♯1 社会人スタート

みなさんおはようございます。


なんとなく料理人になろうと思った人間が、なんとなく仕事を始めることになりました。


1998年10月

私はビストロで働き始めることになります。


勤務していたお店の情報を簡単にご説明します。

1994年位に開店

席数30席

ランチ   11:30〜14:00 

コース            950円 1500円

ディナー  17:30〜21:00

コース   2800円

スタッフ  正社員7人

      アルバイト1人

      プラス私の9人体制

となります。

ちょっと人が多いのですが、もう2人退社が決まっておりまして、その代わりの人員が私でした。

なのでとりあえずということでまずはキッチンからではなく、サービススタッフとして働き始めることになります。


いわゆる「キッチン待ち」です。 

このシステムなんですけど、飲食業界用語としときます。

つまりキッチンスタッフをお店に入れても、個人のお店とかだと、キッチンの規模が小さいので人が働くスペースがないんですよね。

なのでとりあえずサービススタッフとして働いてもらうわけなんですが、ここで必ず言われるキラーフレーズが

「サービススタッフとして働いてからの方が料理人として、ものすごく大切なことだし、勉強になるんだからな」

と言われます。

まあ確かにそうなんですけどね。

でもそれなら、キッチンスタッフは必ずサービススタッフから始めているのかと言われればそんなこともなくて、結局お店都合なんですよね。

それに格式の高いレストランとかでのサービスとかなら勉強になるとは思いますが、ビストロのサービスが勉強になるのかと言われればやや疑問に思うこともあります。

今はやってて良かったと多少は思いますが、当時はすこしイヤでしたね。

なぜかと言えば天才だからなんですよ。

才能があると思ってたので料理を始めたらすぐに認められるのに、サービスだと気づかれないではないですか?

だからこまったなと。

しかし年明けには1人辞めて私がキッチンに入れるのだから、3ヶ月位なら我慢してやろうと思いました。

なのでサービスマンとして働き始めました。


10:00      出社 ランチの開店準備

11:30       ランチタイム 

14:00      ランチタイム終了 

16:00      食事&休憩

17:00      ディナーの開店準備

17:30      ディナータイム

21:00      ラストオーダー 

23:00      退社

まあ簡単に説明するとこんな1日です。

開店前はキッチンでは仕込みをして、ホールでは掃除、テーブルのセッティング、お水やバターの用意、レジの準備や看板だしたりとかですね。

11:30からランチですが、12:05から戦争になります。

会社勤めのかたがくるのですが、休憩が60分なのでお店の滞在時間はおよそ45分になります。

45分は以外と短いですよ。

来店されてから、お会計を済ますとこまでなので。

会社勤めの休憩に来る方は、時間がかかるとわかれば2度来ることはありません。どんなに美味しくても諦めざるをえませんからね。

だから兎にも角にもスピードなんです。 

テーブルにご案内してから、すぐにお水とバターをもっていき、そのままオーダーをとって、伝票書いて、キッチンに通して、パンを切って前菜だして、メインだして、コーヒーだして、ここまでで35分位じゃないとダメみたいです。

コーヒーを飲みながらタバコを吸う時間が必要なんです。

これを基本ホールは3人で回していきます。

来店人数が50人を超えてくると、営業前に用意していたお水やバターもなくなり、ナイフ等も洗わないと足りなくなってきます。

洗い物も溜まり、テーブルのセッティングもして、てんやわんやです。  

その後後片付けをして、ディナーの準備なので忙しいと16:00の食事&休憩に支障がでてきます。 

ディナーはあまり時間には終われないし、毎日満席にならなかったのですが、満席になると同じく戦争でしたね。

時間がある分、サービス内容とかが変わってくるのでとにかく忙しかったです。

本当に働き始めた頃は一日があっという間に過ぎていましたね。

みなさんもそうだと思いますが、やはり仕事が出来なくて覚えることがたくさんあるので、とにかく時間が足りない、これはどんな仕事でも同じだとは思います。

しかし飲食業界だと、退社が23:00なんですよね。

なので家に帰って寝るだけ。

もう感覚的にはタッチアンドゴーなんですよ。

玄関で力尽きて寝たこともありました。もう他の人が見たら死んでる思う。

寝過ごした場合、ほぼ折り返しの電車は終わってますし。

私は職場まで、電車で1時間だったので帰宅は日をまたぐことの方が多かったです。

たまに早く終わってパチンコ屋がまだ閉店していないと、駅がとても明るくて早く帰ってきたんだと錯覚してました。(既に22:00は過ぎてますから)

大変な仕事でもう辞めようかと思う人多いです。

私は全然大丈夫でした。

こんだけ労働時間が長いことは想定内でしたから。

最初に仕事が大変なのは当然だし、飲食業界ってこんなもんでしょと理解してましたし、なによりまわりのみんなもやってるからと。

むしろ思ってよりは楽だと…

まあそれほど大きな問題も無く年が明けていよいよキッチンに入ることになります。

次回はキッチンデビューします。


読んでいただいてありがとうございました。


                 








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