哀哭

涼暮月の夜風
じわりとした湿気と熱が汗に変わって肌を濡らす
濡れた腕で溢れる心を拭いさる
つむったままの目で瞼の裏に描いた理想
零れた涙がかき消してく

興味がない素振りして
素知らぬ顔して過ごした
自分に嘘をついて
ごめんね

大きな声で
劈くような声で
透明な涙が青く、白い肌が赤く
鮮やかに心を色付けていく
この極彩色の心をあなたにぶつけたって
そこにあなたが居るかなんて
わかんないや
バイバイ

かすんだ背中に優しくありたい
雨粒に溶かした気持ちに正直でいたい
遣らず雨が引き止める
行かないでよ

二人の間にある世界はもう壊れて
静かな空間に二人きり
馬鹿みたいな鼓動の速さに
下手くそな笑顔重ねて
ごめんね

堰を切った思いが声になり叫びになり
ピュアな思いが押し出されてく
こっちに来ないで
曖昧な感情でこっちに来たってあなたは隣にいないんだから
消せたはずのものを思い出させないで
やだよ

言いたかった
言えなかった
全部の気持ち
「となりにいてよ」
怖くて言えなくてもう遅かった
むきだしの仮面が剥がれて落ちて
なおせなくなってしまったら

雨粒が弾けて空の端に全部飛ばした
気持ちを小さな雨粒に変えて
優しい笑顔になりたいなれない
だめだって理解っちゃったから

あなたが見てくれなくても
わたしが素直になれなくても

なんでもない

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