海が枯れるまで(未・現×)
怒涛のSANcの前にすでに心は折れていた
最後の夜に久遠さん自身の話を引き出せなかった時点で、久遠さんは真の意味で私には心を許してくれないんだと悟った。
「あと言いたいことある?」ってKPに聞かれた時に、ジンゴが言ったように夜に1人で島を出る決心をしてしまっているのか聞こうと思ってたんだけど、どうしても言えなかった。こんな関係の私が聞いちゃいけないと思った。
だから夜、案の定久遠さんがウキウキと私を置いて外に出ることを選んだ瞬間がめちゃくちゃ悲しくて、何でか分からないけどとても辛くなってもう喋れなかった。あそこ久遠さんオンリーのパートでほんと良かった…。サイレンさえならなければ、私はきっと久遠が隣にいないことに気づいた瞬間に全てを悟り諦めていたと思うの。追いかけるなんてとてもじゃないけど出来なかった。
だから砂浜で狂気状態の久遠さんを見た時も、最初声をかけれなくて、でも明らかにおかしいから助けなきゃ…の気持ちでなんとか心を保ってた。
そんなグラグラなところであの怒涛のSANcですよ。お父さんは何とかして助けたくて、鍵なんてかけたジンゴさんに心底むかついて、けいぞうさんの話したいことなんてどうでもよかった。早く行きたかった。
でも民家に行ったら更におかしなことになってて、お父さんを助けたい気持ちと島の人たちを助けたい気持ちで動けなくなった。久遠さんが手を引いてくれなきゃたぶんそこで呆然としてた。
からのヒロとカズ、でもう声すらかけれなかった。確実に心が死んだ。もう泣くしかない。
その後引っ張られた先はあんまり覚えてないけど、唯一気持ちが戻ったのがジンゴさんに会った時。もう掴みかかって鍵を奪い取りたかったけど、久遠さんが話したい様子だったからなんとか耐えて、でも抑えきれなくて声を荒げた瞬間のあれ。あっだめだこれ。