなのになって思いながら。
健気に届くDM。
可愛いねって言われるのはちょっとくすぐったくて嬉しい。
どうして「半年間も送り続けてくれた」のがわかったのかというと、つい最近、そのDMがおわったからだ。
「習慣化と自己肯定、継続、ゆぴしゃんのおかげで自分も好きで居続けられました」
その言葉を見て、ちょっと泣きそうになってしまった。
自分を好きで居続けるってすごく難しい。
それこそ、自分の思っていたとおりに事が進まないと「やっぱり自分はダメだ」と落ち込んでしまうし、自分の好きじゃない自分が見えることだっていっぱいある。
彼のすごいところは、「自分を好きでいつづけるため」に、「ゆぴしゃん今日も可愛いね🥺」って送り続けて、早起きを習慣化させたこと。それを半年間も続けられたこと。そして、わたしに毎日小さな幸せを分けてくれたことだ。
ほんとに、全然知らない人なんだけど。
少ないツイートの片鱗が彼が大学4年生であることを物語っていて、きっとこれから社会に出るのだろうと何となく思った。
わたしはただハートマークを押し続けただけだけど。
どうか彼がずっと自分のことを好きでいつづけられたら、と願います。