#9 偽りの天才

みなさんおはようございます。

今日はパーティでの出来事になるんですけど、
ビストロではたまに立食パーティもやってました。


立食だと私はサンドウィッチを作るという仕事が増えます。
正確にはサンドウィッチを作る補佐なんですけど。

内容はごくシンプルに
たまご&ハムとツナ&きゅうりの
いわゆるサンドウィッチです。

これをホール担当のオーナーと私で作ります。

ホール担当しているオーナーは
レストランのシェフを経てから独立しているので、
本来は料理人のかたです。


サンドウィッチさん作るのは簡単な作業です。

一年目の私でもなんなくできます。

もしかしたらこれで、センスがあるのに気付いてもらえるかもなんて思ってました。

そしたら言われたんです。


「こんななんでもない作業かもしれないけど
サンドウィッチを作る様子を見ていれば、
そいつがセンスあるのかないのか
だいたいわかるんだよ。」

でしょうね。
私もそのつもりなんで。


「お前センスないわ」


あれ?


想定していたフレーズではありませんね?



ガチの料理人にガチのダメ出しでした。


私は天才ではないのか?
いやいや、そもそもサンドウィッチを作るぐらいでわかるはずないでしょ。

まだ認めたくないのですが…

怪しくなってきたのは事実です。

そんな残念なお知らせもありつつ、仲間も戦死していく中で私も2年目に突入して行きます。

これまでも十分いろいろあって大変だったのですが、
2年目にキッチンに入ることができ、前菜を作るセクションに移動することになるのですが、

そこで思い知らされるのが、今までは序章だったということでした。

ここから2年ほどをかけて私の体は徐々にむしばまれていくことになります。



それではまたよろしくお願いします。



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