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ビジネスにおける受注ルートの網羅的リスト
ビジネスで新規案件や注文を獲得するには、オンライン・オフライン双方で様々なルート(チャネル)を活用できます。以下に、オンライン受注ルートとオフライン受注ルートに分け、それぞれ代表的な手法やプラットフォームを具体例と共に整理します。
オンライン受注ルート
受注・仕事マッチングプラットフォーム:インターネット上で案件の発注者と受注者を結びつけるサービスです。クラウドソーシングサイト(例:ランサーズ、クラウドワークス、Upwork など)では、企業や個人が仕事を掲載し、フリーランサーや受注側が提案・応募して契約が成立します。こうしたプラットフォームを使うと、インターネット経由で簡単に業務の受発注が可能です
自社ウェブサイト・ECサイト:自社のウェブサイトやオンラインショップから直接受注を獲得する方法です。自社ECサイトを構築すれば24時間体制で商品の販売や問い合わせ対応が可能になり、営業時間外でも注文を受け付けられます
SNSを活用した営業:Facebook、Instagram、LinkedIn、Twitterなどソーシャルメディア上で自社の商品・サービスを発信し、顧客と交流する手法です。SNSはユーザー数が非常に多く拡散力が高いため、情報発信や宣伝に適しています
広告によるリード獲得:Google検索広告やSNS広告(Facebook広告、Instagram広告、LinkedIn広告など)を出稿し、見込み客からの問い合わせや資料請求を獲得する手法です。有料広告はコストがかかるものの、狙ったキーワードやユーザー層に対して短期間で大量のリードを集められるのが強みです
メールマーケティング・ダイレクトメール:電子メールを使って顧客に直接アプローチする方法です。メールマガジンの配信やステップメール(自動送信メール)を通じて、見込み客に有益なコンテンツやキャンペーン情報を届けることで関心を喚起し、購買につなげます
SEO・コンテンツマーケティング:検索エンジン最適化(SEO)と良質なコンテンツの発信によって、自社を検索結果の上位に表示させて見込み客を自社サイトへ呼び込む手法です
ウェビナー・オンラインセミナー:オンライン上で開催するセミナーやイベントを通じてリードを獲得する方法です。Web会議ツールや配信プラットフォームを使ってセミナーを開催すれば、地理的な制約なく多くの見込み客に参加してもらうことができます
YouTube・ブログ・ポッドキャストによる集客:コンテンツを継続的に発信し、ファンや見込み客を集める手法です。YouTubeでは商品紹介動画やハウツー動画、企業のブランディング動画等を公開し、多くの視聴者にリーチできます。動画コンテンツは文字や画像では伝えきれない情報を届けられ、視聴者へのインパクトも大きいため、配信後の反応(問い合わせやサイト訪問)も期待できます
企業データベースを活用した営業:SPEEDAやEight、LinkedIn Sales Navigatorなどのデータベース/ツールを活用して見込み客リストを作成し、アプローチする手法です。SPEEDA(スピーダ)は世界中の企業情報や業界レポートを一元化したデータベースサービスで、上場企業を中心に世界で1,000万社以上の詳細データにアクセスできます
口コミ・レビューサイト:Googleマップのクチコミ(Googleマイビジネス)や製品レビューサイト(例えば価格.comや食べログ、Trustpilot等)の評価・口コミを通じて顧客を獲得する方法です。ユーザー自身が投稿する口コミサイトには、生の評価や感想が集まるため、新規顧客がサービス選定をする際の重要な判断材料となります。特に一般消費者向け(BtoC)の商品・サービスでは、口コミで高評価を得ることが集客につながりやすく、非常に効果的です
オフライン受注ルート
直接訪問営業(飛び込み営業・訪問販売):事前アポイントなしに企業や家庭を直接訪問して営業を行う手法です。商品のカタログやサンプルを持って飛び込み訪問し、その場でサービス説明やデモを行います。対面で直接対話することで詳細な提案ができ、実物を見せながら説明できるので相手に内容が伝わりやすいという利点があります
テレマーケティング(電話営業):電話を使って見込み顧客にアプローチする手法です。社内のインサイドセールス部隊やコールセンターを利用して、リストアップした顧客に電話をかけ、商品・サービスの紹介やアポイントメント獲得を行います。自社で一件一件電話営業するのが難しい場合、専門のコールセンター会社に委託することも効果的です
既存顧客からの紹介・リファラル:現在の顧客や取引先から新たな見込み客を紹介してもらう方法です。満足度の高い既存顧客は非常に心強い営業パートナーになり得ます
展示会・イベント・商談会:業界の展示会や見本市、商談会などに出展・参加して顧客を獲得する方法です。自社ブースを展示会に構え、自社製品の展示やデモンストレーションを行うことで、来場した多くの業界関係者や潜在顧客に直接アプローチできます。展示会は新しい顧客候補と出会う絶好の場であり、自社ブースに訪れた相手とは名刺交換や資料提供を行い、その後のコンタクトにつなげます
企業間ネットワーキング・異業種交流会:異業種交流会や名刺交換会、業界のネットワーキングイベントに参加して人脈を広げ、そこから受注につなげる方法です。経営者交流会やビジネスマッチングの集まりでは、直接商談に持ち込むというよりまず人的ネットワークを構築し、自社を知ってもらうことが目的となります。こうした場で知り合った人脈はすぐに案件につながらなくても、後日相談や紹介を受けるきっかけになることがあります。「〇〇の分野なら知り合いに良い会社がある」と思い出してもらえる存在になることが重要です。交流会で得たご縁を維持するため、後日のメールフォローやSNSでの繋がり維持なども行い、中長期的に信頼関係を築いていくことで、やがて受注機会が生まれることがあります。
代理店・販売パートナー契約:自社の商品やサービスを他社に代理販売してもらう契約を結び、販路を拡大する方法です。販売代理店やリセラー(再販業者)となるパートナー企業を開拓し契約することで、そのパートナー企業の持つ顧客基盤をそのまま利用できます
印刷広告・ダイレクトメール(DM):紙媒体を使った広告宣伝や郵送物によるアプローチです。新聞広告や業界誌・専門誌への広告掲載は、不特定多数または特定業界の読者層にアプローチできます。マスメディア(テレビCM・ラジオCM・新聞・雑誌)への広告出稿はコストは高めですが、広く大衆に訴求したい場合に有効で、一度に非常に多くの人々にリーチできます
チラシ・ポスティング:チラシを配布したりポスト投函(ポスティング)したりして宣伝する方法です。地域密着の小売店や飲食店、不動産業などで古くから使われている集客手法で、特定のエリアに集中的に配布することで近隣住民にリーチします。折込チラシ(新聞折込)であれば新聞購読者に、ポスティングであればマンションや戸建てのポストに直接届けることができます。チラシにはセール情報や新サービス案内を載せ、目立つデザインやキャッチコピーで興味を引く工夫をします。反応率を高めるため、クーポン券や粗品進呈券を付けたり、地域限定のメッセージを盛り込んだりするのも効果的です。ポスティングは比較的低予算でできる反面、配布したチラシの大半が見られず捨てられてしまうことも多いため、試行錯誤しながら継続実施する中で反応データを蓄積し、配布エリアや内容を改善していく必要があります。
業界団体・協会を通じた受注:所属する業界団体や商工会、協会などのネットワークを活用して受注につなげる方法です。業界団体に加盟すると業界内の最新情報共有や他社との交流の場が提供され、そこからビジネスチャンスが生まれることがあります。例えば業界団体主催の勉強会や情報交換会で自社サービスをアピールしたり、協会の会報や会員名簿に自社情報を掲載することで、同業他社や関連企業から声がかかる可能性があります。協会自体が事業案件を発注するケースもあり、会員であることで優先的に声がかかることもあります。また、中小企業同士が集まる異業種交流組織では、互いに顧客を紹介し合ったり協業したりといった動きにつながる場合もあります。こうした団体活動は直接的な営業とは異なりますが、長期的に見込み顧客との接点を増やし信頼を醸成する土壌となります。
公募・入札案件:官公庁や自治体、あるいは大企業が公募する入札案件や提案募集に参加して受注を獲得する方法です。公共事業や大規模プロジェクトでは、競争入札や提案募集(プロポーザル)によって発注先が選定されます。自社の業種に関連する入札公告を定期的にチェックし、参加資格を満たす案件には積極的に応札(入札参加)します。入札で受注を勝ち取るには、仕様要求を満たすことはもちろん、競合他社に勝る提案内容や価格競争力が求められます。一般競争入札では最低価格を競うケースも多いですが、企画競争型の入札(プロポーザル)では価格だけでなく技術提案や独自性も評価されます
PR活動・メディア露出:プレスリリースの配信やメディア取材の獲得など、広報活動を通じて自社を露出させ、間接的に見込み客からの問い合わせを増やす方法です。新製品の発表やイベント開催時にプレスリリースをマスコミ各社に送付し、新聞・雑誌の記事やテレビで取り上げてもらうことで、一度に多くの潜在顧客に情報を届けられます。メディア掲載は第三者からの情報発信となるため客観性・信頼性が高く、読者や視聴者に安心感を与えます
以上、オンライン・オフラインそれぞれの受注ルートについて代表的なものを網羅的にまとめました。自社の業種やターゲット層によって効果的なチャネルは異なるため、複数の手法を組み合わせてテストし、自社に最適な受注ルートを開拓していくことが重要です。