アンガーマネジメントという無駄に怒り狂わずイージーライフを送れる最強ハック
今のパートナーと一緒に住むようになってから、めちゃくちゃ喧嘩をするようになりました。
それまでせいぜい人と一緒に過ごすとしても、長くても1週間程度だったので、「えっ、人と一緒に住むとこんなに衝突するん!?」と衝撃で。
自分はこれまで「誰かと喧嘩をする」というのをほとんどしたことがなかったので、初めての体験だらけの1年を過ごしました。
しかも改めて並べてみると割としょ〜〜〜もない。
しょうもないと言うのも申し訳ないぐらいしょうもなくて笑えちゃう。(たぶんパートナーとの喧嘩なんて振り返ればそんなもん)
そのわりに、喧嘩をすると2〜3日は家のなかの空気が淀むので、なんとか喧嘩せずに過ごせないかと思い、Google document上でテキストで喧嘩をすることで「言った言わない」をなくしたり、喧嘩を俯瞰するためにあいだに第三者を挟んで話し合ったり、いろいろと対策を考えてきました。
そのなかで、アンガーマネジメントを勉強しているという友人が、私たちのあいだに入って、怒りの理論を説明しながら整理をしてくれたときが大変良かったので、「これはすごい!」と思い、プログラムに参加してみることに。
アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合う心理トレーニングのことで、要するにトレーニングすれば誰でもできるようになるもの。
そんなアンガーマネジメントを知っておけば、無駄に怒り狂ってエネルギーを使うこともなければ、関係をぶち壊すこともなければ、ストレスも溜まらないはず!
というわけで、「ラクして生きたい」わたしは「ラクして生きる」ためにアンガーマネジメントを学ぶことにしました。
怒りとは? 〜怒りのない人はいない、なくせない〜
感情表現…人間にとって自然な感情のひとつ。怒りのない人はいないし、なくすことも不可能
機能・役割…身を守るための感情(防衛感情)。リラックス状態では守れない
まぁ基本的に「怒り」というのは誰も持っているし、一応身を守るという役割もあるので、なくすことはできないよ〜という話。
たまに「わたし怒らないんだよね」という猛者もいるが、多分口には出さないだけで「イラッ」としていることは多少あるはずである。差はあるよね。
怒ることのメリットやデメリット
■デメリット
・ストレスが溜まる
・エネルギーを使うため疲れる
・相手との関係性が壊れる可能性がある
・自分にマイナスイメージがつく
・相手に嫌な思いをさせる
・言いたいことが伝わらない
■メリット
・相手の成長につながる可能性がある
・本当に自分が大切にしている価値観がわかる
・相手のことを大切に思っていることが確認できる
・次からしないでほしいことを伝えられる
・危険なものから大切なものを守れる(アドレナリンが出る)
・自分が成長するモチベーションになる(悔しさ)
メリットもデメリットも半々ぐらい。一概に「怒りは悪」というわけではないのがポイント。
アンガーマネジメントとは、怒る必要のあることを上手に怒ること
「アンガー」=怒り
「マネジメント」=後悔しないこと
そして、誤解されがちだけどアンガーマネジメントというのは「怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようになること」であり、「怒らない」ことではないということ。
無駄な怒りから解放されて、快適に生きられるようになるのがアンガーマネジメントなのです。
問題となる4つの怒り
①強度が高い:小さなことでも激昂する、一度怒ると非常に強く怒る
②持続性がある:根に持つ、思い出し怒りをする→恨みに変わる
③頻度が高い:しょっちゅうイライラする、カチンとくる→疲れる
④攻撃性がある:人を傷つける、自分を傷つける、モノを壊す
怒りにはいろんな種類があるけど、上記の4つの怒りの場合は「問題」だと言われてます。
では、自分の怒りを「強度」「持続性」「頻度」のものさしで測ってみると…
わたしは表向きは全然怒らないけど、日々小さい「イラッ☆」があって、それをどんどん溜め込んでいき、どこかで爆発するタイプ。
あと人にされた嫌なことは永遠に覚えているので、普通に接しはするけど「でもこの人前に嫌なことしてきたからな〜」と心では思っているタイプ(良いんだか悪いんだか)
「怒り」を分析してみるって面白い!
アンガーマネジメント診断を受けてみた
プログラムのなかには「アンガーマネジメント診断」というのがあり、それぞれ何を回避するべきかを教えてもらえます。
わたしは用心堅固(慎重ウサギちゃん)タイプ。
・じっくり考えるのが好きで、冷静に物事を進めるタイプ
・人との付き合いは慎重であるべき、距離をおくほうが楽
・これがダメだとあれもダメなはず(あの人は◯◯だ!と決めつけやすい)
・「最悪!」「もうダメ!」とオーバーな表現をする
これめちゃくちゃ当たってる…(笑)
この前のケンカがまさにこれで、「前に言ったときもできなかったから、多分できないよ!」とか、「◯◯な人なのかもね」とか言ってたので、ドンピシャすぎて怖かったです。
【ワーク①】アンガーログとハッピーログ
では、実際に自分の怒りの傾向はどうなのか、というのをログをつけてみることで可視化すると、「自分が思っているよりも怒りの頻度が低いかも」などの発見があります。
【ワーク②】I・YOUメッセージ
YOUメッセージ:残存性が低く、抵抗感が高い
Iメッセージ:残存性が高く、抵抗感が低い
「早くして」「言わなくてもやってよ」「なんでいつもできないの?」
普段人を怒るとき、そうやって怒ってしまいがち。これの主語は「あなた(YOU)」です。これを「私(わたし)」に変えて、「◯◯をやってくれたら嬉しいな」「何度もされるのは嫌だな」などにしてみると、伝え方が変わると思います。
【実践】アンガーマネジメントの3つのコントロール
1. 衝動のコントロール(6秒)
「反射的」にやってしまうのをやめる。カッとなったら6〜8秒待つと、理性的になる。
・落ち着く言葉(コーピングマントラ)を唱える
・イライラ・怒りの温度を測る
2. 思考のコントロール(三重丸)
私たちを怒らせるものは「誰か」でも「出来事」でもなく、理想と現実のギャップ。(コアビリーフ)「べき」が裏切られたときに腹が立つ!
→まわりの人がどういう「べき」を持っているかを知る
(例)水回りはきれいにしておくべき
(例)人が話しているときは目を見るべき
「べき」を使うと怒った理由はスッキリ説明できる。
→自分を怒らせているものは、外ではなく自分のなかにある
睡眠不足、疲れ、空腹、不安、怖さなどで怒りが着火する。定期的なガス抜き作業が必要です。
出来事→意味づけ→怒り
出来事自体に意味はない。どう意味づけをするか? それに関係するのが自分の心のなかにある「べき」だということを知る。
①許せるゾーン
②まぁ許せるゾーン
③許せないゾーン
ここでは、「まぁ許せるゾーン」と「許せないゾーン」の境目がポイント。同じ「時間は守るべき」と思っている人でも、5分前到着を許す人も許せない人もいる。
自分のボーダーラインはどこなのか?を知る。
3. 行動のコントロール(分かれ道)
「③許せないゾーン」に入ってしまったら、変えられるのか(コントロール可能)、重要なのかを考える。
そのうえで、いつまでに、どの程度変われば気が済むのかを考える。「ちゃんとして」ではなく、程度と期限を具体的に伝える。
怒る時の注意点
・機嫌で怒り方を変えない
・怒るときはリクエストを添える
・人格否定をしない…×だらしない ◯脱ぎっぱなし
・人前で怒らない…反発心が出て相手が受け入れがたい
・一方的に決めつけない…事実を確認しないと信頼関係が崩れる
・程度言葉は使わない…「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」「みんな」
・怒りをぶつけてしまったら謝る
・過去はさかのぼらない
怒りの性質
・高いところから低いところへ流れる(大人〜子供、上司〜部下)
・身近な対象にほど強くなる
・矛先を固定できない(八つ当たり)
・伝染しやすい(怒られる→機嫌が悪くなる→怒る)
・エネルギーになる
アンガーマネジメントプログラムを受けてみて
「怒り」というのを冷静に俯瞰できるようになった気がする。「自分、今イライラしてるな〜」とか(笑)。
でも至って冷静なので、何が許せなくて怒っているのかとか、どう伝えたら相手が動いてくれるのかを考える余裕があるので、突発的な怒りには対処できるようになったような。
偶然かはわからないけど、プログラムを受けてから大きな喧嘩はしてないんですよね…。
これは不謹慎かもしれないけど、他人の「怒り」に対しておもしろみすら感じるようになったかもしれない。「あぁ、怒ってるな! これは出来事と感情を切り分けられてないな!」みたいな。
何様だよって感じですけど、そこを捉えられるようになると、最終的に「怒りっておもしれぇ」という気持ちになってきて、怒りに対してポジティブになれたのが良かったことかもしれない。
いずれにせよ、この感情とは死ぬまで付き合っていくことになると思うので、早めに理解しておくに越したことはないな、と思いました。
私友人の紹介で受けたのは「親向けアンガーマネジメント」ですが、興味のある人はぜひ。