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深淵を覗くとき
「深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
この言葉を知ったのは、海外ドラマ「クリミナルマインド」を見ていた時。
このドラマは連続殺人の犯人をプロファイリングして次の被害者を出さないように奮闘するFBIのチームの話で、大人気な為、もうシーズン17まである。
このドラマの印象的な一つとして、冒頭とエンディングにストーリーに絡んだ色んな著名人の名言や各国のことわざ等を引用しているのだけど、毎回それを聞く度に「おぉ!」と変な納得をしてしまう。
その中でもこれは!と思う言葉も沢山あって、それは他の人にも響いているようで検索するとそれに絡めたブログ等も沢山出て来る。
今回はこの
「深淵を覗くとき、深淵もこちらをのぞいているのだ」
という言葉。
有名なドイツの哲学者、思想家のニーチェの言葉で、彼の著書の一節から抜粋したもの。
この言葉までにも勿論前後があるけど
「悪と戦う時、戦いというものに没頭していつの間にか自分も悪にならないように用心しろ」という意味でもあるらしい。
深淵=水深の深い淵、濁った水
これは、自分にとっての 悪 問題 敵 等に没頭してしまって、いつの間にか抜け出せなくなってしまわないようにというような注意喚起でもある。
何だか時代が違えど私達にも必ず当てはまる事だと感じる。
大きな事柄で言えばSNSの誹謗中傷
始めは、殺人犯や明らかに悪いと言われてる人が法的に自由になってしまった時、世間は許していないという事で、正義は勝つみたいに良い結果として捉えられていたはず。
「社会的に抹殺する」
という言葉がエスカレートしていって、いつの間にか人を殺してしまうところまでいってしまったのはいつからだろう。
「みんな誰かを裁きたくてしょうがないんだ」
とドラマ「MIU」で星野源演じる志摩が言っていた台詞が妙に刺さる。
自分が正義と思い込み過ぎて、それに乗っかる人達が増えるとそのもの自体に快感を覚え、もう
「どっちが悪だ…」
と俯瞰で見てる方は分からなくなる。
こんなことはいつの時代も形を変えて繰り返しあったのだろうし、これからも消えることはないんだなと思う。
人の心は単純で、操作されやすいんだな。だからそこを上手く使ってお金儲けややりたい放題やる人がいるんだろうなと思う
思うけど、いざ自分がその操作されてる方になってるかなんて気づかないかもしれない。
それもあって、ニーチェの言葉が印象深いのかも。
考える事を諦めると、自分の中の闇がどんどん侵食していく。
これは何にでも当てはまるけど、日々どれだけ意識して生活していくかということを忘れたくない。