戦うための武器持ってますか?
理学療法士の市川です。
現在急性期の病院で勤務しております。
社会人一年目の時これからの方向について悩んでいた際に
たまため手に取って感銘を受けた本です。
今回紹介する本はこちら
「僕は君たちに武器を配りたい」 瀧本 哲史
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著者
瀧本 哲史 (たきもと てつふみ)
東大法学部卒業、マッキンゼー入社、現在はエンジェル投資家として活躍しつつ、京都大学で起業論を教える人気教授。
目次はこんな感じ
【目次】 はじめに
第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり
本書で手に入れた武器
著者はこの時代でどのように自分の価値を高めていくのかその方法を「武器」として表現し、伝えてくれています。
以下個人的に気になった点をクローズアップしていきます!
高学歴でもワーキングプア?
現在の資本主義社会では全産業、そして個人においてもコモディティ化が進んできている。
「コモディティ」とは直訳では「日用品」という訳となるが、経済学の世界では違う意味で使用されており、市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、消費者にとってはどこのメーカーでで買っても大差がない状態を「コモディティ化」という。
それは医者や弁護士のような高学歴の職種でも同様で、
例えば人間の採用においてもTOEICで900点以上や六大学以上の学歴というスペックで集まった人は「みな同じ」価値しかなく、付加価値が生まれることはない。
なぜなら、経営側にとっては求めている作業が必要最低限出来る人でいかに給料が低く雇えるということが大切になってくる。
つまり学歴が高く、資格を持っていても他の人と代替可能な人は市場では買いたたかれてしまう。
ーうむ、我々理学療法士も確実にコモディティ化されてますね、年に9千人ぐらい増えてますからね~
スペシャリティになれ!!
個人のコモディティ化を防ぐには
「ほかの人には代えられない、唯一の人物」になること
すなわち「スペシャリティ」になるしかない
そのためには
枠組みの中で努力しない、資本主義の仕組みを理解し、
どんな要素がコモディティとスペシャリティを分けるのか熟知することが大切!
業界・商品・働き方においてスペシャルティは存在するが、その地位は決して永続的ではない。
コモディティ化しない6タイプ
儲かる人・儲からない人を漁師に例えて6つのタイプに分けている。
①商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
②自分の専門性を高めて、高いskillによって仕事をする人(エキスパート)
③商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
④まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
➄自分が起業家になり、みんなをマネジメントし、リーダになれる人(リーダー)
⑥投資家として市場に参加しているひと(インベスター=投資家)
中でも前者2つ(トレーダーとエキスパート)は今後価値が少なくなってくる。残りの4タイプを目指すというよりは、4つの顔を使い分ける存在を目指すべきである。
ー医療職のほとんどが②?、エキスパートに値するかもしれません
リベラルアーツを学べ
リベラルアーツつまり、大学で言う1年~2年目の基礎教養を差す言葉で、リベラルとは本来「自由」という意味を示すことから「自由の学問といわれる」。
歴史は古く、古代ギリシャまでさかのぼることができる。
幅広い学問を横断的に学び、
「物事を様々な角度から批判的に考える能力」
「多様的な人とコミュニケーションをする能力」
「深い人格と優れた身体能力」
などの力を身に着けるため人類が歩んできた歴史や哲学、芸術、文学、自然科学」などを学ぶ。
そして著者はIT・会計・英語は「人に使われるための知識」で
「奴隷の学問」であると述べ、奴隷としてではなく
自分の価値を生み出すためにも「リベラルアーツ」を学ぶことは大切だと伝えてくれている。
感想
社会人一年目の時に今後のキャリアについて考えていたころにこの本とであって衝撃を受けました。
自分自身を唯一の物とするためには、その分野におけるエキスパートになるだけでは不十分で、その資格の新しい価値を作ることや多職種との技術の組み合わせで新しいイノベーションを生むなどリーダーとしてやイノベーターとしても活動していかなくてはいけないなと感じたのを覚えています。
ー藤原和博さんも100人に1人のキャリアを5~10年で3つ経験し、その掛け算で100万人に1人の存在になれとおっしゃっています。
英語・会計・ITも単純に学ぶだけでは個人の価値の向上は生まず、例えば「英語を使ってこの研究結果を海外の人にも伝えたい」だとか「このようなアプリを作りたいからプログラミング言語であるRubyを学びたい」とか目的をもって行うことが大事だと思います。
そして僕らの業界にいたっては、
ほとんどが受動的で特になにも工夫しなくてもお客さんが来るという、状況から、自由経済のようなゲリラ戦場へと戦いに出ていく必要があるのかもしれない
そのために必要なのは、専門的な知識のみではなく、リベラルアーツとして資本主義の成り立ちや我々人類が経験してきた歴史から多くを学び、このゲームのルールをまずは知ることからなのかもしれません。
他にもリーダーについてや投資家になる勧めなど興味深いトピックがあるので気になる方はぜひ読んでみてください!(日産のリーダーの話も載っています、、、)
市川 直哉
Twitter :@stone_age7