♯7 ワインバーの店長
3ヶ月という短いカフェ業務を終えた私はワインバーの店長というオファーを受けます。
店長とかいうと大層な話にきこえますけど、社員1人とアルバイト1人でまわす小さなお店の店長です。
オーナーはどうやら現状の料理に満足していないとのことでした。
2020年になんとかソムリエの資格も取る事に成功していたのでワインバーはとても魅力的に感じました。
前回の反省を踏まえて、面接の時にひとつだけ念を押したことがあります。
それは働き過ぎても問題としないことを約束してもらいました。向こうとしてみれば不思議なことをいうやつだと思ったことでしょう。
いろいろな意見もありますが、私は基本的に飲食店を繁盛させるのは時間を大量に投下するしかないと思ってます。
たぶんスタートアップのベンチャー企業も労働法とかガン無視しているところが多いような気がします。
働き方改革も必要だとは思いますが、ある程度の無理をしないと何者でもない者が何かを得るといつのはとてもむずかしいことです。
とはいえ他人に強要するつもりは無いので、とりあえず自分だけ働きますよと宣言しました。
誰よりも働き、誰よりも努力しようと。
自分にとってのスローガンです。
今までは誰よりも働くということにすこし抵抗がありました。給料は月額固定なので働けば働くほど損だと思ってました。
実際飲食店は仕事ができるようになるほど出勤時間が遅くなる傾向があります。
下の人間が朝出勤してキッチンを立ち上げ、上司が来たらすぐに仕事に取り掛かれるようにしておきます。
仕事ができない人はその分長く働くことで帳尻を合わせるイメージです。
大規模のレストランシェフともなれば営業直前に出勤する方もめずらしくないはずです。
このやり方が悪いとは言いきれませんが、どうしてもヒエラルキーみたいなものが生まれてしまい、仕事をろくにせずに偉そうにする人間が生まれがちです。
コロナ直前の私もそんなかんじでした。
立場は良くも悪くも人間性を変えてしまいます。
私はそんな悪い過去から強く反省します。
そもそも損とか得という前になんのために働いているのか?
自分のために働いているのではないのか?
働ける時点で得ではないのか?
1番上の人間が誰よりも働けば下の人間も真面目に働くはずですし、尊敬と信頼を得るのもむずかしくないと考えました。
実際は打算とかもあまり無くて、ただ自分のお店だと思ってがむしゃらに働いてみました。とにかく一所懸命、無心に純粋に。
一所懸命働くことにより大きな信頼を得ることができました。
信頼されれば発言も受け入れてもらいやすくなるし、行動にも自由度が増えます。
そして結果を出して実績を積めば出世していくのでしょう。
無事に信頼を上げつつ試食会も好評でなんとか再オープンするところまでこぎつけました。
あの緊急事態宣言から1年
新しい人生が始まったような気持ちでした。
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