無理にでもハッピーエンドに導いていけ
声優のレッスンのひとつに「インプロ」という即興劇がある。
これは、数人でチームになり、最初にタイトルを与えられたら、1人ずつ台詞を喋るなり、語るなりして、みんなで順番に物語を紡いでいく。
どう転ぶかはわからないけど、前の人の言葉を聞き、瞬時に意図を汲み取ったり、「こんな話にしたら面白いんじゃないか」と企みながら、最終的にきちんと起承転結をつけていく。
前の人が言ってしまったこと、つまりすでに起こってしまったことは消すことはできないし、無視することもできない。
できることは、活かすことだ。
どんなにへんちくりんな展開も、失言のような言葉も、全部拾ってハッピーエンドに導いていかなければいけない。
これは、ちょっと人生に似ている。
すでに起きてしまったことを、「失敗」とするかも、「成功のために不可欠だった」とするかも、すべて終わり次第。
終わり良ければすべて良し、とはよく言ったもので、その方向に持っていけるかどうかは、未来にかかっている。
「意地でもハッピーエンドにしてやる」って心意気が大事なのだ。
たとえば、わたしは中高時代、人付き合いが苦手で本を読んだり文章ばかり書いていたので個人的には暗黒時代だったが、今こうしてライターをしている事実を見れば、それは必要だったステップだと言うことができる。
どんなに辛かったことでも、何年かかっても。
死なない限り、何でもハッピーエンドに持っていける。
だから、モヤモヤしていたら、まだ話の途中なんだと思えばいいのかなって。
そのうち絶対ハッピーエンドにするんだから、って思えたら、失敗だと思っていたことが、失敗じゃなくなっていくから。
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