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【専門課程レポート】「吉原ゼミ」第5期 第5回目講義

こんにちは!次世代まちづくりスクール「吉原ゼミ」TA(ティーチングアシスタント)の小濵です。今回は2/18、19(土/日)に行われた、第5期「吉原ゼミ」大阪編の模様をレポートします!今回も2日分をぎゅぎゅっと、濃縮版をお送りさせて頂きます!

第5期「吉原ゼミ」のコンセプトは『「休眠不動産を用いたまちの活性化」を、次世代まちづくりイノベーターたちと学ぶ』です。吉原ゼミの特徴は何と言っても今の一次情報を知ることが出来る点にあります!現場に足を運べる機会もゼミの回数も随一。読者の方とともに僕自身も学んでいけたらと思います!

今回の大阪編の講義テーマは『長屋・文化住宅の再生手法から、大阪の共感デザインを学ぶ』でした。前回は長崎県の事例を紹介しましたが、今回は打って変わって関西/大阪編。小濵も2回連続となる現地参加をさせて頂きましたので、ぜひ写真などもたのしみながら見て頂けると嬉しいです。
また、過去の投稿もまだ見られていない方は、ぜひこちらからも確認してみてください。

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1.川に浮かぶ料理店!?京セラドーム近くの最先端エリアに潜入調査

大阪編の初日は大正駅に集合から始まりました。大正駅は大正区の中心的な駅であり、京セラスタジアムの最寄り駅にもあたります。開催日には多くの若者がアーティストのライブに向かっている様子が印象的でした。
そんな中、吉原ゼミは京セラドームではなく、尻無川沿いにありました。

ここはTUGBOAT TAISHOという2020年にオープンしたフードコートや水上ホテル、イベントスペースまで併設した複合施設となっています。

当日は土曜日ということもあり非常ににぎわっているのですが、ライブ前に訪れているような方が非常に多い印象を受けました。

この施設の何がすごいか分かりますか...?
なんと、堤防の内側、川にほぼ面した形で店を構えているのです!!

川沿いには堤防が見当たりません。なんと堤防はコンテナの裏側に。

流石に衝撃を受けましたし、固定概念が一気に覆った瞬間でした。

もちろんこれは改善施策として、大正区さんが手動となって推し進められたプロジェクトでした。

当時の課題としては税収も人口も減少し、空家率も上昇していたため、ひたすらマイナスに向かっていたそうです。そうした中、当時の大正区長であった筋原さんが、公共空間を活用したリノベーション事業を展開しようということでこのプロジェクトを立案されました。また、当時の目標として口酸っぱく言われていたこととしても「狙う着地点はギリギリ」とのメッセージからも伝わる通り、それほどの大きな変化でないと街は変わらないと認識されているのだと感じました。

当時のお話の中でも、行政が持っているものは「信頼」だからこそ、携わってくれる企業の説明は綿密に行われたとおっしゃっていたことも非常に印象的でした。

2.住民さんとURさんが紡ぐ、生活環境を拡張した改善事例

2日目は香里団地に伺いました。香里団地は大阪府 枚方市 に位置しており、度々テレビでも取り上げられていることで有名です。

香里団地さん

どこをテレビで取り上げられているかというと、その圧倒的規模にあります。


  • 施行面積: 1,552,153m2(集合住宅48ha、戸建住宅50ha、公共用地39ha、公益用地18ha)

  • 計画人口: 22,000人

  • 計画戸数: 5,850戸

となっており、東洋一のマンモス団地とも呼ばれていたそうです。
実際に車で走ってみるとそれは壮観で、入口から目的の建物まで5分ほどは走っていたような気がします。

中でも注目の取り組みはいくつかあったので紹介します。

① エントランスの整理/管理
 香里団地にはエントランスがあるのですが、
 その入り口の木の板に、季節やイベントに合わせたものを装飾したり、
 入口の花壇の整備を住民さんが主体的に行われていました。
 
 ただこちらも最初から行われていたわけではなく、
 エントランスの装飾も最初はUR職員さんに怒られないかどうか考えながら行われていたとのことでした。距離感も最初から近かったわけではなく、当初の職員さんは怖かったと言われていたことからも、過去と現在では大きく関係性が変化していることがうかがえます。

② 住民の憩いの場にヤーンボミング
 また、香里団地は非常に規模が大きいということもあり、団地の周辺には沢山の木々が植えられていることも魅力の一つと感じました。そこでは、木々にヤーンボミングと呼ばれる毛糸の織物をつなぎ合わせたものを木の保護を一部目的として行っていらっしゃいました。

ヤーンボミング。木を守る役割もあります。

ここで私が純粋に感動したのは、住民の皆やーんぼさんの居住感覚の拡充、自分ごと化、だと感じました。よく考えてみてほしいのですが、今現在自分が住んでいる環境のどこまでを自分の住んでいる環境だと認識しているでしょうか?

多くの場合が自分の部屋や玄関まで。団地であればエントランスまでで、もはやエントランスも意に介さない方は多いのではないでしょうか。

そんな中で、まず植えられている木々を自分たちに関わりのあるものだと認識して、どうすればよりよくなるかを考えた結果が凝縮されているような気がして、大変感動いたしました。

3.最後に

今回で僕自身のオフライン参加は2回目となりましたが、今回も沢山の刺激がありました。
中でも特に印象的だったのは大きく2点あります。まず1つ目は元 大正区長の筋原市長が仰っていた「狙う着地点はギリギリ」いうメッセージです。大正区にタグボートの設置を思案された当時も恐らく「水かさが増したら危ないのではないか」や「事故が起きたら...」と色んな危惧や責任の所在確認があったと思います。ただ、そこでも責任や事務処理は大正区側で行うというお話を、大阪府との綿密なコミュニケーションによって、解決されたそうです。インパクトがあるということは、それだけ手間暇がかかることかと思いますが、街をよりよくしたいという区長の熱い思いが大変強く伝わってくるお話でした。2つ目は生活空間の自分ごと化を推し進めた香里団地です。こちらでは本文内でも記載した通り、自分たちの居住環境の感覚を広げて活動をされていることに感銘を受けました。自分の住んでいる空間をどこまで自分ごと化出来るようなシステムにしていくか、引き続き学んでいきたいと思います。

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吉原ゼミTA 小濵慶太のTwitter:https://twitter.com/heavy_keita

<プロフィール>
ー 出身は岡山県の現在23歳、人材広告業を行う企業に勤務。
ー 知人に紹介を頂き、今期からTAとして参画中。
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