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高校文化祭1973(S48) 遠い記憶をたぐろう

やっさんはラグビー部だった。
背が高くて
ベースみたいな骨格のゴツいお顔なのに、いっつもにーっと笑って、
人なつっこい人気者だった。

大人絵日記

あの日の文化祭

彼が文化祭の実行委員長をやる
と決めた日から何日も経たないうちに
人が集まり、
実行委員会は
あっという間に立ち上がった。

副委員長に
会計、前後夜祭、広報、書記など、
メンバーは元の中学の仲間から、
文化部、体育会の垣根を越えて
多彩で、有能だった。

テーマもすぐ決まり、 
和気あいあいと準備は進む。
歌も作ろう!
歌詞はサラサラと会計のミーコが書くと程なくして誰かがメロディーをつけた。

この素朴な文化祭の歌を
高岡君が 
後夜祭にトランペットで奏でると、
なんとも青春の光と影が見えた気がして、みんなうっとりと聞き入った

卒業から5年後、
その高岡くんの訃報が
かけめぐった。バイクの事故だった。

文化祭の歌は鎮魂歌になった。

時は流れ

卒業50年の同窓会で
いつも中心のやっさんの姿が見えない。

「あー、やすはしんだよ、3年前…」

驚いて口もきけなかった。

文化祭と聞くとこのふたりを思い出す
若くて…
あんなに短い季節、一緒だったね。
忘れないよ。忘れられないよ。


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