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助けているつもりが、助けられていた。という話。
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ご近所のステキな奥様。
年齢は80代。
ひとり暮らし。
とても可愛らしくて、ステキなお人柄で。
ご高齢でおひとりで、不安なこともあるだろう。
少しでもお役に立てたらと、常々思っていた。
ある日のこと。
最近腰痛があり、ゴミ出しがツラいとのこと。
「家の前に置いておいてください!出しておきますよ!」
と、お声がけをした。
ゴミ出しくらいなら、こちらも負担にならずにできる。
それに、いつも奥様の笑顔に癒されていた。
「のんさん、いつもありがとう。助かるわ。」
そう言って、喜んでいただける。
それが私の喜びでもあった。
こんな私でも、お役に立てている。
そのことが嬉しかったんだよね。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
そして。
お別れの日は突然だった。
昨日まで元気な笑顔を見せてくれていたのに。
不慮の事故でお亡くなりになられたとのこと。
悲しくて。
ショックで。
信じられなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
時はすぎ。
ここのところ、ずっと気持ちが不安定な自分に気付いた。
なんだろう。
心がモヤモヤしていた。
そして気付いた。
私はあの奥様を助けているつもりだったけれど。
実は、助けられていたのはこちらのほうだったのだ、と。
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ありがとうの笑顔。
ちょっとしたご挨拶。
お天気の話。
「いつもありがとう。これは私の気持ち。」
そう言って梅干しをいただいたり。
そんなやりとりで。
私はたくさんのシアワセな気持ちをもらっていたんだ。
「のんさん、いつもありがとう」
いつもそう言ってくれていた奥様。
いいえ。
こちらの方が
「いつもありがとうございます」
だったんだよ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
感謝の気持ちでいっぱいだ。
あんなステキな奥様になれるように。
周りの人をシアワセにできる存在に。
なりたいと思った。
色んな気持ちを教えてくれた。
ステキな奥様に感謝している。
ありがとうございました。
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