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TOEICは意味ない?いいえ、英会話力を身につけるのに役立ちます。

TOEICで高得点が取れても、しゃべれないから意味ないよね?ということをよく聞きます。
でも、どうなんでしょう?

TOEIC高得点で必要な能力は、英会話でも必要な能力です。だから、TOEIC対策の勉強は英会話力の向上につながっています。(TOEICに会話のテストがないにもかかわらず、です。)


TOEICで分かる英会話力

ここで私が考える「英会話」は、ビジネスで使うレベルを想定しています。TOEIC自体がビジネスパーソン向けに作られているからです。

いわゆるTOEICテストとは、多くの場合TOEIC L&Rテストを指しています。このテストで測られるのはリスニングとリーディングで、会話は含まれていません。
会話がテストされないため、たとえば満点を取った人が英語を話せない、と言う状況は、原理的にはありえます。

でも、そういうことはちょっと考えにくいです。会話に必要な能力があるかどうか、TOEICで分かるからです。

TOEICは会話に必要な瞬発力を測る

TOEICでは、制限時間内ではとてもこなせそうにないような、膨大な数の問題が出ます。
じつは、これには意味があります。
高得点を取るには、全問に目を通したうえ、それらに正答しなければなりません。
これは、会話に必要な能力を測っています。瞬発力です。

英会話では、テンポよく話ができなければなりません。相手の話を理解して自分の考えを話すまで、1秒程度のわずかな間でこなさなければなりません。
なんとも無理そうですが、私たちは日本語ではこれを難なくやってのけています。英会話でもこれと同じことを求められているだけのことです。

TOEICのリスニングでは、話されていることを正しく聞き取り、正しい回答を選び出すことが求められます。しかも数秒でこれをこなさなくてはなりません。これは、実際の英会話で求められている条件と同じです。
(もっとも、実際の会話は時間的にさらに厳しいかもしれません。)

TOEICは会話に必要な文法力を測る

相手に自分の思いや考えを伝えようとするとき、私たちは、その思いや考えにに合う言葉を自分の中から探してきて、話しをします。自分の中に蓄積された言葉のストックが多ければ多いほど、より分かりやすい表現を使うことができます。
これは、日本語であっても英語であっても同じです。

また、英会話では、英単語をただ知っているだけでは足りません。
いくつかの英単語を正しい語順に並べ替えて言葉にしなくてはなりません。そのためには、正しい文法を知っていることが重要です。
実際の会話の場面では、正しい文法の知識のストックをどれだけ持っているか、が大切です。

TOEICのリーディングでは、会話で必要となる単語や文法の知識を聞いてきます。

単語や文法の知識がそんなに多くなくても、会話はできるのかもしれません。しかし、それでは深い会話をするのは難しそうです。
ちょっとした相談事から会社での業務指示まで、話が長く込み入ってくることがよくあります。
そういった場面で長い文を作るには、どうしても文法の知識が必要になります。また、単語の知識が多ければ、思ったことをより正確に表現することができます。

そして、リーディングでも問題が大量にあります。ここでも、瞬発力を要求されます。単語や文法の知識を素早く引き出すことが必要になります。
これはまさに会話で必要な能力です。

TOEICとアウトプット力

ところで、実際の会話では、状況にふさわしい答えを自分で探し出さなければなりません。
しかし、TOEIC は決められた選択肢から正解を選ぶだけです。実際の会話より簡単そうです。アウトプット力が必要ないように見えます。

たしかにTOEICは選択肢から選ばせる方式ですが、実際には、高得点の人の場合、選択肢を見る前に正しい答えが頭に浮かんでいます。そうでないと素早く答えを選べません。
頭に正解がすぐ浮かぶようならば、会話で必要なアウトプット力がすでに備わっています。

そもそも、英会話ができるためには、相手の言うことを正しく聞き取れていることが大前提です。この能力はTOEICで測ることができます。

TOEIC高得点でも英会話できない?

ただ、英会話は喉と口を使うフィジカルなプロセスです。
TOEICではこのフィジカルな能力を測定できません。
そのため、英会話に自信がない場合、TOEIC対策とは別の訓練が必要になります。

もっとも、TOEICで高得点できる人は、英会話で必要な瞬発力や文法力がすでに備わっています。
なので、高得点が取れた人は、あとは会話の訓練をすればよいだけです。
必要なのはフィジカルな訓練だけです。この段階なら、勉強は不要です。

英会話できるけどTOEICが低い?

ところで、英会話ができるけどTOEICのスコアが低いって、あり得るのでしょうか?
TOEIC 高得点のためのスキルと英会話で必要なスキルは重なっています。だから、英語がスムーズに話せる人にとってTOEIC高得点は難しくありません。
逆に言うと、TOEICのスコアが低いということは、会話に必要となる瞬発力や文法力に何か欠けている部分があることを意味します。職場などでスムーズな英会話をするのに、おそらくどこか難しさを感じているはずです。

つまり、フィジカルな訓練の部分を除けば、実際の英会話力とTOEICのスコアは、それなりに比例しています。
英会話ができるけどTOEICが低いというのは、ないと思います。

ただ、ビジネス環境に触れたことがない人の場合、英会話ができたとしてもTOEICで高得点するのはすこし難しいかもしれません。TOEICがビジネスパーソンに向けて作られているからです。
TOEICが存在しなかった時代には、やむなくTOEFLを使って英語力を測っていた会社もあったようです。ただTOEFLの出題傾向は留学する大学生向けに偏っています。そのため、ビジネスパーソン向けテストとしてTOEIC が作られた、という経緯があります。

まとめ

TOEICの勉強は、聞く能力や読む能力など、それ自体でオフィスで必要な英語力の向上に直接つながっています。仕事で必要なのは、まずは情報を受け取る能力だからです。
それだけでも、TOEIC対策は大いに意味があります。

そのうえ、会話力にしても、TOEIC対策で学ぶ知識や能力と大きく結びついています。
TOEIC 対策の勉強をされている方は、自信を持って取り組んでいってよいと思います。


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