National Geographicと僕。
正直ここまでとはまったく想像していなかった。このリンク先の再生回数は、現時点で70万アクセスを超えている。意味がわからない事態になっている。。
経緯はこうだ。National Geographic(以下ナショジオ)のミニドキュメンタリーコーナーに、拙作「The Birthplace of Soy Sauce」の掲載の問い合わせがやってきた。この作品は湯浅町からの依頼で製作されたものだったが、公開後のプランがほぼないといっていい状態だった。流行りのインバウンド向けで英語ナレーションで作っているとはいえ、高いお金をかけてまったく見られないものを作ってもしょうがない。音楽を頼んだ Hybrid Leisurelandさんに何度も修正をかけたり、自分自身も様々な工夫をかなりの時間をかけて手塩にかけて作ったものを無碍にはしたくはなかった。
とはいえネットワークも何もない一カメラマンには限度がある。とりあえずVimeoのコレクション設定で、考えうる限りのグループに追加した。それが目に付いたのかどうかわからない。またラッキーなことに知り合いが Vimeo Staffに連絡してくれたりもした。Staff Picksにはならなかったが色々な展開が生まれた。
最初はSlateというウェブマガのライターからネタとして掲載したいとの依頼が来た。そしてサクラメント・フード・フェスティバルというものの担当者から映画祭で上映したいというメールも来た。色々なことがあるもんだなあと思っていた矢先、ナショジオから掲載依頼が来たのだ。無論断るべくもない。
そして載ったのだ。アドレスはこれ。http://video.nationalgeographic.com/video/short-film-showcase/a-750-year-old-secret-see-how-soy-sauce-is-made
ちょっと夢みたいな話だなあと人知れず興奮した。だがそれで終わりではなかった。
アメリカ人の知り合いから、Ridditのフロントページに載っている!との興奮したメールが来た。
僕は寡聞にして知らなかったが、世界でアクセス数が9位、アメリカでは4位のおばけサイトで、上位にランキングされたのだ。このスクショは42位のものだが、最初はもっと高かったと思われる。
ガイ・カワサキがシェアしてくれたり、いろんなウェブマガで掲載されだした。もう終わったかと思う頃にまた波がくる。一昨日からは今度はVimeoでイイネの連打が来ている。上にアップしたナショジオのYouTubeリンクには、中華系の人たちの「醤油の起源は俺らだ」という書き込みで炎上したりもしている。
それがきっかけかどうかはわからないが、スウェーデンの代理店からの仕事の話が来たり、アメリカのプロダクションから問い合わせがあった。
色々なことを思った。現在北米で空前絶後の日本食ブームが来ているという話も聞いた。一番重要なのは、コンテンツというのは英語で作らねば理解されないということ、皆が知っているがそれに対して少し深い洞察を与えれるものを作るべきということ、そしてそれは悲しいかな日本人ではなく、ショートドキュメンタリーが好きな欧米人向けに作るべきということもわかった。少しでも見てもらうための仕掛けを作らねば映像は無駄になる。いい教訓になった。