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背筋著ホラー小説「穢れた聖地巡礼について」感想


著者の背筋(せすじ)さんのお名前は存じていました

「近畿地方のある場所について」という作品も
私の通う書店に発売当初平積みされており
見たことがありました

「近畿地方のある場所について」はYouTubeの
音声で少し聞いた事があります

今回、何故購入に至ったかと言うと、たまたま
今朝車を運転中にいつもなら携帯でradikoの
オードリーのオールナイトニッポンを聴くはず
が携帯の充電が少なく、カーラジオでNHKを
聴いていたところに出演されてて、その内容に興味を持ったからです

これは買う運命だろ、と

で購入して拝読しました

面白かった!


主な登場人物は三人

小林…フリーの編集者 自分の実績として
心霊スポット突撃系YouTuberのファンブック
の企画を通すべく画策する 幽霊は興味ない

池田…登録者20万人「オカルトヤンキー
ch」の配信者 お金のためにYouTubeをやって
いる 幽霊は信じていない

宝条…怪談ライター 普段はファッション系雑誌にも記事を書く 有名な神社の家に生まれ
人でないモノが視える

小林が池田にファンブックを作ろう、その為に
今まで配信した心霊スポットについて、追加
取材
をして、それっぽく脚色をしようと場面
から話が始まります

一章と二章を読んだ段階では興味深く面白い
展開なのですがほんの少し味気なさを感じ
ました

内容がほぼ会話だけ、もしくは追加取材した
証言者の一人語りで「おいおい、Y○○○
みたいにネットとか中高生に人気だとかで
過大評価された小説掴んだの?」とある種
残念な気持ちを少し抱いていました

ただ、そうではなかった!

穢れた聖地巡礼は「心霊スポット巡り」の事
ですが、その主要人物三人ともある種の
抱えており、あえてのドライな会話劇を序盤
に構成することで、過去話が差し込まれる事に
より急にリアルな人間味が出てくるのです

マジか、どんな胸に一物抱えながらビジネス
ライクに心霊スポットのでっちあげ、本当に
あったかのよう脚色しようとしてたんだよ、と

それぞれの心霊スポットにも仕掛けがあり、
その上で全体としても読み返したくなる
エンターテイメント作品としても秀逸でした

幽霊を信じる、信じない、視える、視えない
関係なく、血肉の通った人間のドロドロした
部分
も描きながら、そこにありそうな架空の
心霊スポットを舞台
として楽しませてくれます

大上段から怖がらせてやろうでなく、そこに
あるかもしれない説明できない不思議な事
時にクスっと笑わせてくれながら楽しませて
くれました

私は実話怪談も好きですし古くは新耳袋
未だに怪談本として頂点だと信じています

ただ少し前に観賞したホラー映画「サユリ」
面白かったし、茶屋町怪談は配信も買ったり
エンタメの怪談も実話系の怪談も美味しく頂けます

何なら大学の卒論怪異について民俗学の視点
からフィールドワークらしきモノをして書いて
卒業できました

簡単に言うとオカルト好きです澁澤龍彦さん
から

そんなゴリゴリ怪談好きでもエンタメとして
楽しめる興味深い作品でした

私は幽霊は見えないですし、見たくもない
取り憑かれたくもないので心霊スポットには
行った事もないし、今後も行きません

安全圏から楽しめる怖い話を愛しています

も一つ自分ルールでは日が落ちてからは怖い話
を読んだり怪談聞いたりはしません、ビビり
です

これからも背筋さんの作品を追いかけて
行きたいと思いました

途中から自分語りになり申し訳ありません

THCオカルトラジオも好きです

お読み頂きましてありがとうございます

失礼致します


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