『英国王のスピーチ』ひとくち感想:不思議な友情が心を救う(ネタバレあり)
名作映画を観ようの抱負をもとに年始から『英国王のスピーチ』を観ました!落ち着いた映画だった……!
大前提として、なぜかコメディ寄りの映画だと思ってたんですよね!ジェフリー・ラッシュのユーモアさに引っ張られたのかな?結構しっかりした伝記もの(?)という印象でした。まあ実在の人物の話なので当たり前っちゃ当たり前なのですが…。
主人公は吃音に悩む英国王(ストーリー開始時点では王子)で、スピーチをする際にやはり思うように言葉を出せず国民や家族たちに落胆されるシーンが何度かありました。この空気感がキツかったな~!
大勢の前で話さないといけない緊張感、そしてそれがうまくいかなかったときの周りの落胆した顔……ハラハラしすぎて心臓にめちゃ悪かったです。
まあそれがあるからこそ最後の演説がスゴイ!っていうことになるのでしょうが!
見どころとしてはやはりコリン・ファース……演技がうまい!天才!すげえ!いつもつらそうな顔をしていて、王族としての重圧とか自分の力不足とかそういういろんなことに悩まされて潰されそうになっている繊細な表情がすごかったね。彼が演じるのは本当に"生きている人間"なんだよな……。
そしてジェフリー・ラッシュ演じるユーモラスな言語療法士のライオネルが良いキャラしてましたね!ふたりの絆が徐々に深まっていく様子を見るのは心が温まりました。シリアスな空気が強い作品でしたが、ライオネルの飄々とした雰囲気があったおかげで彼が出ている場面では息抜きが出来たように思います。
彼らの心の距離感が椅子の距離であらわされていたのが印象的でした。最初であったばかりのときは椅子を近づけるなと王子の方から言うのですが、彼らの関係が深まってライオネルの自宅に訪れたときは膝と膝が触れそうなくらいの距離に座っていて、これはたぶんそういうことなんだな~なんて勝手に思いました。
結局吃音は過去のトラウマなどから引き起こされるものだというのは新しい理解を得ることが出来てよかった。安易に完治!解決!みたいな感じに話をたたまなかったのも好印象でした。(まあ実話やしというところはある)