SHOGUN 将軍 ネタバレ感想

そういえば先週の土曜日に映画館に行ってきました。

目的は、今エミー賞受賞で話題のSHOGUN第1話および第2話を期間限定で上映されているのを観賞するためです。

きっかけは数年前。

元々子どもの頃から歴史が好きで小学校高学年からずっと大河ドラマを見続けてきた私。
一度大河にハマると現代に制作された大河には飽き足らず、過去作にも随時手を出してきました。

そんな中、BSで『太平記』の一挙再放送が始まりました。1991年、今から33年も昔の作品です。

映像やド派手につくられたセット、CG技術がまだ発展途上でロケーションの多い収録事情…。
確かに、その辺りは昨今の作品に比べて「古さ」を感じさせるのかもしれません。

ただ、それがすごく良いのです。

役者さんの演技もすばらしいのです。
その役者さんも魅力的なのですが、やはり当時主演をつとめた真田広之さんは別格だと、個人的には思いましたね。

姿勢、発声、所作、アクション、そして何より佇まいが美しい。

そんな真田さんが30年の時を経て、今度はハリウッドに進出し、自らプロデューサーとして1本の主演ドラマに着手し、遂に今年Disney+にて配信されました。

それが『SHOGUN 将軍』です。

前置きはここまでにしまして、そろそろ感想にうつりたいと思います。




はっきり言って、驚きの連続でした。

まず「日本の時代劇」にしては異様にスケールが大きいように感じました。
そもそも日本で制作された時代劇は、スケールがコンパクトであるように感じます。理由として、大河ドラマをはじめ日本の時代劇は伝統的にチャンバラと会話劇を中心に組み立てているような所があると個人的には思っています。

この辺りは、日本とアメリカの考え方の違いでしょうか。

ハリウッド制作は、とにかく巨大なスケールをもって視聴者を作品の世界に取り込もうとするパワーを感じます。
例えるなら、『ロード・オブ・ザ・リング』とか『ハリー・ポッター』でしょうか。

とにかく、そこのポイントが興味深いと思いました。

あとは役者さんの佇まい、アクション、所作、台詞つかいが非常によかったですね。
時代劇は数多くありますが、今作の役者さんはもはや歴史上の人物が画面上で生きているように感じられました。

躍動感がありましたね。
何といっても真田さん演じる主人公・吉井虎永は、徳川家康をモデルとした武将です。
本当に、真田さんが家康の化身ではないかと錯覚されるくらいに、「名演」でした。役はあくまで「虎永」ですが。


基本的に今作が「傑作」であることには変わりがないとは思います。
しかし、あくまで私自身が「テレビ的な視点」で観賞に及んでしまったせいか、やや過激な表現は気になりました。

ネタバレになりますが、遊女と小姓が行為をするというシーンがあります。
例えば、この部分をそのまま大河ドラマの文脈で放送するのは困難でしょう。
実際、映画上映される際には今作は「R15+」の指定を受けています。

「名作」であることには間違いがないのですが、作品を「大衆化」してお茶の間に届けることの難しさを改めて考えさせられました。

『SHOGUN 将軍』に関わったキャストの方、スタッフの方々、その他関係者の方々、本当にありがとうございました。
今後もすばらしい作品を期待しております。

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