コンクールで勝つ方法
コンクールに勝つ方法はあります。
ここでいう勝つとは、文字通り結果を出す方法、という意味です。
イリヤンは、コンクールを受ける生徒さんには「コンクールで勝つ方法」を教えています。
「人と競争してはいけないよ。」これは私が生徒さんたちにずっと言い続けていることです。
そんな私が、「コンクールで勝つ」と言うと、矛盾しているように思われるかもしれません。
けれども、人と競わずに勝つ方法があれば、その方が良いと思いませんか?
実際に、人と競っているうちは勝てません。
なぜなら、コンクールで勝つためには、その他大勢の演奏とは全く違う演奏をする必要があるからです。
多くの演奏家たちは、神経を擦り減らしながら、同じようなレベルで競い合っています。
その場合、小さな差で優劣がついてしまいます。
けれども、勝つために必要なことは、その群集から抜け出ることです。
それはつまり、圧倒的に勝つことです。
けれども、そのための方法は決して簡単ではありません。
魔法のようなトリックがあるわけではありません。
誰しもにできることでもありません。
他と違った演奏にするということは、奇を衒ったような人と違った演奏をする、という意味ではありません。
そのために必要なことは、ものすごーく細かい地味なことだったりします。
そして、その見逃してしまうような小さなことこそが、大きな違いを生むのです。
全ては基礎です。
ソルフェージュ、体の使い方など、音楽を始めた頃に学んだことは、全てがコンクールに向けての準備の一貫であると言えます。
それらの積み重ねがあった上で、コンクールで勝つために必要な「音楽を理解する」というステージに移行していくことができます。
技術がなければ、表現はできません。
それどころか、音楽を理解することすらもできません。
コンクールでは特に、確かな技術が求められます。
それは音楽を理解するために必要なものだからです。
イリヤンは、細かな技術に加えて、「音楽を理解する」という面から、コンクールを受ける生徒さんたちを指導しています。
どこで取りこぼさず、どこで差をつけるか、コンクールに勝つためのポイントもあります。
イリヤンがレッスンで言っていることを全て受け入れて、その通りに努力できれば勝てます。
そのためには、人と競っている暇はない、ということです。
「人と競わない、比べない。」ということは生ぬるいことではありません。
自分の全てを受け入れて、やるべきことに全精力を注ぐ、ということです。
正しい準備をして臨むコンクールには、大きな意味があると思います。
コンクールを経験することで、音楽家にとって必要な鍛錬を積むことができるからです。
同時に、コンクールは諸刃の剣にもなり得るものです。
結果や、審査員からの批評に一喜一憂したり。
準備不足で挑んでしまったり。
ただただ疲弊するだけで終わってしまうようなコンクールであれば、それは受ける意味がないどころか、その後の音楽人生に影を落とすことにもなりかねません。
コンクールを受ける際には、細心の準備をして臨みましょう!