単身で都心の旧耐震は買って良いか?25歳のとき、買わなかったことを今振り返る
このたび夫婦で中古マンションを購入しました!マガジン「港区中古マンション購入記」で綴っていきます。
実は私は3年前、25歳独身のときからマンションを探していました。詳細は「25歳OLが都心に家を買うまで」に書いています。
当時は書籍を7冊読み、15件内覧するほど本気でした。そして東新宿の中古マンションに申し込みを入れたのですが、買えなかったんです。そこで、本記事では以下を書きます。
どうして東新宿の物件を購入しなかったか?
振り返って、当時の選択をどう思うか?
25歳独身のとき申し込んだマンション
まず、当時探していた条件はこんな感じでした。
社会人3年目で前年度の年収が低く、単身購入で不安があったこと、 “1軒目は攻めすぎちゃいけない”との教えより、予算は安全ラインで設定。
複数の本や営業マンから「不動産は立地が何より重要」と学んだうえに、地方出身で満員電車がニガテなため「都心×駅近」に絞って探しました。
それで渋谷区、新宿区、文京区…にて15件内覧し、最終的に申し込んだのがこんな物件です。
内覧した瞬間から「あー、良い家だな…住みたいな…」と心底わくわくしたのを覚えています。
強く惹かれたのは、大手のリノベで上質な点、窓から木々が見えて雰囲気が抜群に良い点、40平米なのに1SLDKでサービスルームがあって長く住めそうな点。
両親や友人に写真を送ったところ「素敵な家!」と反応をもらい、万人受けするよね〜と実感しました。
旧耐震ではあるものの、ピロティ構造じゃないし耐震補強済み、地盤もまあ良しで、倒壊はしなさそう。
賃料相場と比較しても割安だと判断し、その日のうちに申し込みをしました。
最終的にそこを買わなかった理由
その後、ローンの事前審査が無事通りました。営業マンには「単身購入は賃貸に出す危険性があると思われてるから、ローンが下りづらいかも」と言われていましたがなんとかクリア…!
実は別の方が先に申込済みで私は二番手だったのですが、運良く(?)一番手に繰り上げしてもらいました。
しかしいざ「買えます!」と連絡をもらうと、不安になるのが人間です。
「旧耐震は危険…?」
好みの家に住めるかもとわくわくしていた反面、当時はこんなことをグルグルと考えていました。
なかでも大きかったのが旧耐震という点。
元々長く住むつもりはありませんし(長くて5、6年)、過去のデータから“旧耐震でも大丈夫だろう”と判断することはできます。
都心では、旧耐震でも好んで買う不動産界隈や、今回の私のように築年数より立地を重視する人は一定数います。その点は数年後も変わらないだろうと思っていました。
私自身の性格で言うと、リスクある行動を好むタイプな一方で、めちゃくちゃ考えて悩むタイプです。
特に地震に対してはビビりで、頭では大丈夫だろうと思いつつ、不安は最後まで拭えませんでした。
ずっと築浅の賃貸マンションに住んでおり、旧耐震だと実際どの程度揺れるのか?イメージがつかなかったのもあります。
加えてこの物件は、旧耐震の中でも1977年築と古めでした。同じ旧耐震でも1977年と1982年では心理的ハードが違いますね。
「耐震診断の値はいくつ?」
迷ったあげく、不動産に詳しい方に相談することに。
返答を要約するとこんな感じ(ありがたい…)。
ここで知ったのが、“Is値”です。
Is値(Seismic Index of Structure)は、構造耐震指標のことで、この値が大きいほど耐震性が高いんだとか。
日本耐震診断協会の「耐震診断で重要となるIs値(耐震指標)の基礎知識」によると、以下のように評価するそうです。
そこで営業担当に聞いてみたところ、「そんな値があるんですね…!確認したところ、耐震診断の費用がかかるため測っていないようです」とのこと(あまり一般的な値ではないのかな?)。
そうか、Is値がどの程度かわからないのか…と、安心材料を1つ失った気持ちになり、購入は見送りました。
というわけで、「旧耐震」が最後の意思決定を左右したことになります。
不安になった人は、買わない理由を探す
その頃、耐震面以外でもマンションの細かい箇所に目がつくようになっていました。たとえば、
オートロックが番号式なの危なくない?
副都心線、地下深すぎじゃない?
スーパーが駅前になくて不便そう?
歌舞伎町近いから酔っ払いも多い?
コリアンタウンが近いから韓国人比率が高い?
など。
重大な意思決定から逃げるとき、人は「その行動を取らなくて良い理由」を必死に探すんだなと実感しました。
やはり築年数が経てば経つほど懸念ポイントは増えます。些細なことでも決断の局面では気になるものです。
単身購入なら自分との対峙なのでまあ良いですが、これが夫婦ならちょっと面倒でしょう。自分(たち)が、何を重視して決断するのか、何をどこまで許容するのかは、線引きが必要ですね。
「旧耐震だと、高齢者が多いよ」
住みたい家を、諦めることになった私。当時の思いを書いたnoteがあります。
記事の趣旨は「購入申込書を書いたけど不安になってきた。こういう場面で決断できないのが自分の弱み…」。
この記事に、ユースケさんがコメントしてくれた内容が当時の私に刺さったので引用します。
高齢者が多く空き家になるリスクや待てば待つほど新耐震が…というのは、言われてみれば確かに、でもきちんと認識できていなかったためなるほどと感じたのを覚えています。
このときは購入を決断できなかった自分が恥ずかしかったし、これで良かったのかなとモヤモヤしていたので、ユースケさんのコメントには本当に救われました。
マガジン「25歳OL、都心で家を買う」のエピソードが上記noteで終わったことからわかるように、25歳だった私はこの件ですっかり疲れてしまい、購入自体を諦めたことになります。
振り返って当時の選択をどう思うか
さて、3年経ったいま、結婚してペアローンでついに都心にマンションを購入しました。
買えなかった東新宿の物件について今思うのは、
ということ。
曖昧すぎる…!笑
強いて言うなら、前者の気持ちが6割、後者が4割です。
あのとき買っても良かったと思う理由
「買っても良かった」と思うのは、買ったとて直近の地震で崩壊はしていなかっただろうし、都心の不動産価格はこの3年でもちろん上がったから。3年後に売却となると内装も綺麗なままだしある程度の金額では売れただろうと思います。
結構ずーっと賃貸だったので、1ヶ月9万円、3年で340万円くらいは垂れ流したことになります。少額にも思えますが私の手取りから考えるとかなり痛手です。
心配していた職場へのアクセスも、転職して職場が表参道から渋谷に変わったので、東新宿から副都心線で4駅10分、かなり行きやすかった…!笑
それに、独身女性が1人で買うことに対しては全然アリでした。
マンションを買いたいと思って探したのは自分で、誰にも強制されていないです。選択は自由。ですが、本を読み込んで足も運んで時間をたくさん使ったのに、最終的に怖くなって意思決定できなかったのは何もやらなかったのとほとんど同じだと恥ずかしくなります。
あのとき買わなくても良かったと思う理由
一方で、「買わなくても良かった」と思う理由もいくつか挙げておきましょう。
仮に東新宿の1SLDKを購入していれば、部屋の使い方が変わり、通勤経路が変わり、週末の過ごし方が変わり、恋愛の仕方も変わっていたでしょう。少しずつ人生の選択が変わって、今とは違う自分になっていた気がする。それはそれで満足していたでしょうが、今がとても楽しいので別の世界線を考えるとちょっと怖くなります。笑
それに売却したいタイミングで、たとえば3年後の現在で築47年なわけで、果たして売れていただろうか?というのはわかりません。ちょうど24年10月ごろにXのマンションクラスタの中で築古の是非が話題になっており、多くの人は反対されていたように見えました。
個人的には新築タワマンが正義なのは分かるのですが、そうは言ってもみんながみんな買えるわけではなく一般庶民が熟考の結果、築古や旧耐震に行き着くのは仕方ない気もします。しかし確実に売却できる家を間違えずに選ぶ、という意味ではハードルがグッと上がるんでしょうね。
また、東新宿は3丁目や御苑が近く非常に便利ですが、やはり好みの街ではなかったです。歌舞伎町も近いため酔っ払いがいて、夜職の方も住んでいます。なんなら副都心線の雰囲気も好きじゃないです(※直通の東横は好き)。
なので理想としては、若いうちの1軒目として少しエリアを広げてでも、リノベ済みの新耐震1LDKを買えば正解だったとは思います。
さいごに
2021年、25歳独身だったときに旧耐震の物件を買わない選択をした話を書きました。
次は2024年、結婚を経て二人暮らしになってから家を買った話を詳しく書きます。
今回の購入も半年かけて人一倍悩んだので笑、都心でマンションを探される方の参考になると良いなと思っています。
🔻以前のマガジンはこちら。
なぜ25歳独身で買いたいのか?最初に何から手をつけたか?を書いています。
🔻結婚指輪探しでも悩みました。