自卓狂気山脈の裏話とか感想とか。

蛇足かもしれないNPC等の裏話と感想をつらつら書きます。最高の登山家たちに最大級の感謝と拍手を。


動画について

最初にまず謝罪から。何回やってもOBSに振られ続けている私ですが、今回はリンクが途中で切れてルームチャット&神木さんのステータスが永遠に動かないという地味に痛すぎるミスをしでかしました。終わって気づいた時の絶望感たるや……なんでそういうことするの…… 

絶対欲しいなと思った場面は手動で復元しましたが、さすがに全部はやり切れず見にくくなってしまい申し訳ないです。右下を見つつ、PC達の素敵なRPを見届けていただければ幸いです。

シナリオ裏話

「狂気山脈~邪神の山嶺~」は思い入れの深すぎるシナリオで、回したい気持ちはありつつも、本当に自分のKPで回していいシナリオなのかと悩んでいました。(初めて見た「個性豊かな」以来10回以上は見ている大好きなシナリオです)それが今回、素敵なPLたちが集まってくれて、「これはやるしかない!」と一念発起の気持ちで回すこととなりました。

終わってみて、回せてよかったの一言です。KPのミスは多々あれど、そんなのを忘れるくらい(忘れるな)最高の物語を最高のポジションで見れて幸せでした。本当にありがとうな。

・ちょこっと変えたところ

今回少し変えたポイントは2つ。といっても98%は元シナリオままです。

①第一次登山隊についての表記を「世界有数の実力者と名高い某登山チーム」に変更

HO2のすずさんから事前に「第一次隊は家族のような関係だった」という設定をいただいたので、何かしらそれを生かせないかともう少し変えるのも考えてました。が、シナリオのバランスがHO2に寄りすぎてしまうと良くないかな、と思いこの表記変更だけにしました。結果として帰山さんが想像以上に重く深く考えてくれていたのでちょうどよかったかも。

手記を少し改変しようかとも思いましたが、同じ理由でやめました。というか原文があまりにも完璧すぎて変える要素がなかった。最後だけ名前呼びにしたくらい。

②コージーとK2が帰山(HO2A&B)のことを知っている

直前まで悩みました。全く初対面で行った方がいいかなと思いつつ、第一次登山隊のことをK2が知らないわけがない。し、自卓のコージーは「コネやツテで情報は人一倍あるが、実体験が伴わない頭でっかち」でいこうと思っていたので、第一次隊のことを何も知らないわけはない。悩んだ挙句に、

・K2は第一次登山隊と帰山の離脱理由について正しく知っているが、よほど聞かれない限りシナリオ内では触れない(第一次登山隊と帰山に対する後ろめたさを感じているため)

・コージーは帰山が第一次登山隊から直前で離脱したことは知っているが、その理由は「直前に怖くなって逃げだした臆病者」だと思っている(自分では調べず、なんとなく人伝に聞いた噂を鵜呑みにしているため)

でいこう、というところで落ち着きました。まぁ機会があればこの設定使うか、ぐらいの気持ちでしたが(それよりもK2・梓・コージーという魅力的なNPCたちを演じきれるか不安だった)やってみてよかったなぁ。コージーとの関係がより複雑化して感情の複雑骨折に貢献できたので満足です。

・「神隠し」は信じますか?

HO3との関りかたとしては、K2・梓は非科学的なものには否定的な立場なので”神隠し”という事象は認めません。が、良い意味で自身と他者の区別がはっきりしているので、頭ごなしに否定はせず「貴方はそういう考えを持つ人なんだね」というスタイル。特に梓はドライに見えて距離感が上手いので、仲間からは信を置かれる強い女性ですね(こんなんどうRPすればいいんや…)

逆にコージーは、信じてないと言いつつそういう事象を否定しきれないと思っている派(無駄に真偽不明な情報だけたくさん持っているため)です。「科学的にはあるはずがない、が、もしかしたら…」という気持ちが捨てきれないので、口先では否定しつつもちょっと突っ込まれると好奇心が勝ってくるかも。実際は登山に必死であまり生かしきれなかった気がするなぁ。

・舞台のセッティング

あともう一つ、KPに課せられた使命はHO1に「そこに山があるからさ」を超いいシーンで超かっこよく言わせること。セッション内では自然の成り行きに任せようと思っていたので、KPとして用意した舞台はひとつだけ。分かりますね、EDです。世界最高峰の第一登を果たした登山者たちへのインタビューをイメージして作りました。そこに全てを込めてた。なぁ小田っち……。(せっかくなので用意したED描写は最後らへんに入れておきます)

徒然すぎる感想

いや~~~~~~~いいセッションだった!!こんなに泣いて笑って苦しんだ体験が最高でないはずがない。ありがとう本当にありがとう。

・K2(ケヴィン・キングストン)

K2がこんなにしんどいなんて知らなかったんですけど…?技能知的にも「K2は大丈夫だろう」という安心感があったのに、高山病になるわクレヴァスに落ちるわ、挙句の果てに年若い後輩たちに助けられ心配されるわ…。K2は登山に年齢を持ち出すようなタイプではないので、PC達に対するネガティヴな感情はなかったけれど、その分自分に返ってくる情けなさや悔しさが辛かった。「老いからくる焦りと第一次隊への複雑な感情」を抱えながらの登山は本当に苦しかった。そのうえで重なる悪夢を考えると、このK2の出目の悪さも納得でした。PC達が悪夢の中で見たのは自分たち(=狂気山脈への本能的な恐怖)であるのに対し、K2が見たのは第一次隊(=チャンスを”くれた”彼らへの罪悪感)なのも、うちに抱えるものの差がはっきりと見える。

そんな中でキラキラした純粋な目で話を聞いてくれる小田さんにどれだけ救われたことか。最初からK2の話に食いついてきて、夜には1対1で登山体験を聞いてくれて、焦りで周囲が見えにくくなっていたK2に「”自分の登山”ではなく、このチームのために登りたい」と思わせてくれたきっかけでした。

・穂高 梓

口数は少ないものの、K2が不安定な分チームの精神的(技能的)な支柱になってた。K2と梓が面白いのは、どちらかが不調でもどちらかが支えてくれるところ。元々チームを組んでいた経験から来ているのか、KPをしていてもこの二人のバランス・相性の良さはすごくいいなと思いました(小並感)

TRPGにおいて食事のシーンってすごく大切で、卓ごとの幅が広がるきっかけになると思うんです。だから梓のコーヒーは一言だけの描写でもちゃんと毎回入れよう、と思っていたので、少しでもPC達の印象に残ってくれていれば嬉しいです。一人でいる帰山さんに話しかけようかとも思ったけれど、話をしたければコーヒーを渡すときに話してくれるだろうし、そうでないのなら一人の時間が必要なんだ、と思って距離感をはかってた。タイプが違くても、個性が豊かなチームメイトと過ごす夜は梓にとっては楽しい空間だったろうと思います。

・コージー・オスコー

コージー・オスコーのRP、たのしい(確信)。最初から帰山さんとは険悪で最悪だっど、コージーからしたらあの噂しか聞いていなかったから逆に衝撃でした。元々「どうせそんな奴なんだろう」と帰山を舐めていたところが多分にあったと思う。そこから話を聞いて、いろいろ考えて(説得もあり)登ることを選んだけど、「何でコージーついてきてくれたの!?」ってPLに総ツッコミを喰らってしまって笑いました。いや~~うまく伝えきれなかったの、悔しい!

コージーは嫌味で実力が伴わない頭でっかち、ではあるけど、決してダメな人間ではないと思うんです(たぶん)(個人の解釈)悪い意味で素直で悪い意味で素直じゃないから衝突するだけで、実際は考える頭も力もあるんじゃないかと思う。(あれ、悪い意味ばっかり…??)
いくらボンボンのコンプレックスBOYとはいえ、(金銭面でのやり取りもあったにせよ)狂気山脈に挑むことはできるだろうとK2が認めたわけだからね。

だから虹の谷以降、コージーだっていろいろ考えてた。もちろんKPとして、この後の大黒壁登攀にコージーがいた方がなにかと便利、っていう考えもあったけど、それ以上に自分の中に降りるという選択肢がなかった。

虹の谷での本能的な恐怖は決して忘れられないけど、このまま降りて、そしてコージーはどうなるのか。負け犬として一生このコンプレックスを抱えて生きていくのか。虹の谷の直後は狂気のあまり「降りる!」と駄々をこねたけど、結局のところコージーのその後を踏まえると元々降りると言う選択肢はなかったんじゃないかと思う。
だからみんなが、理由がどうであれコージーを説得して引き止めてくれて、自分では踏み出さない一歩を進むきっかけをくれたことで、コージーはやっと登山家になれたんじゃないかな。

K2が離脱した8000m地点。K2の独白に、全く同意見のコージーも流石にバツの悪そうな顔をしてた。そこでチャンスだと思ったんだよ。ついつい「降りる」と弱音を吐いたコージーを、ちゃんと「生きるためには一緒に行こう」と責めるでもなく、現実的な提案をしてくれたPCたちに対して、実は心を許してた。でも性格上素直に言えないから「仕方ねぇからついてってやるよ!」って照れ隠しも込みで言ったわけですね。ぶっちゃけいつ"コージーらしい明るさ"を出すか散々迷ってたので、今しかない!と突っ込んだ。
ら、案の定「コージーお前どうした!?」って笑われました。なんだよいいだろ!!俺に任せてついてこいおまえら!!

元シナリオ的には虹の谷でコージーと別れるのが通常なので、説得失敗していれば恐怖が勝り、コージーはあそこから頑として登らない選択をするつもりでした。そうなればきっと、生還しても降りた後の生活はコージーにとって少なからず辛いだろうな…と思うと、あの恐怖に囚われず無事に山頂を踏めて本当によかった。コージーを認めてくれてありがとう。

・PCたち

初手から重いし個性が強い。雪上車の中でワンコをわしゃわしゃ撫でる小田っちとコージーかわいすぎる。

最初の夜、そうなることは分かっていたけど、それにしても帰山さんの反応が強くて、第一次隊への気持ちにこっちがもってかれました。いや辛いに決まってるやんそんなん。何も言えなかった。

K2のアクシデント以外は9000mまで本当に見事な登山で、なんか狂気山脈の気持ち()になって悔しくなったのはナイショ。大黒壁ではそんなこと考えててごめんって思った。いやまじで。

小田っちの一発芸、KPは一言もクルミとは言ってないんだけど…?この人天才か…?最高峰登山によりによって殻付きのクルミをもってくるやばい人だったけど、小田っちは間違いなくチームのムードメーカーだった。この色んなものを抱えすぎたパーティの中で唯一、「山を登りたい」という純粋な気持ちでここまできた小田っち、もうこの時点で最高の登山家の称号をあげたい。でも「そこに山があるからだ」チャンスはわりとあった(気がする)のに全然言わないやん!焦らすなぁ〜!笑

虹の谷、あそこで目を覚ましたのが帰山さんだけで正直「終わった…」と思ってたけど、なんとか乗り越えてほっと一息ついた翌朝、全く同じことをしでかすヤツがいたんですよ。
あの瞬間の恐怖たるや。これだから巻きさんは。あそこ、本来は帰山さんに幸運振らせるところを神木さんに振らせたのは、自分の運命は自分で掴め!の気持ちだった。ついつい興奮してしまいました。これだから巻きさんは運命力が強くて困る(困らない)

手記。何回も練習したはずなのに、工藤康司の思いに少し泣いてしまった。登山家としての技術的な記録のあとに、少しだけ垣間見える工藤康司の為人が辛い。この時のBGM「この先は、君だけで。」(作:うっちーぜろ様)は、後の者たちへの精一杯の激励と讃歌のイメージです。明らかに死地だと分かっていても進む彼らに対して、一切の同情や憐れみを持たず、ただ後ろから背中を押す。仲間だからこそ、この先へ進むと確信している康司の思いに応えるにはこの曲しかないなと思い、1番最初に決まったBGMでした。

大黒壁…………どうして………あんなにスムーズにきて、出目だって特別に悪すぎることはないのに、ギリギリで足りない。+5%にあんなに左右されるダイスってなに?ダイスの女神??みてるか???

「登る」ということに囚われた人と、登る理由が分からなくなった人と、純粋に山を登りたい登山家がいて、一番最初に脱落するのが彼だなんて、どんな運命ですか?

大切なものは失ってから気づくんですよ。もうこれ以上言うことはない。

狂気山脈に登るうえで、一番大切なのは「全員が登る理由をもっていること」なのかなと思った。一番強い気持ちで山に向かっていた小田さんの死で残された二人が登る理由を取り戻すの、あまりにも劇的で最高の皮肉。

山頂についた瞬間は反応が薄いのに、梓と小田さんの話をした瞬間に泣きだす二人に、一緒に登山をしてきたんだなって実感しました。がんばったね。あそこ、コージーはそんなこと言わないかもしれないけれど、俺たちがチームだったんだってどうしても言いたくなって喋ってしまいました。コージーのRPをしているKPがそう思ったんだから、彼の思いだったんだと解釈してあげてください。私の親はむつーさんなのでどうしてもむつーコージーの真似になりがちだったけど、このシーンを経てやっと「自分の卓のコージー」になれたなと思いました。

下山中、よく考えてよく話す帰山さんに、狂気に陥って話せなくなる神木さん。(あれ?この構図どこかで見たような…?)チャームで狂気を引くのは確率的にはかなり低いはずなのに、そこでちゃんと引いちゃうコージーもうさぁほんと、頼むよ。最後、HP1になりつつもコージーを文字通り背負って生きて帰った帰山さんんに執念を感じました。康司が見送った帰山・M・怜がコージーを救うの、どんな出来過ぎ展開だよ…。颯爽と降りて応急手当てして颯爽と梓を助ける神木さんが最高にかっこよかった。

個人的に、録画の最後に入ってたこうちゃんの一言がいちばんPLとKPに刺さると思うので本当に勘弁してください。小田さんと山を登りたかったよ。山頂を一緒に踏みたかったよ。

つらつら書き過ぎましたが、総じて、信じられないくらい素晴らしいセッションでした。このPLでしか成しえない最高の登山経験をさせていただきました。参加してくれたお三方に最大の感謝を。また遊びましょう。

ED描写メモ

【ED:全ロスト】
前人未踏、標高1万300m。
その山嶺はあまりにも高く、
その山嶺はあまりにも遠い。

急速に遠ざかる意識の中で、
寒さに、痛みに震える身体で、
あなたは自らの未来を悟る。

そして唐突に思い出す。
そうだ、自分も彼らと同じだ。
伝えなければ。残さなければ。

ここには、誰も足を踏み入れてはならない。
そう、ここは
『 狂気の山脈だ 』

【ED:生還者あり】

前人未踏の世界最高峰から生還を果たしたあなた方は、多くのメディアに取り上げられ、一躍時の人となるでしょう。

あの登山で起きた出来事をどう受け止めるのか。
それは、あなた方次第です。

南極大陸には、今なお、
かの山脈が静かに聳え立っている。

人智が及ばぬ未開の地。
ただ一つの選択を間違えただけで。
ただ運が悪かっただけで。
全ての未来が霞む狂気の地で、

それでも、登山家たちは足を止めない。
ただひたすらに登り続け、
遥か遠い頂に手を伸ばす。


登山を知らぬ多くの人々の疑問。
その疑問の答えを、しかし、
あなたはもう既に知っています。

それでは、小田さん。あなたに最後の質問です。
「あなたはどうして、山に登るのですか?」

「  」

クトゥルフ神話TRPG【狂気山脈〜邪神の山嶺】
これにて終了です、お疲れさまでした〜!!




PS.すずちゃん カエラズノケン 待ってます♡


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