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マゾなのか(笑)

9年前にカフェを開業して、
表向きは順調に見えて、内情は火の車で。

それでも貯金を取り崩したり、保険を解約したり、
時には親に頭を下げて
なんとか娘二人の大学の学費を捻出しました。

お金もないのにマーケティングの塾へ行き、お陰でコロナ禍は黒字で過ごせたものの、余裕のある生活には程遠く。

コロナ禍で融資を増額したこともあり、予定より2年遅れで開業融資の返済が終わりました。

その途端に、これからどう店を続けるのかというより、どう終わらせていくのかを考えるようになりました。

そして引き際に選んだのがキッチンカー。

こう書くと、キッチンカーをされている方に
「なめるなよ」と言われそうだが、全く舐めていなくて寧ろ逆です。
カフェだろうが、キッチンカーだろうが、
飲食の世界が厳しいことなんて百も承知しているのです。

コロナ禍中の4年前に父を亡くしました。
その日の夕方まで普通に元気に過ごしていたのに、あっという間に逝ってしまい、そのことが、引き際を考え始めるきっかけにもなりました。

店を一軒手放す作業は大変です。
契約をどうするのか、内装をどうするのか、
現状復帰ならお金もかかります。
ある日突然、私が倒れたり、いなくなったりした時に、それが家族の負担になるのが心苦しくなっただけのことです。

元々、カフェを開業した時、
「10年経ったらスパッと辞める」と思っていました。還暦までと。

けれど、実際にその時が近づいたら、
「もう少し、頑張りたい」と思い始めました。
店を始めてずっとカツカツなのに。

もし本当に店を手放した後、お金だけなら
働きに行く方がずっと手元に残るはず。

なのにまた厳しいと言われている飲食の世界を続けるなんて、私はなぜしんどいと分かっている方へ行くのだろう。
しんどいけれど、どうしたらいいのか懸命に考えたり、試行錯誤することが嫌いじゃなくて、むしろお金に変えられない経験や価値だと感じているのかなぁ。

そしてそんなこの9年を振り返ると、
カツカツでも生かされているのは幸せなのかもしれないと感じる私ってマゾなのか?
と思う今日この頃です。

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