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【小説】『風の二番地から』 まえがき
はじめに
僕が『風の二番地から』という小説を初めに書いたのは、22~24歳の頃だったと思います。ですから1987~1989年頃になります。
それから二回ほど公募し、『movie theater 風の三番地』というHPと一緒にWEB上で公開していた時期もあります。
公募に関しては、一回目は小説の完成した直後、とある文芸誌に。
二回目は、6~7年前に少し修正を加えてとあるラノベ大賞に送りました。
結果は―
どちらも一次で落選😢
でも最近のラノベの公募は非常に良心的で、結果と一緒に簡単な作品評を送ってくれるんです。
そこには、"二つの話がどうして絡むのか分からない。文章は秀逸です。”というような事が書かれていました。
分からないと言われれば、確かにそうだろうなぁ。そんなに親切に書いてないし、書くと何か面白くなくなっちゃうと思ったんですが、単純に、分かるように書けなかった僕が未熟であるとも言えますよね。
そこでnoteに載せるにあたり、この小説の趣旨を一応説明しておこうと思います。
小説自体はラノベに公募した2018年版を載せます。
それでももう時代を感じてしまうんですけど。
趣旨
この小説のジャンルは?って考えた時、正直自分でも何に分けていいのか、難しいです。
ラノベに公募する時も、どこに出すものなのか、非常に悩みました。
一言で言うならばー
"超次元恋愛小説"
でもー
恋愛シーンないんだよな(笑)
ではー
"超次元自分発見小説"
そちらの方が中身を言い当ててるかもしれないです。
唯、基本的なコンセプトは
"赤い糸伝説"
なんです。
ある次元の世界-仮にそこを"風"という所としましょう。
そこの二番地に住む人間のお話という事ですね。
ちなみに三番地に行きますと、映画評が綴られている場所になります。
四番地が、僕がジャズが好きだったので、ジャズの感想みたいなのをちょっとやったんですけど、これはもう完全に企画倒れ。
ちょっと書いて、全然更新しなくなっちゃいましたけど。
この『○○番地ー』と云うのはどっからきてるかと言いますと、1970年代に東映が制作したTV特撮番組『ここは惑星0番地』からヒントを得ています。
とタイトルのヒントを頂いていても、実は僕は『ー惑星0番地』って観た事なかったんです。僕にとっては長らく幻のTV特撮番組でした。
あの伊藤つかささんが子役時代に出演されていたドラマでもあります。
僕は伊藤つかささんは高校時代、結構好きだった時期があって、友達が彼女のファンクラブに入っていて、チケットを取ってくれたので、彼女が主演したミュージカル『不思議な国のアリス』を観に行ったことがあります。
劇場を車で出ていく生のつかささんも見ました。
いやぁ、本当に可愛かったですね!
伊藤つかささんは特撮番組だと『ガンバロン』という番組にも伊藤司名義で出演されてます。
『ガンバロン』は観れたんですけど、『-惑星0番地』はなっかなか観る手段もなくて、まぁそこまでこだわって観る作品でもないだろうと思ってたんですが-。
昨年、YouTubeの東映特撮チャンネルでこの作品がかかりまして。ようやく鑑賞出来る事が出来ました。
と言ってもつかささんはお供え程度で、全然活躍しないですし、さすがにこの手の作品を観るのはもう辛いので、最初の数話と最終回だけ観ました。
第一回の矢島特撮はなかなか力がこもってましたが-
やはり短命で終わらざるを得なかったんだろうなぁという作品でした。
とは言えようやく念願の『-0番地』が観れてよかったです。
まぁこの番組では名も無き惑星の0番地だった訳ですが、僕の描こうとした場所は、どこからか吹いてきたある所からのたより-みたいにしたいと思ってました。
話を戻しますと、風の二番地で存在している男女-この二人は互いに成長して、自分の世界を解放出来た時に初めて運命の相手と出逢えるというアイデアからこの小説はスタートしてます。
だから赤い糸伝説です。
でも二人が出逢うのはラストシーンだけで、後は別々に話が進行していきます。
確かに訳が分からないかもしれません。
後になって新海誠監督の『君の名は』を観た時、こういう風にすれば分かり易かったんだなと。自分はなんて不親切に書いていたのだろうと思いましたが…。
参考にした作品、類似した作品
風の二番地に住む男女の話が交錯して進行していくという小説なんですが、男の話の方は、あの当時大変話題になったいとうせいこうさんの『ノーライフキング』という小説がヒントになっています。
でも…小説も確かにヒントで影響を受けましたが、それ以上に市川準監督の映画化版の方に猛烈に影響を受けました。
特に主人公の少年が、ゲームから離れて現実の世界を自分の足で歩き、見聞きするというシーン。
後は、森田芳光監督の『の・ようなもの』で主人公、志ん魚が終電がなくなって、一晩かけて歩いて家に帰るというシーンです。
僕は二十歳ぐらいの頃、何故か『月刊シナリオ』という雑誌をよく読んでいたんですね。
シナリオは映像化される為にあるものですが、色々読んでいるうちに、これって独立した読み物として成立しないかなぁと思い始めました。
風の二番地の男の方は、こつ然と風の二番地に放り出されて、風の二番地を
さまよい歩くというものなんですが、それをシナリオ形式のように書いて、どこまで読み物として成立出来るか、そして前記した『の・ようなもの』のシーンの・ようなものを延々と、どこまで表現出来るかやってみようと思い立ってしまったんですね。無謀にも。
シナリオっていうのは、登場人物の感情は入れない叙事的な文章体な訳です。感情を表現するのは、セリフだったり、登場人物がどういうアクションを取るかです。
それに対にするようにして、女の方は叙情的に書きました。但し一人称形式で。
参考にしたのが当時『東京ラブストーリー』で人気絶頂だった柴門ふみさんのエッセイとか、TBSテレビの『NEWS23』でアシスタントをしていた阿川佐和子さんの初エッセイとか、その辺から雰囲気はつかませて頂きました。
ところで僕は、高校時代は伊藤つかささんにお熱だったという事を書きましたが、この頃は阿川さんにはまってまして…。
友達なんかもNHKの女性アナにはまってまして、それに感化されてた訳でもないですけど、僕は阿川さんでした。
彼女の初エッセイ本出版の時は、横浜でサイン会があるというので、わざわざ二時間かけて横浜までサイン本を買いに、その局アナにはまってる友達誘って出かけまして-そいつが写真撮ってくれました。でも僕は逃げちゃったんで、阿川さんしか映ってないですけど。
さてここまでは参考にした作品でしたが、後になって
”全くおんなじじゃん!”
というシーンのある作品が、三つほどあったんです。
もうぶったまげましたね!
その三つのシーンも紹介したいと思います。
一つ目は-
あの天下の○ヴァンゲリオン、TVシリーズの最終回のラスト-
これが『二番地』の男の話のクライマックスとほぼ同じシチュエーション!
俺の方がはえよぉ!!!!!
と思わず叫びたくなるほどの衝撃。
勿論、相手方が盗んだなんて余地は全くないんで-
いや、だからこそ驚いたし、逆にこっちの方がマネしたでしょうになっちゃう。
ちなみに僕が二番地を書いたのが1989年だとして、その後、同人誌にしたこともあったんですが、発行の日付が1994年になってます。
○ヴァンゲリオンのTVシリーズの最終回が1996年ですから、やっぱり僕の方が早いんですよ。
ですから、この小説、その問題のシーンまで読んでいただいたとしても、決してあの○ヴァンゲリオンのマネじゃん!などと思わないで下さいね。
二つ目が『の・ようなもの』にもご出演されていた秋吉久美子さん主演、藤田敏八監督の『赤ちょうちん』という映画です。
『の・ようなもの』と『異人たちとの夏』で秋吉さんのファンになったんですが、僕は女優で映画を観るという人ではないので、特に秋吉さんが出演されたから観るというのはなかったんです。
でも5~6年前ですかね、ちょっと女優にこだわって観てみようと思い立ち、まぁ録画したけど、今まで観てなかったものとか、新たにケーブルテレヒの録画予約に彼女の名前を登録して、録画したものを観たりした訳です。
その中の一本が『赤ちょうちん』
クライマックスで、うつ病状態でポワーンとしている秋吉さん演じる主人公の上から、にわとりの羽が一枚、また一枚とフワフワと舞うように落ちてくるーというシーンがあります。
そのにわとりの羽が一枚落ちてきた瞬間に、僕は
ゲゲッー!!!!!
と座椅子からズルッと体が滑り落ちてしまいました。
あるんですよ!これと全くおんなじシーンが『二番地』にも!
これは完全に『赤ちょうちん』の方が制作された年が早い訳でー。
君が『赤ちょうちん』のそのシーンをもらったんだろう?と言われてもしょうがないですがー
違うんです。
確かにある映画からインスピレーションを受けてそのシーンを思いついたんですが、違う映画です。
それはフェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』という映画で、主人公が乱痴気騒ぎしている時に、クッションの羽毛をまき散らすというシーンからです。
そして三つ目が-
やはりここでまた登場して頂くのが秋吉久美子さん。
彼女が主演した『火曜サスペンス劇場 震える髪』
前記したように、録画予約に彼女の名前を登録して、録画されたものの一つです。
共演は篠田三郎さん。監督は大映の大御所監督でいらっしゃった池広一夫さん。
この作品は全くおんなじシーンがあるという訳ではないですけど、三角関係の雰囲気とか、シチュエーションとか、所々のセリフが-とか、え、え、それって俺が『二番地』で書いたものなんですけどーと言いたくなるような部分が多々。
『二番地』で言うと女の話の方なんですけど、なんでこんなにそっくりなの?と思った次第でー。
『二番地』の話を、娯楽風にサスペンス調にするとこうなるんだなぁと変な感心してましたけどー唯々、唖然。
観た時は、俺の方が早い!と思ってたんですが、調べてみますと、『震える髪』の制昨年は1986年。またしてもこちらの方が早く制作されていた訳です。
でも僕は2時間ドラマなんて全然観てなかったし、そもそも実写のTVドラマを全く観なくなってたので、絶対に『震える髪』も観ている訳ないんですよ。
『○ヴァ』と『赤ちょうちん』に対して、『震える髪』はCSやケーブルテレビでたまたまでしか観る機会がないと思いますが、『二番地』を最後まで読んで興味を持たれた方は是非比較してみるのも面白いと思います。(そんな人いないって!)
余談ですがー
秋吉久美子さんの作品を追いかけていた頃、超不思議な体験がありましてー。
それは秋吉さんの出演された映像作品ではなく、彼女のブログを読んでなんですがー
この時も僕は仕事場で腰抜かしそうになりました。
詳しい内容は、僕は日記の記事もあるので、いずれそちらの方に改めて書き込もうと思います。
それでは-
"超次元自分発見恋愛小説”
『風の二番地から』
をお楽しみ下さい。
この小説が、みなさんの心に何かプラスになるようなものがあれば幸いです。
※毎月曜日、更新予定でいます。