経営セーフティー共済に関するニュース
以前、経営セーフティー共済に関する記事を書いたのだが、産経新聞にこれに関する記事が出ていたので書いてみたいと思う。
う~ん、なかなかマイナーなニュースだよな・・・と感じる次第。
確定申告「違法状態」40年以上放置か 国税庁、明細書の書式作成せず
確定申告をめぐり、個人事業主の所得税優遇で添付が必要な明細書の書式を国税庁が作成せず、40年以上、書類に不備がある申告者に優遇を受けさせていた可能性があることが分かった。会計検査院の指摘で発覚したもので、税制に詳しい専門家も「違法状態が長らく見過ごされており、驚くべき事案だ」とする。
(産経新聞のWebから引用)
記事の内容を要約すると以下の通りである。
・経営セーフティー共済は掛金が全額損金計上できるのだが、確定申告の際、掛金の明細書が必要になる。(租税特別措置法で決められている)
・平成30年に検査院が掛金を納付した約4万人の個人事業者のうちの約1600人の調査(サンプリング)を行ったところ、約57%に当たる906人に明細の添付がなかった
・この共済が始まった昭和53年以降、国税庁が明細の様式を一度も作成していなかった
個人的には、法律で定められていることが守られていなかったので「違法」ではあるものの、実態としての問題がそれほど大きなものではないと感じた。
理由は、
・経営セーフティー共済の掛金の月上限が¥20万なので年間¥240万
つまり、法人事業税等を合わせた実効税率が25%としても、節税額は¥60万程度
・掛金自体の上限が¥800万まで
同じく、実効税率が25%とすると脱税するにしても¥200万まで
・決算月ギリギリに加入して前納もできる
で、リスクを考えると脱税のツールにはなりにくいだろうな?と感じ、おおかたの人が掛金は正しく納付しており明細書を付けていなかっただけと思われるからだ。
これを脱税に使っていたらなかなかのツワモノだぞ(笑
ただ、かかわる人の多くが制度の全容を理解していなかったのは事実だろう。
さっさとデジタル化というかシステム化を進めれば、皆、楽になるのになあ・・・と思う。