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終末期のFさんへ

#食べられない #飲み込めない #飲み込むのがつらい #むせるのが苦しい #自己選択と決断 #萎えていく身体を受け入れる苦悩

喉が乾く。少しでも、水分を体に取り入れようと、飲み込もうとしてみる。
でも、自分の力には、限りがある。


90歳。身体が思うように動かせない。
それでも、トイレまでは、自分の力で歩み、処理しようとする。

私が、「どこが辛いところがある?」
と質問された。

Fさん
「全身が思うようにならない」。
と言った。


2022年8月6日。土曜日。

そろそろ水分補給も必要量に達することも難しく、
#脱水の危険  
がある。
と医師に伝えた。
即刻、医師はFさんの、食べている様子を見にきた。


Fさんは、医師に気遣い。

自分でスプーン持ち、口に運び、

1ヶ月前から、萎えた摂食の機能を蘇らせ、懸命に食べる。
しかも、こぼすこともなく
むせることもなく
美しい所作で、
その様子を医師の目の前で体現した見せた。

気遣いは、
「あなたのお名前だけでも、教えていただきたい。」
「コーヒーも、出せずに・・・。」
Fさんの、医師への思いやりは、
この言葉に表れて居ると思った。


医師が、帰えった。
Fさんは、首をうなだれ、おかずに指を向けては、ジェスチャーで
手を「バイバイ」と振る。
あれもこれも、もういらない。
食べたくないと、言っていると思われた。

 

あの日から二日を挟み、今日水曜日2日ぶりに会ったFさん。

唇も
口の中も、乾燥している。

酸素を体に取り込む為、心臓は、私が100メートル全力疾走した時のように、心拍が140回/分。


小さな氷のかけらをガーゼに包み、口に入れると舌を転がして舐めていました。


午後からは、
「目が見えなくなってきた」
と伝えたくて、
Fさんは、目を見開き、天井を指さして、手を振るしぐさをしていました。

視界が暗くなり、目えづらくなっているのかを伺うと、
Fさんは頷いてくれました。


なるべく一人にしたくないので、ベットに横たわるFさんい手を握り締め、語りかけながら、話をしていたら、
私の顔と、頭を撫でてくれました。


握った手の力は、亡き父と同じて強くたくましく、温かいものでした。


明日が万人に訪れるわけではなく、今を生きることをしきりに教えてくれた気がしてなりません。


Fさん。あなたは、言ってました。

「生きるのは大変」。

点滴や酸素療法を望みますか

と尋ねられた時


「できるなら遠慮したい。」

今日の生き様に、あなたの信念が揺るぎないものだと感じました。

               MILK




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