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オードリーに感謝

noteを始めるにあたって、最初の投稿は自己紹介をするのが通例のようだけれど、私はやらないことに決めた。とにかく今、書きたい事を書くことにしたい。つまり、タイトルそのまま、「ありがとう、オードリー!」である。オードリー・ヘップバーンではなく、あの、今をときめくラジオモンスター、オードリー二人のことだ。

私はバブル期まっただ中に大学を卒業し、社会に出た。その時代を全く知らない若者に、会社のお金でさんざんタクシーに乗ったとか、お給料がバンバン上がったとか、海外旅行に行って買い物したとかの話をして、口をぽかんとされる、あの狂乱の時代。

毎晩のようにあちこちで飲み会があり、テニスかゴルフ、冬はスキーかスノボをしなきゃ一人前の社会人じゃない、というような変なルールが、空気中に小さな粒子となって広まっていた。私もご多分にもれず、二日酔いの頭痛をかかえながら仕事をしたり、ゴルフを習ったり(面白くなくてすぐにやめた)、スカッシュをしたり(運動音痴ですぐにやめた)、冬はスキーに行ったり(運動音痴プラス寒さに弱いからこれまたやめた)、海外旅行に行ったり(これは楽しかった)したものだ。

オフィスでのくわえたばこは普通だったし、おじさまが女性社員のお尻を触っても、だれもそれを咎めなかった。容姿に関する発言も普通の事だった。容姿に自信のなかった私は、いつもビクビクしていたように思う。全くおくびにも出さないように振る舞っていたけれど。当時はハラスメントなどという言葉もなかったから、ただ傷ついた気持ちの整理も出来ずに終わっていた。

中でも会社の飲み会や、合コンというやつは、実は苦痛だった。楽しいことは楽しい。だけど、私の内側に生まれるざわざわした違和感を払拭することは出来なかった。当時の事なので、今のこの「コンプライアンス縛り」は皆無。会社のお金をさんざん使わせてもらう代わりに、ハラスメントに耐えるのは当然というような場面はいくつもあった。

あれから数十年、様々な経験をして、コンプレックスのようなものは払拭され、余裕を持って人と接することが出来ている58歳の今のワタシ。普通に事務仕事して、上司や同僚と仲良くやれている。友達もいる。それでもなお、大勢の飲み会を楽しめない自分がいる。気持ちが一歩引いている自分がいる。みんなにとことん馴染めない自分がいる。ものすごーいざわざわ違和感。

これって私がいけないの?

と悩んだ時期もあった。でも、今は断言する。

単に、大勢の飲み会が嫌いなだけだ!

私は気の合う少人数で、美味しいお酒を飲みながら、しっぽりと語り合う
小さな飲み会が好き。大勢の飲み会は嫌い!それを公言してもいいんだと分からせてくれたのが、オードリーの二人だった。

今から十数年前だったと思う。たまたまつけた深夜ラジオで二人の話を聞いていたら、二人とも飲み会が嫌いと言っているではないか。

えええ?まじで?そんなこと言っちゃっていいの?公共の電波で?

今の若い人達には、私のこの衝撃は分かってもらえないかもしれない。
へ?行きたくなきゃ行かなければいいじゃん?と。
価値観も違う、話題も異なる気の合わない人達と、どーしてお酒飲んで話さなきゃならんのよ?時間がもったいないじゃん?と。
でも、意外にも、バブル期OLに染みついた、「バブル期飲み会ルール」の刷り込みは根深かったのだ。

それ以来、毎週毎週彼らのおしゃべりを聴きながら、私の心は少しずつ解放されていった。「飲み会が苦手って、言っちゃっていいんだー」と。すごく気持ちが楽になっていった。

そして、今年の2月18日である。私は同僚とあの伝説の東京ドームへ行くことが出来た。そして泣いた。いろんな感情が入り交じって。笑っちゃうくらい泣いた。青銅さんタオルを握りしめて。まわりを見回すと、大人しそうな若い男の子達が、しんみりと耳を傾け、はにかむような笑みを浮かべている。しみじみと、心の底から楽しんでいる様子がうかがえた。そんな子達が五万といた。(実際に五万人以上ね)

いいなー、この子達にはオードリーがいる。若い辛い時代に、オードリーがいてくれるって、大きい。めちゃくちゃ大きい。
オードリーにもっと早く出会いたかったよー。バブル期に彼らがいてくれたら、どんなに楽だったかしれないよー。
でも、あの頃、彼らはまだ中学生かぁ~~~。

それでもやっぱり、オードリーに出会えて良かった。ラジオモンスター二人を慕うのは、大勢の内気な男の子達だけじゃないんだよ。彼らに癒やされている中高年者も大勢いるんだよって、伝えたい。

ありがとう、若林君、春日!




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