マイナスなことをインターネットの波に流せば、1人で気持ちをなんとかできると錯覚してしまったデジタルネイティブの私たちは、今世の中をドス黒いものにしようとしている。
インターネットの海は限りなく広くて、深くて、たくさんの文字に紛れて自分の打ち出した文字なんて見えなくなってしまう。だから、良いことも、悪いことも、全部押し流して仕舞えば見えなくなってしまうと、私たちは錯覚しているのだ。
海にはどこかしらに海岸があるように、そして海のゴミや海藻やくらげが海岸に打ち上げられるように、さらにはその海岸が特定できないように、私たちの打ち出した文字は、誰かの心の海岸に打ち上げられることを、あまりにもデジタル化しすぎた社会で生きてきた私たちはわからなくなってしまっている。海にゴミを投げて、その後どこかの海岸が汚れることは考えられるのに、インターネットの海に誰かしらに向けた悪口を投げて、それが誰かの心に打ち上げられて無関係な者が傷ついてしまうリスクなど知らないのだ。
この世の中という「大海」は、そんなゴミで溢れているのに、一部の綺麗なビーチやら、人が群れている場所を取り上げるだけで、綺麗に見えてしまうから不思議である。
地球は水のある惑星であるように、世の中はインターネットありきの惑星になっているように見える。そんな世界抜け出して、さっさといなくなってしまいたい。
つまらないゴミに、簡単に傷つけられてしまうこんな世の中は、汚染された海と同じだ。