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一風変わったミュージックアカデミー

「とりあえずやってみよう!」
見切り発車で、2017年に始まったIAMIアカデミー。あまりにも自由で非日常、まるで異次元に来たかのようなアカデミーに驚く生徒さんたちも多くいました。今振り返ってみると、IAMIアカデミーのようなスタイルはなかなかおもしろかったな、とあらためて思います。

コロナ禍により私たちが帰国できなくなり、みんなで集まって学ぶ、ということができなくなりました。充電期間も終え、新たな時代の節目を迎えて、そろそろ日本でもIAMIアカデミーが再開できたら良いな、と思っています。

今回は、IAMIアカデミーの魅力やその雰囲気を別の角度からお伝えできたらと思います。

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スケジュールがない!?

IAMIアカデミーではスケジュールがありません。初めての受講生は、前もって細かな予定がわかる方が安心できるかもしれませんね。けれども、一度アカデミーの雰囲気を体験すると、スケジュールがないということの意味がわかると思います。

あらかじめ分かっていることは、始まる時間と、大体の終わりの時間のみ。来れるときに来たら良いです。前日に朝練メニューを指示される場合もあるので、その際は朝練をしてから参加します。絶対にみんながその始まりの時間にそこにいなくてはいけない、ということはありません。集まった人の中から、『今日は〇〇さんのこの曲からレッスンしようか。』とレッスンが始まります。自分のレッスンが終わって人のレッスンを聴講していると、流れでまた自分のレッスンになったりする場合もあります。

レッスンの中で、細かい技術を先生と一緒に練習する場合もあります。そんなときは、『この練習を1時間しておいで。それでまたここに戻っておいで。』と、レッスン中に練習メニューが与えられて、その後練習が正しく行われていたかチェックがあったりもします。

レッスンから、ブリーディングコーディネーションの施術や体の使い方、体の仕組みなどについてのレクチャーに発展することもあります。流れの中で、いろんなことが展開していきます。

楽器のレッスン、歌のレッスンと分かれることもあれば、楽器関係なくみんなで学ぶこともあり、それも必要に応じて、その場で決まっていきます。

受講生は、高校生からプロの音楽家たちまで年齢も様々です。楽器によって必要な練習時間も違います。基礎をしっかりと学ぶ時期、曲の中で音楽作りを学ぶ時期、曲を磨き上げる時期、生徒さんの習熟度によって、必要なこともすべて変わっていきます。そのため、私たちはいつでも、それぞれの生徒さんに今必要なことを提案できるように心がけています。それが、前もってスケジュールを組むことができない理由です。

なによりも、『みんなで一緒に場を作っていく』、ということを大事にしています。決められたスケジュールに沿うのではなく、自分なりの時間を過ごすという中からも、当事者意識や、主体性のようなものが育まれていくきっかけになるのでは、と考えています。

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レッスン以外の時間

昨今、音楽を学ぶということが「お勉強」になりつつある中、音楽とそれ以外の時間が切り離されているように思います。本来、生き方、あり方、考え方、食べ方、生活の全てが「音楽家」としてのものになっていなければいけません。

アカデミーは、先生の「思考」に直接触れられる機会でもあります。一緒に食事をしたり、お酒を飲んだり、音楽を聴いたり、色々な会話の中で、先生が普段どんなことを考えて、どんな暮らしをしているのか。どんな音楽をどんな聴き方で聴いているのか。どんな本を読んで、どんな影響を受けているのか。『音楽家である私』という視点で生活するとは?それが一体どういう感覚なのか。

それらは、人に説明されて理解できるようなことではありません。直接、人から影響を受けることでしか学べません。その人に感化されて、自分の中にその感覚を根付かせていく、そんなイメージです。

「先生の視点から見る世界」を知ることによって、生活や会話の中に、こんなにもいろんな学びや気づきがあるんだ、ということを体験することができます。

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制限を外す

例えばアカデミーの中でよく驚かれるのが、イリヤンが突然なにかを始めることです。彼が練習するときもそうです。気づいたらスーッと練習し始めています。突然レクチャーやレッスンを始めることもそうです。『はい、今からレッスンです。』という区切りはありません。

会話の中から質問が生まれたり、音楽を聴きながら和声やソルフェージュの話になったり、そこからまた突然レッスンになったり。本当に、境目なく流れるように全てが起こっていきます。

実はこれにもちゃんと意図があります。私たちは『準備する』ということが当たり前になっています。それは、あらかじめ決められた中でしか行動できない、という『制限』であるとも言えます。それが、音楽が生活から切り離されて、かしこまったものになっていることの理由でもあります。

「海外では音楽が生活の一部として溶け込んでいる」というのを聞いたことがある人も多いと思います。それを実際に体感するためには、予定調和にない、自然発生的に起こるものを受け入れていく姿勢が必要です。

考え過ぎず、真面目になり過ぎず、自分をよく見せようとせず。心を開いていろんなことを受け入れてみる。何事にも「柔軟である」ということが、変わっていくためには大事なことです。

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希望が持てるアカデミー

『アカデミーが終わったときが新たなスタート地点だよ。』
これはイリヤンが生徒にかけていた言葉です。

本当の学びに触れると、自分の中に力が湧いてきます。そこから見える景色は、希望的観測のような甘いものではなく、自分の中から確かに感じられる希望です。そして、その希望を共有できる仲間が持てることは、大きな財産になります。

競争ではなく、同じ方向で学ぶ仲間の存在は貴重です。お互いに良い影響を与え合いながら、成長していける仲間と出会えるのも、アカデミーの良いところだと思います。

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まとめ

冒頭に、自由で非日常な雰囲気のアカデミーと書きましたが、これこそが学びにおける本来のあるべき姿なのでは、とも思います。実際にイリヤンを見ていると、そんなふうに学び育ってきたのがわかります。

一方、指導しながら、通訳や、その他いろんなことをしている私は、アカデミーが始まると、いつもテンヤワンヤになっています。笑 いろんなことが起こり過ぎて、学びが濃くて、時間が駆け抜けるように過ぎていきます。毎回ディレクターの千絵ちゃんに助けられながら、なんとかやり遂げることができています。最後はいつも「うわ〜やり切った!」と、清々しい疲れと共にしばらくはボーッと余韻に浸る時間が必要です。

そんな時間が懐かしいなー、と久々に思い出しました。そして、次のアカデミーへ向けてそろそろ動き始めようか!という気分にもなってきました。

私たちのことなので、また突然のお知らせになるかもしれませんが、いつか突然アカデミーやります!!

今日はこの辺りで。
最後まで読んでくださってありがとうございます。

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