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ウルトラマンアークは最高傑作かもしれない


ウルトラマンアークの印象

 ウルトラマンアークが発表されたとき「想像の力」で戦うということで何となく「ウルトラマンR/B」のように子供向け路線でいくのかなと思っていた。いざ、始まってみるとそんなことはなく、子供たちが楽しめそうな未来の輝きや、大人たちが懐かしめそうな過去の輝きが詰まった最高の作品だった。

怪獣について①モノゲロス

 特にニュージェネレーションズの初期からファンの間で評判が芳しくなく制作人も頭を抱えているのが過去作の怪獣の登場、同じ怪獣の登場だ。ニュージェネの大人気作「ウルトラマンZ」では、バロッサ星人が3度も登場し、「ウルトラマントリガー」でも予告に出たときは「またか・・・」と思ったが、「ウルトラマンZ」の3度目では凝った演出にしたり、「ウルトラマントリガー」ではイグニスの設定を活かした楽しめるストーリーを展開していた。
 今回のモノゲロスはディゲロス、トリゲロスと姿を変えて出てきたとは言え同じような怪獣が登場しているが、複数登場してもあまり気にならなかった。理由としてはデザインが挙げれると思う。モノゲロスはゼットンに似たデザインをしているのだ。初めて見たときから今後も出てくるだろうなと感じたし、何より何度も立ちはだかる強敵になるだろうという説得感、納得感がデザインから感じられた。「ウルトラマン」に登場したゼットンがいかに衝撃的だったかが分かる。
 またトリゲロスはアークが姿を変えた際に自身も姿を変えている。このシーンは「ウルトラマンティガ」に登場する炎魔戦士キリエロイドⅡのようだった。

怪獣について②ラスボス怪獣

 アークにおけるラスボス怪獣は、夢幻獣ギルバグと暗黒宇宙戦士スイード(星人態)だ。個人的にはこの組み合わせも昭和シリーズを彷彿とさせる良い組み合わせだったと思う。
 特に平成以降のラスボスの強さは強さを裏付けする設定が多く感じる。ガタノゾーア、マガタノオロチのような強い設定がある怪獣。ベリアル、トレギアのような悪のウルトラマン。昭和では、超獣の集大成であるジャンボキング、集団の最強の存在であるブラックエンドは除いて、特別な背景を持たない怪獣がラスボスになっていて、宇宙人が怪獣を連れてくるイメージが強い。今回のギルバグもスイードが連れてきた怪獣というだけで特別な存在には感じられない。また「帰ってきたウルトラマン」、「ウルトラマンタロウ」のように宇宙人+怪獣と言った構成であったことも懐かしさを感じられる。

怪獣について③お気に入りの新規怪獣

 それは巨鯨水獣リヴィジラだ。これといって理由もなく、陸上での姿もかっこよくはないが、、、一番好きなシーンはOPの映像かな?OPだと何となく強敵っぽくない?ストーリーは海水のミスリードなどフィールドワーク部分の話がしっかりしていて、リヴィジラという存在がより具体的になっていたと思う。

印象的な回①インターネット・カネゴン

 現代ではおなじみのインターネット配信、投げ銭、電子通貨が盛り込まれている回だ。その中でカネゴンは人気配信者でたくさんの投げ銭を獲得している。星元市を活性化させるために作られた電子通貨なのだが、カネゴンが電子通貨を集めすぎているが故に資産が一極集中してしまい経済が滞るというストーリー。
 カネゴンという「ウルトラQ」から存在するキャラを現代チックに落とし込んだ馴染みやすい回だと感じる。ギャグ回ではあるが、お金が使われず貯めこまれ続けると経済が滞るという勉強になる回でもある。
 カネゴンの世界にはいろんなグッズが広がっていて、「ウルトラマンダイナ」に登場したヒマラを思い出した。襖が開いて現れるアークが非常に趣がある演出で、電脳空間を通る演出は「電光超人グリッドマン」のようだった。

印象的な回②白い仮面の男

 この回を見た人はみんな印象的に思っていそうな回。ウルトラシリーズの長い歴史の中で、名作として今でも人気にある「ウルトラQ」。これまでも「ウルトラQ」の怪獣が登場したり、「ウルトラマンZ」では「2020年の挑戦」に対する話が展開されてきたが、単純にストーリーだけで「ウルトラQ」を彷彿とさせる回は無かったような気がする。
 「ウルトラQ」にはウルトラマンが存在しない。怪獣や宇宙人と言った未知の存在に人間がどう対処していくのかというお話である。今回はウルトラマンが存在する世界の話なので、アークが対処したが、「ウルトラQ」だった場合、どのようなオチになっていたのか・・・。
 劇場版はこの回の少し前の出来事になるそうなので繋がりも気になるところ。

一番好きな登場人物は?

 私が一番好きな登場人物は「石堂シュウ」だ。
 最初の印象は真面目だけどコーヒーのことになると人が変わるという分かりやすいキャラクターを与えられている印象だった。宇宙人に対して懐疑的な姿からは、宇宙人に対しても友好的なユウマと対になる存在なのかなという印象。SKIP所属じゃなくて防衛隊所属だったし。だが第6話でクロコ星人の件や第11話からのギヴァスの回を通して、そういった姿勢は薄れていった。どちらかというとユウマへの信頼が厚くなっていったのかな。
 最初はSKIPと防衛隊のやり取りを円滑にするためにSKIPに出入りしていたが段々とSKIPに対して愛着が強くなっていっているのが好感を持てて好きだった。
 印象的な回は第16話。シュウはSKIPから防衛隊に戻るように命じられる。そんな中現れた幻視怪獣モグージョン。モグージョンは相手の恐れているものを見せる怪獣なのだが、シュウが恐れていたことはSKIPとの別れだった。最終的には、SKIPに残ることを決めるのだが、物語の終盤、「石堂さん」と自身のことを呼ぶユウマに対して「シュウでいいですよ。」と言いSKIPメンバー同士の名前呼びに憧れていたことを告白するシーンは可愛さが溢れる最高のシーンだった(笑)。次の回でユウマが「シュウさん」と呼んでいるのに対しすぐに気づくリンもすごく良い!
 ユウマの正体ばれのシーンでは、ユウマの変身を止めたいあまり「ユウマ!」と呼び捨てで叫んでいるのが熱かった!いつも敬語で丁寧な対応をしているシュウが強く感情的になっていると感じられた。
 ユウマが旅立ち、SKIPを離れることになったシュウなのだが、最後の電話を取っている姿はSKIPメンバーすぎる。そして受話器の奪い合いになるが全く手放さない(笑)。ユウマから電話掛かってきたんだろうね。
 シュウさん、ユウマくん大好きすぎるって。。。
 ちなみに俳優の金田昇さんはコーヒー苦手がみたい!

視聴中に感じる懐かしさ①演出

 「ウルトラマンアーク」を見ていると非常に懐かしい気持ちになる。視覚的に一番印象が強かったのはアイキャッチなどに見られるカラフルなミラーボールが反射したような演出だ。この懐かしさの正体は「帰ってきたウルトラマン」を知っているからだろう。「帰ってきたウルトラマン」のタイトルが表示されるときも後ろで反射するキラキラの中にタイトルが表示される。また街や戦車なども直近のシリーズよりも実写感を感じられるような撮影となっており、戦車が走るシーンなどは「うわー(歓喜)」といった感じだった。エンディングの映像がフィルム映画っぽいのも良い!

視聴中に感じる懐かしさ②ユピー

 ユピーのどこに懐かしさを感じるかというと、エンディングでSKIPの事務所の前に現れるユピーだ。「何で?」と思われるかもしれないが、カブタック、ロボタックといった等身大ロボット型の着ぐるみが活躍する特撮が昔放送されていて、子供の頃に見ていたからである。事務所の前に現れたユピーが探偵事務所+ロボタックと被りノスタルジックな気持ちになったのだ。

最終回で魅せてくれた想像を超えた創造の演出

 最終回で暗黒宇宙戦士スイードに放ったギャラクサーファイナライズ(名前合ってるか不安)の演出も視聴者の想像を超えてくれた。スイードと向かい合い光線を放つアーク、普通であれば光線の威力が高すぎて敵が押し込まれると思うのだが、何とアークが光線の威力でどんどん下がっていき最後には地球を一周してスイードと背中合わせになった。制作陣の創造には脱帽です。
 また最終回ではない正体明かしの変身シーンになるが、SKIPメンバーに背を向け変身し、少し振り向くシーンも良かった。背中を見せ変身するシーンといえば、ウルトラマンジードマグニフィセントの登場シーンは最高!最後の変身でユウマだけでなくSKIPメンバーをも包み込むウルトラマンアークは素敵だった!

ウルトラ作品の集大成ともとれるストーリーや演出の数々

 ここまで話してきて、やっぱり新しくも懐かしさを感じられる作品だったなと改めて感じた。
 ゼットンのような怪獣。宇宙人と怪獣がセットになっているラスボス。「帰ってきたウルトラマン」を彷彿とさせる演出。「ウルトラマンティガ」のキリエロイドⅡのようにウルトラマンに対応するために姿を変える怪獣。
 そして何といっても「ウルトラQ」と錯覚させるような第22話。
 これまでのウルトラ作品がところどころにちりばめられていた。

ユウマが想像したウルトラマンアークとは・・・

 ユウマは幼いころに両親を失っている。そんな生活の中で自分だけのヒーローウルトラマンアークを作り出し、ウルトラマンアークとして地球を守ってきた。アークは幼いころのユウマが想像した武器や戦闘スタイルを獲得し強くなっていった。
 そんなユウマが最も求めアークに重ねたものは、両親からの愛情ではないか。そう考える理由の1つ目は、アークの声だ。アークの声優である萩原聖人さんは、ユウマの父親役も兼任しているため同じ声である。2つ目の理由はアークの変身シーンで感じた疑問である。アークは変身する際にユウマを後ろから抱きしめるようにして変身する。初めて見たときに強い母性を印象付けられた。アークはウルトラマンでありながら母性的な印象をつけるような変身シーンにずっと気になっていたのだが、最終回まで見てユウマが母親からの愛情を求めてたのだと自分の中で納得がいった。
 そもそもウルトラマンアークとは異星の宇宙人ルティオンという存在であり、存在そのものをユウマが生み出したわけではないのだが、ウルトラマンアークとしての姿はユウマが生み出したことが言及されている。
 まとめるとウルトラマンアークとはユウマの寂しさだと思っている。

最後に

 一言で言うと「最高に楽しかった」です。
 ウルトラマンアークを視聴した方の感想を聞きたいです!コメントお待ちしております。

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