見出し画像

音楽家として英語は必要か?

音楽を続けていく上で、英語は必要でしょうか?
声楽家の方から

生徒さんから質問をいただきました。

私の回答:コミュニケーションツールとして英語はとても便利ですよ!

言語はコミュニケーションにおける『ツール』です。英語は国を問わず、多くの人に馴染みのある言語なので、広く使えると思います。複数の国の人たちが集まる場では、英語が共通語として使われることが多くあります。海外で暮らすとなると、その国の言語を学ぶことが第一ですが、加えて英語が使えると、よりコミュニケーションの幅が広がると思います。

声楽家やオペラ歌手にとっては、言語は『歌詞』としての大きな意味合いがあります。もし自分のレパートリーがイタリアオペラが中心であれば、イタリア語を学ぶこと、そして簡単な会話ができると尚良いと思います。その言語を知っていると、音楽がより身近なものに感じられます。ただ曲の歌詞として発音するだけではなく、自分の言葉としての表現になります。

私の場合は、イタリア語、ドイツ語、ブルガリア語の勉強を日課にしています。最近はオンラインアプリなどもあって、以前よりも勉強が気軽にできるようになりました。いろんな言語を一気に勉強するというと、混乱を招くのでは?と思うかもしれませんが、意外とそんなことはなく、むしろ脳の回路が切り替わる感覚も楽しく、飽きずに続けられています。イタリア語に飽きたらドイツ語、というふうに、他の言語に切り替えると気分転換にもなります。そして、ブルガリア語の難解さに比べたら、イタリア語やドイツ語ってめちゃくちゃ楽だわ〜、とも思います。笑

歌手に限らず、音楽のスタイル(様式)は言語とも大きく関わりがあるので、リズムはもちろん、音楽のノリやニュアンスのようなものは、言語を習得していると捉えやすいと思います。

ちゃんと喋ろうと思う必要はなく、その言語に興味を持って慣れ親しむ、くらいでも良いと思います。ちなみにイリヤンは、私が必死に単語を覚えようとしていると、『覚えようとするな』と言います。覚えよう、理解しようとするよりも、毎日繰り返し触れ合うことの方が大事なんだと思います。

実際に喋れるようになるためには、実践練習あるのみです。プライドを捨てて、とにかくカタコトでも良いから喋る勇気が大事です!ちゃんと喋れるようになってから会話をしようと思っても、そんなときはやって来ません。笑

🔹🔹🔹🔹🔹
コミュニケーションツールとしての言語

海外で暮らし始めてわかったことは、英語が喋れるということと、コミュニケーションができる、ということは別だということです。日本語でも同じことですよね。日本語が喋れることと、コミュニケーション能力があるかどうかはまた別の話です。特に日本には『コミュニケーション下手文化』なるものが存在しています。

言語の問題以前に、
『なにを話していいかわからない。』
『特になにも言いたいことが見つからない。』
と思考停止してしまっている上に、壁を作って自分の殻に閉じこもっている人をよく見かけます。

そもそも、コミュニケーション能力とは先天的なものだと思っている人も多いのではないでしょうか。努力して身につけるもの、という認識がない人が多いように思うのです。世の中には、コミュニケーション能力を高めるための方法についての情報がたくさんあります。コミュニケーションも語学同様に、練習が必要です。

コミュニケーションとは相手に心を開いて対話をし、お互いを理解し合うためのものです。コミュニケーションが苦手な人は、『こんなことを言ったら嫌われるかな』と、自分がどう思われるかばかりを考えています。

そうではなく、まずは相手が何を考えているのか、どんな心でいるのか、相手に興味を持つことです。コミュニケーション能力というと、いかに自分の意思を伝えるか、という話し手としての能力のことに思われがちです。けれども本当は、良い『聞き手』としての立場の方が、場を作るためには大事な役目だったりします。

私はあなたの言葉に耳を傾けていますよ。理解しようとしていますよ。という姿勢こそが、コミュニケーションにおいて大切なのだと思います。コミュニケーションとは相手に対する『思いやり』から生まれるものです。

明るく挨拶をする、それだって十分なコミュニケーションです。みんなが気持ちよく過ごせる場を作るためには、そこにいるすべての人の協力が必要です。人任せではいけません。

🔹🔹🔹🔹🔹
対話を通じて自分を知る

音楽を理解するためには、作曲者の思いを理解する必要があります。人とのコミュニケーションを通じて、相手の心を理解しようとすることと通じるものがあります。

相手の心に気づくこと。そしてそれは、自分の心に気づいていくことでもあります。対話を通じて自分を知る。そのためのコミュニケーションであり、言語であるという視点を持つことが大事なのではないかと思います。

コミュニケーションも練習が必要です!

今日はこの辺で。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?