*** 魔法使い ハリイ・ポタ一 ***
おれの名は、張井 保田一(ハリイ ポタイチ)。
ハナクソ魔法学校の、72年生だ。
… だからどうしたんだよ…
もう、この話はここで終わ…
…いや、もう少しだけ頑張ろうよ?
もう少しで、お弁当の時間だよ?
…
そうだな、与太話を続けよう。
与太者のおれは、35歳まで定職に就かず、フラついていた。
貧血持ちだったからね。 フラつくんだ。
クラブのような閉鎖空間で、深夜3時に酒でも飲もうものなら、
イチコロで目つきヤバくなって、バタン、だ。
そんな貧血を治したい、みたいなノリで
魔法学校に入学する事になった。
*
それから72年、 尿結石が酷い。
107歳だからね。
これは、
”ファンタジー的な世界観で、魔法使いの平均寿命は200歳”
とか、そういう話じゃない。
平均寿命は78歳。 ガチ設定だ。
舞台は… 千葉。
チバシティー、 ウィリアム・ギブスンだよ。
えーっと… そんでね… まあ、
「もうすぐ死んじゃいそう」っていう… みたいな?
そりゃ107歳だもん、死にますよ。
ガダルカナルを生き抜いたおれも、
さすがに死にますよ、107歳は。
まあその前に、
おれが覚えた魔法を伝授でもすっか、
「いっちょ今日は ”伝授” でもすっぺか」、 と思ってよ。
これ書いてるわけ。 いいっしょ?
いいべ、これ?
*
えっとねー、魔法は…
”消しゴムを作成する魔法”、 でいいや。
いいやじゃない。それ。
72年の修行の日々を経て、ついに成功したんだ。
消しゴムの作成に。
トンボに中途採用が決まった所だよ。
さっき内定のTELきた。
ヤベさんから。
あ… 今テレビで常盤貴子出てる。
Eテレの「旅するフランス語」。
…偶然テレビ付いてただけで、別に観てないよ。
常盤貴子も別に… 普通。
ただ言ってみただけ。
…
…どうやって終わらす? この話…
うーん… まあ、
” 色々あって、寿命がきて、死にました。 終わり。”
みたいな?
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