『先輩の向上心』
2021.11.01(月)
1週間前からこれまで一緒に仕事をしたことがある先輩から、美術館に一緒に行こうと言う誘いがあった。
先輩は退職後、東京国立博物館(以下、東博と記載)ボランティアを始め、特別展のたびに展示会に誘ってくれた。
ところが、コロナ禍に入り、先輩のボランティア活動も減り、東博で好きな芸術作品と接することも少なくなって、寂しい思いをしていたと思う。
特に、ボランティアとして、海外からの旅行客と接する機会が激減し、活動の楽しみも失った。
2020年3月、WHOのデトロス事務局長が新型コロナウイルスのパンデミック宣言以来、感染状況を鑑み、人々の移動が制限された状況が続いていた。
長く続いた自粛生活から、今年度、2021年10月に緊急事態宣言が解除されたこともあり、
「一緒に東博の展示を見に行かない」と、声をかけてくださった。
☆伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」☆
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/saicho2021-2022/tickets.html
上記のような特別展が開催されると言うことであった。
入場制限と蜜を避ける状況を相まって、これまで通り、チケットを当日窓口で買うことが困難となった。先輩から、チケット購入をどのような手法で、手に入れられるものかとの相談があった。
そこでチケット購入サイトを紹介し必要であれば私が購入することを伝えた。
先輩にしてみれば、誘った以上自身でチケットを購入し、鑑賞機会の準備を整えていが、完売Web.サイトにアクセスする手法が分からないようだった。
東博のチケット購入手段は、これまでの先輩の経験では、
「東博のチケット販売窓口で購入する」。
と言うことがメインだったと思う。
このご時世の、蜜を避けるための、時間指定ティケット購入方法を、LINEで私が伝えたところ、
「自分も挑戦してみる」。
と言う答えが返ってきた。
これまで一緒に仕事をしてきた先輩のあるべき姿は、わからない時は誰かに聞いて教えてもらい、そのうえで自身ができる行動を示すこと。
人に頼ることもするが、
「知らないからできない」。
などという言葉を、聞いたことはなかった。
先輩には、実践行動を体現する姿勢があるから、交流が続いているといえる。
#そうはいっても 、歩けなくなったら車いすを準備してても迎えに行き、時間を共に過ごしたいと思っている。
本日の時点では、
「挑戦をしたが、うまくいかなかった」
と言う連絡が先輩からラインに入った。
それでも明日、仕事を終えたら、
「購入サイトにアクセスし、再び挑戦する。」
と言う先輩のメッセージが返ってきた。
人間には、様々なタイプの人がいる。
挑戦をする前に、できないと踏み出さない人。
ルサンチマンとなって、自分の心にふたをする人。
少々の助言をもらい、あきらめずに行動する人。
何度失敗しても、挑戦を続ける人。
この、人生の先輩とは、仕事の面でなんども何度も、意見がかみ合わず、
お互いの妥協点を導き出す議論を重ねてきたことを思い出す。
結局、その人とどれほど考えを説明しあい、あなたの言葉に耳を傾け、理解しあいたいと時間を共有してきたかが、今につながっているのだと思た夜だった。
そんな、秋の夜長の、よもやま話でした。