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「先生に心を開くこと」は良くなっていくための第一歩

音楽を学ぶ上で、上達するための条件を挙げるとするならば、それは先生を信頼することだと思います。

では、先生との信頼関係を築いていくにはどうすれば良いのでしょうか?
このことは、学ぶ側の立場から、指導する側の立場から、いつも考えてきたことです。

日本では、先生と生徒といえば、信頼関係というよりは、上下関係の方が強いように思います。先生の言われたことには従わなければならない、信仰や服従に近いような、そんなイメージすらあります。酷くなると、生徒を上から押さえつけたり、恐怖心を抱かせて支配したりする先生もいると聞いたことがあります。こう書くと極端にも思えますが、実際に生徒を下げるような言動をする先生は多いですよね。

その場合、生徒は『先生の目』が全てになります。先生の目を気にして、先生に気に入られるような振る舞い、先生に気に入られるような演奏をすることが目的になります。音楽を学ぶどころか、先生が権威を保つために、生徒が利用されているような状況が生まれてしまいます。

一方で、信頼関係とは、お互いが心を開いていくことによって育まれていくものです。どちらか一方が心を開くだけではダメなんですよね。両方が心を開くことで、信頼関係は深まっていきます。上下関係のように、すでに決定されたものではなく、お互いの歩み寄りと努力によって、培っていくものなんですよね。

そのために必要なのが、お互いに対する敬意です。

では敬意とはなんでしょう?

それは、『あるがままの相手を認めて、受け入れること』なんだそうです。自分が相手に受け入れられていると感じられると、安心して心を開けますよね。

敬意とは、決して、相手を上に見て崇めることではありません。

心を開いて自分の心情を表現できる人。
素直に話を聞くことができる人。
疑問や違和感を素直に表現できる人。
気づきや心の変化を自分で見ていける人。

これは伸びていく人、変わっていける人の特徴です。
心を開いて、自分の抱えている思いを話すことは大事なことです。

指導していると、生徒さんの心の壁を感じて、なかなか踏み込んで指導ができない、というジレンマを感じることがよくあります。教える立場としては、少しでも生徒さんのことを知りたい、と思っています。相談や質問をして欲しい、と思っているんですよね。そのことが指導の方向性を捉えるための手がかりになって、指導がしやすくなることもあるからです。

生徒さんに心を閉ざされたまま指導することになると、こちらが一方的に働きかけなければいけなくなります。先生がエネルギーを消耗する割には、レッスンの効果も薄い、という残念な結果になります。上達も遅くなります。

だからこそ、心を開けない、話せない、というのはマズイんですよね。話せない場合、その理由はなんでしょうか?
とても話せるような雰囲気の先生ではない。こんなことを言って嫌われたらどうしよう。何を話して良いかわからない。

そうだとしても、本当に良くなっていきたい、と望むのであれば、一度は勇気を出して先生に相談したり質問したりしてみることです。自分のことを分かってもらうための努力は生徒さん側にも必要です。

もし、先生の方が心を開いてくれなかったり、対話を断られるようであれば、その先生からは学ぶことは難しいと思います。先生に気に入られるためではなく、自分が良くなっていくためのレッスンでなければ意味がありません。

勇気を出して、心の壁を取り除いていきましょう!
そうすれば、自分のことを受け入れてくれる人が、周りにいることに気づいていけると思いますよ!

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