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#生贄姫黄泉 武器語り

皆様のお陰で 生贄姫 黄泉比良坂 無事終演しました。
武器も御好評頂いたのでそれぞれ語っていこうと思いますが、半分以上伊勢の妄想で出来上がっておりまして、川渕の考えた設定ではないことをご留意くださいませ

撮影
添田晃史 (  https://x.com/firo39?t=AYIFeYYZu7BPJJyjdsiN7g&s=09 )

一部伊勢撮影

いつもの偉伝或ならば全員刀、ということが大半なのですが、今回は久々の本公演、かつ最大規模とのことで様々な武器を入れました。
半ば私の趣味をゴリ推した結果ではありますが、御好評頂いたようで何よりです。

和風ククリ

基本は和の世界で少し離れた国の出身ということで、当初は短刀という指定でしたが、アジア圏で実戦にも使えるククリ刀を選択し、それを和風にアレンジ
王族の末裔ということで高貴な色合いの組紐を2色組み合わせて柄巻をし、絶対お客様には見えませんが、目貫として白黒入り乱れた勾玉が入っております。

浄化の剣

物語の重要アイテム
物質を斬るものではないので切先は丸く、反りもありません。
合口拵風の柄巻と白木風の鞘
一番デザインに悩みました
神聖な雰囲気を少しでも感じてもらえたなら幸いです。
今にして思えば刀身は塗らずに木の感じそのままでも良かったかもしれません。

最初は2つの武器は分かれてなかったのですが、普段の戦闘用と浄化用を分けたいと思ったので二振りの剣を使う事になりました

きっとどちらも王族に伝わるモノだったのでしょう

燦の刀

300年前、生贄に捧げられそうになったところを霞によって助けられた後、彼女から授けられた刀
三百年間、霞の体と約束を守るため戦い続け、魔物の血が染み込み刃紋のようになっている。

鞘も柄も朽ちそうになるたびに直しながら使い続けたモノ

本当ならば、刃がギザギザだったり、少し短めになってたりしたかったのですが、強度と安全面もあって泣く泣く諦めました。

実は一番最初のシーンだけ300年前のものを使っていました。

生贄姫(霞)の刀


「骸華」
数多の屍肉から作られたモノ
当初は神聖なイメージで半透明の剣を作れないかと思っていたが、出てくるときの演出と衣装が神聖なので、持つものが禍々しいのもよいかと思い血と骨をベースにデザイン
知人からの提案で柄に手の骨を添えたらたまたま双葉が最期に燦の頬に添えた手の形と一致
柄の一部に燦の刀の意匠が施されてます

山神の刀


勝手に「望郷」という名をつけています
舞台美術のために作られた彼岸花を1輪拝借して作成
柄や刀身の御札には今まで捧げられた紅の村の人達や元となった魔物の怨嗟が字となって現れている

新しく浮き上がった言葉は
「琴音琴音琴音琴音琴音琴音琴音琴音琴音琴音琴音おいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいで」

何故か生贄姫の刀と形が似通っている(公式設定ではありません)

颯の鎖鎌

勝手に「旋」と名付けてます
前作から続投の中野くんが鎖鎌を使うとのことで作成。
分銅の素材に最後まで悩みました
鎌の部分も農具のそれとは異なるデザインにしたいと思い、刃の部分を曲刀のような形状で先端は両刃という仕様になっております

鎖を刀や棒で防いだとしても、そこから屈折して分銅が相手の頭蓋を砕く、迦具土の中でも颯しか扱えない武器

朱里と白銀の二刀

朱里と白銀の刀
大小と小太刀二刀という違いはあれど、二刀使い、関係性を見せたいので刃紋の入れ方も似せました。
白銀の小太刀二刀は今回ご協力頂いた近藤さん( https://x.com/nobuhiro_kondou?t=LGbgNgonltjj_hW0pTq5tg&s=09
作です。

当初、二人は親子やら兄弟の設定にする案があり、それもあって近しい武器に致しました。

演じる方々の特性も含め、剣術に優れた朱里、体術に優れた白銀といったイメージです

ちなみに朱里の大小は「ソドムとゴモラ」という銘らしい、あの頭領何考えてんだ

吽鶴の六尺棒

シンプルな六尺棒(鉄製)、中央に荒縄が巻かれているのは移動時の持ちやすさの為ではあるが、戦闘中に手が血で汚れて滑りやすくなるのを拭うためでもある
余談ですが、当初はもう少し短めの杖(じょう)と呼ばれる棒になる予定でした、が、約120cmの棒をまさかの自宅で紛失「これだったらあるんですが…」と恐る恐る六尺棒を稽古場に持っていき採用されました。
ちなみにいまだに杖は見つかってません、どこやった私


山吹の鉤爪

こちらも近藤さん作
とても軽く、細かいところまで作り込まれた逸品です。

巫女達をより近くで守る為の装備
しかしてその爪は、最後は慕っていた相手に向けられた

天李の朱槍

こちらも近藤さん作
このような装飾の発想はなかったので見たときとても衝撃を受けました。

迦具土の象徴たる赤で塗られた槍
紺碧の郷を守っていたそれは仲間に向けられた

迦具土達の刀

迦具土の刀使いのものは派手かつ、赤系の色を配布しました。結果として衣装と良いバランスが取れたと思います。
海莉のモノにかんしては加納くん本人のものをお借りしました。ありがとうございます。

忍衆派手だなというツッコミはなしでお願いします…

武将付の刀

武将付の方々は、鎧と合わせて地味めなものを振り分けたいと思い、このような感じになりました。
よくよく見るとそれぞれ拵えが若干違います。

賽常勝の太刀

宇井さん御本人の太刀をお借りしました。
太刀風の竹光は数あれどしっかりと太刀のは初めて見ました。
華美な装飾はないが、業物という雰囲気が賽常勝にぴったりだったのでそのまま使わせていただきました。

新田兼序の長巻

こちらも近藤さん作
中央が一貫巻になっている素晴らしい作品です。
当初は槍と言われていたのですが、その時既に他に槍担当がいたので、せっかくなら違うものがいいなぁ…と思い、近藤さんがお持ちのリストの中に長巻があったのでそれをお借りすることに。

100%私の趣味で選びました。
長尾さんが「長巻なんか使ったことないよ…」とボヤくたびに心のなかで謝っておりましたことを懺悔します。

新田の豪快な性格と一致していたので良い選択だったと自負しております。

高御の短刀

儀礼用の白木の短刀という体で作りました。
本来は朧の浄化の剣と同様、物質を斬るものではないはずの神聖なものでできるだけシンプルに、白木で柄も鞘も作りました。

天の弓

当初は逆に折った紙垂とかをつけて、どちらかと言うと山神の刀のようしようと思っていたのですが、
「たまたま戦場で落ちていたもの」
とのことでシンプルに 

長弓だと長過ぎるので半弓っぽく作りましたが、惜しむらくは半弓の実物をこの目で直接見ることが出来ないまま作ることになってしまいました…口惜しい。

こちらの汚し、そして天が持っていた人型は紅日さんお手製です。

番外編
吉祥の拍子木もどき

高御役の小笠原さんより「拍子木ある?」と言われ、ずいぶん昔に別の要件で別の用途で作ったそれっぽいものをお渡ししたところ、やっぱりやりづらそうだな…と申し訳なく見ていたら数日後には見事に鳴らしてらっしゃいました…田沼さんすげぇ…

長くなりましたが、ひとまず私の担当したものは概ね貸し切りました。

楽しんで頂けましたら幸いです。

最後に、これだけ普段使わないであろう武器も多々ある中、破損かほぼ無く公演を終えられましたこと、皆様が丁寧に扱ってくださったからこそだと思います。

本当にありがとうございました


伊勢参

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