これまで。これから。
節目の後の一発目というのはいつも緊張する。何を書けばいいのか、何を伝えればいいのか。そんな風に悩んだりもする。
しかし、そもそもこのnoteはそんなに気負って書くものでもないのだ。
日常の延長線上にある、ふとした気づきや思い出を、ただ自分が忘れないために書き留める、いわばメモの様なものでしかないのだ。
だから、今日も大したことを書くつもりはない。日常には大冒険も大事件も滅多に顔を出さない。精々あったことといえば、夢に仲のいいおじさんが出てきて、去年の事にまだ文句を言っていたくらい。それと、日差しが強すぎて変に目が覚めて、おかげで少し寝不足。
本当にそれくらいだ。
悔しいけれど、道端を歩いていても特に何も起こらなくて、結局また眠い目をこすりながらコーヒーをしばく。
渋谷の街は今日も変な臭いがして、やっぱり嫌だ。なぜこの街は一年中昼夜通して臭いのだ。
ここでとんでもない悪臭を放つ得体の知れない怪獣なんかが出てきてくれればまだ納得できて、且つ文章のネタにもなるのに。
ふと思った事はたくさんあれど、どれもわざわざ書くほどのことではなかったりする。中華料理店に入ったらインド人の店員がいて、もはやここはどこなのかと訝しんだ話も、たった二行でもう終わりだ。
新装開店したファミマがやけに気合いが入っていて、謎の大安売りをしていた事だって、実際に見なければ面白くもなんともない。
友達が泥酔して9時に電車に乗ったのに座席でずっと寝てたせいで結局終電を逃した話はちょっと面白かった。総武線を何時間も往復してたと考えるとだいぶ体に悪そうだ。
久しぶりにドラムを叩いて筋肉痛になっていたり、慣れない銘柄のタバコを吸っているせいで少し調子が狂っていたり、毎日は色々あるけれどどれも大した話じゃない。
目下の大事件はフィルムの値上がりくらい。油断しているとどんどん上がっていく。
写真屋さんではほとんど3倍の値段がしていて、いつも尻込みしている。
取り返しのつかない一度きりのシャッターを切るのに必要な勇気の量は、フィルムの値段と比例している。値段を理由に諦めたくはないのに、僕にはまだ勇気が足りない。
これまでも、これからも。誰のためにもならない話をさせてもらう。
朝起きて天気が良かったり、酒を飲んだ翌朝の寝起きが最悪だったり、目の前をどデカいネズミが横切ったり。
日常のなかにぽつりぽつりと落っこちている小さな欠片を集めて文字の形にする。
そんな風にできたらいいな。