『ニューシネマパラダイス』ひとくち感想:映画と人生とノスタルジー
2021年の抱負、未見の名作映画をちゃんと観ようの気持ちで選んだ作品です。
ブッ刺さり!とはなりませんでしたが、穏やかで優しい映画でした。バイオリンがメインのテーマ曲も印象的でとても良かったです。
「人生は映画とは違う」という台詞が良かった。
映画が大好きで狭い村から出ようとしない主人公トトに、映写技師で育ての親のようなアルフレードが村から出ろと厳しく伝えるシーンなのですが、未来ある若者の背中を押そうというアルフレードの愛情がね…というかこの海辺で話すシーンと駅で別れるシーンのセリフはどれも良かった。言葉は冷たく突き放すようなものだけどその裏には深い愛があって、人生のバイブルとなるような…いやそんな高尚な気持ちでは観ていないのですが…。
もちろん全編通してアルフレードとトトの友情というか疑似親子感というかな関係性が良く、少年期のなんだかんだ言いながら面倒を見てくれるところとか、最後にフィルムを観るところとかでふたりの絆が見えるのもジーンと来た。
あとこれは本質とは関係ないマジでしょうもないことなのですが、古い時代を描いた映画特有のめちゃくちゃな倫理観に普通にうわあ…ってなっちゃった。クソガキのクソガキ感がすごかったり、教師・親が普通に子どもをビシバシ殴ったり、映画館の中の治安と衛生が最悪だったり…まあ、味と言えば味なのですが…。この辺は好みだね…。