察して欲しい人間
世の中には「察して欲しい」と相手が察してくれるまで待つタイプと、きちんと伝えて分かってもらおうとするタイプがあるそうで、私は100%前者です。
「伝えて分かってもらおう」とすると、途中で感情的になってしまうし、語彙が少なくて機微が伝えられないし、伝えて相手に伝わらなかったときの落胆が酷いです。
そんな私が今やっているカフェは
「時間制」です。
料金は滞在時間によって変わり、その間はドリンクはフリーオーダーです。(と言っても、機械でボタン押して出てくるやつじゃなくて、きちんと一杯ずつ作っています)
なので、1時間滞在すればたとえ1ドリンクしか飲まなくてもお代わりしても料金は一緒です。
ネットカフエと同じです。
だから「元を取ろう」とじゃんじゃんオーダーされる一方、1ドリンクだけで帰られるお客様もいらっしゃいます。
そしてメニューを外に張り出しているにも関わらず、
ドリンク一杯だけは飲めないのか、ドリンク一杯とケーキだけのセットはないのかと聞かれることは多いです。
あまりに頻繁に聞かれるので、ドリンクに関しては1杯だけ、ただし滞在は30分以内というコースを設けました。ほんとに15分くらいでパッと出ていかれるお客様も多いので。
でもケーキセットに関してはほぼ100%の方が長居をされるので今のメニュー組みを崩すつもりがありません。
ドリンクやケーキはカフェでゆっくり時間を過ごすための添え物。
メインの商品は「時間」
だと察して欲しいのです。
メニューを見ながらモゴモゴしているお客様に
「どんなメニューがご希望なのですか?」とお伺いしたところ、
「ゆっくりできると聞いたから…」という答えが返ってきたので、
「ゆっくりはしていただいて構いませんが、ドリンク一杯で1時間ご滞在というのはご遠慮頂いていて…」と言うと
「そうですか」と帰られました。
ある日、
ドリンクがフリーだからと10分おきにオーダーがかかり、
「チュー」と啜り上げる音が聞こえたとき、カウンターに座っていたお客様が、
「フリードリンクってそういう意味じゃないんだけどね」とおっしゃいました。
伝えてすぐに答えが出るのはスッキリする反面、だよなとがっかりもする。
メニューに書かれていることをオーダー頂いているので、お店としてはそれに応えるのは義務で、だけどもやもやしながら、やっぱり私は察して欲しいなと思ってしまうのです。
察していただけると、愛を感じるので。
惚れやすい??(笑)