【MTGA:タイムレス】オムニテルのすすめ(Ver1.0)

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 ・2024.02.28 Ver1.0公開

1.はじめに

 初投稿です(自己紹介)。
 本noteは、MTGArena独自フォーマット「タイムレス」におけるオムニテルについて解説するものです。

 2024年2月に、「カルロフ邸殺人事件」がMTGAに実装されて以降、タイムレスはオムニテルを中心にメタゲームが回っています。(デッキ構築にもよりますが)最速2ターン目の《実物提示教育/Show and Tell》から繰り出される《全知/Omniscience》や《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》に対策を講じず乗り越えられるデッキは少なく(皆無と言っていい)、メインボードにETBで《全知/Omniscience》を除去できる《力線の束縛/Leyline Binding》等や、後続を唱えることを制限させる《アゾリウスの造反者、ラヴィニア/Lavinia, Azorius Renegade》、《乱動する渦/Roiling Vortex》等を採用するデッキが多くなりました。

 タイムレスにおけるオムニテルは、BUG(黒青緑)の3色で構築するのが一般的ですが、私自身が《実物提示教育/Show and Tell》実装以降、UGの2色を基本としたリストで、主にBO3にて調整を続け、ミシックランクへ到達したため、内容について説明していきます。

 無料部分については、一般的なBUGオムニテルにおける構築の話とUGオムニテルのメインボード採用カードについて記載しております。
 有料部分については、UGオムニテルにおけるBO1、BO3での運用について記載しております。
 無料部分のみでも、タイムレスにおけるオムニテルを概ね知ることができるため、ご一読下さい。有料部分については、興味がある方に読んでいただけると幸いです。調整途上ではありますが、現時点で対BUGオムニテルへの勝率が高く、ミラーを意識した構築、運用ができています(勿論他デッキへの勝率は言うまでもなく)。

2.一般的なBUGオムニテルについて

 BUGオムニテルは、《思考囲い/Thoughtseize》等の1マナハンデスで前方確認をしつつ、《渦まく知識/Brainstorm》や《時を越えた探索/Dig Through Time》で手札を整え、《チーム結成/Assemble the Team》や《悪魔の教示者/Demonic Tutor》と言った強力なサーチカードでコンボパーツを集め、《呪文貫き/Spell Pierce》や《夏の帳/Veil of Summer》のバックアップを得ながら、《実物提示教育/Show and Tell》を通すことを目指すデッキです。
 一度、《実物提示教育/Show and Tell》が解決されれば、《全知/Omniscience》や《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》が場に出ることが多く、《全知/Omniscience》が場に出てしまえば上記のような豊富なドロー、サーチ手段で《首謀者の収得/Mastermind's Acquisition》や《願いのフェイ/Fae of Wishes》に辿り着き、《副陽の接近/Approach of the Second Sun》や《苦悶の触手/Tendrils of Agony》と言ったフィニッシュ手段で勝利します。
 また、《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》の場合であっても、大量のアドバンテージと7/7、飛行・絆魂・警戒・接死のスペックでマウントを取ることが多いです。
 タイムレスにおけるBUGオムニテルは、サーチ手段やドローソースがMTGの歴史の中でも有数のカードで構成されているため、コンボ成立までのターンが短く、再現性の高いデッキとなっています。
 一方で、3色であることから、土地基盤の構成に難があり、特殊土地を多用する都合、フェッチランドの1点やショックランドの2点ライフが嵩み、ライフ管理に余裕がないケースが多いです。
 また、現状滅多に見ませんが、基本土地の採用が少ないことから《血染めの月/Blood Moon》への耐性が低く、フェッチランドやサーチカードの強烈なアンチカードとなる《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》も刺さります。
 とは言え、上記の通りパワーカードだらけのタイムレス環境においては、3マナの置物は間に合わないことが多く、オムニテルの優位は揺るぎません。

3.メインボード(採用カード解説)

 ここからは、私が現在使用しているUGオムニテルの説明になります。デッキリストは以下の通りとなっており、採用カードについて個別に触れていきます。
 当デッキを構築、及び使っていく上で参考としたのが、GP京都2015前後のレガシーオムニテルです。

メインボード

①《渦まく知識/Brainstorm》 4枚
 言わずと知れたドローソースです。細かい使い方は偉大なる先人たちの記事を見た方が十二分に良いので割愛。

②《夏の帳/Veil of Summer》 3枚
 コンボスタート時の打消しケアや、対ハンデス、対《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》に使用します。対オークについては、BUGオムニテルよりライフ管理に余裕があるものの、《渦まく知識/Brainstorm》等に合わされてしまうと、ETB誘発1点、ドロー誘発3点、残ったクロックが1/1と4/4になるため、コンボ始動の猶予時間が短く苦しい展開になりがちであるため、積極的に使っていきます。

③《呪文貫き/Spell Pierce》 2枚
 対ハンデス、対カウンター用のソフトカウンターです。UGオムニテルは基本的にインスタントタイミングしか動かないデッキであるため、ブレスト+ピアス構え、ディグ+2マナスペル構えのような細かい動きを取りたいときに重宝します。
 ウィノータオーダーや緑ランプの《自然の秩序/Natural Order》と言ったフィニッシュクラスの非クリーチャースペルは、《呪文貫き/Spell Pierce》をケアせず最速で突っ込まれることが多いので、最低限2枚は欲しいと思っています。
 一方で、3枚以上は除去カードが無い構成上、クリーチャーを多用するアグロデッキ等で死に札となりがちなので2枚に抑えています。

④《呪文嵌め/Spell Snare》 2枚
 オークが憎くて仕方ありません。
 一応、ミラーでの《チーム結成/Assemble the Team》や《悪魔の教示者/Demonic Tutor》への対処や、青系クロパで構えられる《対抗呪文/Counterspell》等当てどころは多いので案外腐りません。

⑤《もみ消し/Stifle》 1枚
 《呪文貫き/Spell Pierce》3枚目の枠と競合していますが、《実物提示教育/Show and Tell》が解決後、《全知/Omniscience》に対するヘイトカード各種のETB誘発を消すのが主な役割です。
 また、ご認識の通り、フェッチランド起動に当てると実質タイムウォークです。ケアされ辛く、適当に当ててもマナスクリューで優位に立つことも多いので外せません。

⑥《対抗呪文/Counterspell》 4枚
 レガシーでは、ピッチスペルである《意志の力/Force of Will》が使えますがタイムレスでは実装されていないため、あらゆるカードへの確定カウンターが《対抗呪文/Counterspell》のみとなっています。
 レガシーで禁止されているようなスーパーパワーカード群が飛び交うタイムレスで生き残るには使うしかありません。
 《呪文貫き/Spell Pierce》の項でも触れましたが、UGオムニテルは基本的に構えるデッキなので《対抗呪文/Counterspell》が輝く場面が多いです。

⑦《風に運ばれて/Borne Upon a Wind》 2枚
 アンチ《全知/Omniscience》カード群に対する解答の一つです。またミラー時には、対戦相手に《実物提示教育/Show and Tell》を唱えさせ、《全知/Omniscience》を置きインスタントタイミングで勝つために使います。
 対ドメインや緑ランプ、ミラーではコンボパーツの次に探す優先度が高く、逆に手札に無い状態では、こちらから動かなければ負けてしまう盤面以外は引くまで待ちます。

⑧《新たな知識の探求/Seek New Knowledge》 4枚
 DCG特有の壊れカードは使い得。デッキから土地以外のカードを2枚抽出します。ランダム性はあるものの、有効牌と不要牌の入れ替えに重宝する場面が多いです。また、戻すカードは土地でもいいので、嵩張った土地をデッキに戻し、フェッチランドで引っ張ってくることもでき、《渦まく知識/Brainstorm》に近い運用もできます。オムニテルは《衝動/Impulse》を採用しているリストが多いですが、折角のDCGなのでここでしか使えないカードはどんどん使いましょう。

⑨《実物提示教育/Show and Tell》 4枚
 デッキの代名詞の一部。割愛。そのうち制限されると思います。

⑩《厚かましい借り手/Brazen Borrower》 1枚
 本リストにおいては唯一の盤面干渉手段。対戦相手のクロックをバウンスすることで猶予ターンを増やす他、クリーチャー除去の少ない相手には単純に3/1・俊足・飛行を生かし、ライフの圧力をかけることもあります。基本的に飛んでくる除去が稲妻かプッシュ、リング(あとはオーク)であるため、カンスペとピアスで守り切りライフを削り切ることもあります。

⑪《首謀者の収得/Mastermind's Acquisition》 2枚
 勝ち手段(《副陽の接近/Approach of the Second Sun》)をサイドボードから引っ張ってくる他、《全知/Omniscience》設置下においては、デッキのあらゆるカードにアクセスできます。しかし、マナ基盤の都合、《全知/Omniscience》が無ければ手札にあっても死に札となるため、山札に戻せる手段があれば積極的に戻します。

⑬《ロリアンの発見/Lórien Revealed》 3枚
 通常時は島サーチとして、マナ供給の安定化に寄与します。このカードがあるからこそ、土地の採用枚数を絞ることができるため3枚から4枚は採用したいです。
 また、《全知/Omniscience》設置下においては0マナ3ドローとパワー9も真っ青のドローカードになります。

⑭《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》 3枚
 殴り用のフィニッシャー。ETBのアドバンテージ獲得力は随一であり、ドローでないためオークも怖くありません。7/7に飛行・警戒・絆魂があれば3回なぐればゲームが終わります。

⑮《時を越えた探索/Dig Through Time》 3枚
 インスタントタイミングで唱えられるカードの中では、他にないレベルでデッキを掘り下げていくことができます。通常時は、低マナスペルやフェッチランドにより3マナ以下で唱えられるタイミングに唱えてコンボパーツを探しますが、《全知/Omniscience》ヘイトカード対策として、スタックの上から《時を越えた探索/Dig Through Time》をマナコスト0で唱えて《風に運ばれて/Borne Upon a Wind》を探すことも多いです。

⑯《全知/Omniscience》 4枚
 デッキの代名詞の一部。3枚でも十分ではありますが、対ミラーはとにかく早く《全知/Omniscience》を1枚手札に抱えられるかが重要なので、現状4枚です。

⑰土地 18枚
 フェッチランド8枚、ショックランド2枚、諜報ランド1枚、島6枚、母聖樹1枚の計18枚となっております。実際は母聖樹はスペル換算することが多いことと、ロリアンの発見が実質的に土地であるため、20枚での運用となっています。

 以上、60枚がUGオムニテルのメインボードです。
 
 以降については、キープ基準、デッキの運用方法や各マッチアップでのポイント等を記載しております。各カード解説でも大まかに記載しておりますが、より知りたい方は是非ご一読ください。

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