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銀行口座からお金が無くなっていく恐怖

現在も「札束でケツ拭けるぜ!」というほど余裕のある売上/利益という訳ではないのですが、過去に、

「もうアカン!This is the end, beautiful friend」(by Doors)

という時期があり、毎月、銀行口座の残額がみるみるうちに減っていく恐怖を味わったことがあります。

今思い出してもゾッとします。
これは会社員時代には経験したことはないのですが、起業をしたほとんどの人は味わったことがあるのではないでしょうか?

この状況にはまり込んだ理由は、2つの主要顧客からの仕事がほぼ同時期にしかもいきなり無くなるということが起こってしまったことです。
当時、この2つの顧客の売上で全売上の過半を占めていましたので、それがいきなりなくなってしまうことは決定的でした。

1つ目の顧客はいきなりの会社倒産(解散)。

いきなりと言っても、自分のところに連絡がきたのがイキナリということで、当然、顧客の内部にはその予兆があったと思うのですが、訪問する頻度が少なかったことや入金が遅れるといったことがなかったため、なかなかそれに気付くことができませんでした。

2つ目の顧客は他企業からの買収。

買収をした会社の方針により仕事がなくなってしまったという訳で、これまたいきなりの連絡でした。そりゃまあそうだわな、その会社は上場はしていなかったものの、それでもインサイダーになりますので。
こちらも連絡が来るまで気付くことができませんでした。

で、これらの仕事が同時に一瞬で無くなり、次月からこの2顧客の売上(=利益)がゼロに。それまでの売上の大半が無くなることになってしまったのです。
 
正直、これにはカナリ焦りました。

丁度その頃、売上が安定してきたと判断し事務所(ワンルーム)を借りたばかりであり、その他の支出が増えていましたので尚更です。
物販で手元にモノがあればまだリカバリーの可能性があったのかもしれないのですが、コンサルの場合、よほど運が良くトントン拍子に進まない限り、商談が成立し契約をして頂けるまでにかなりの時間がかかってしまいます。
会社の蓄え(内部留保)を考えると、このままの状態ではあと半年ももたないだろうという状況の中で、それまでに何とかしなくては会社をたたむことを考える必要が出てきました。

勿論、自分の給料をゼロにして継続させる手もあったのですが、その時は個人の蓄えもありませんでしたので、会社延命のためにアルバイトをするなどといったことをしてもあまり意味をなさないだろうと感じていました。

とりあえず、経費を削るため事務所の引き揚げを検討したり、知り合いにメールや電話をしたり、ネットで顧客となりそうなところにアポを取ったり、さらにコンサルだけではなく、物販をしようと売れそうなものを探して仕入先に連絡を取ってみたりといろいろ動くのですが、全く成果が出ない日々が数か月続きました。

人生における波が悪く、風が吹いていない時は何をやってもうまくいかないもので「いつか風向きも変わるだろうから、このまま何もせずじっとしていた方が良いのではないか?」と思ってしまい事務所に引きこもりボーッとする時間も増えていきました。
これは、全くもって論理的ではないのですが、それぐらいモノゴトをまともに考えることができず逃避に向かっていたのかもしれません。

この時期は自分の人生の中でも屈指の精神的につらい状況だったと思います。毎月末に入出金の処理をするのですが、銀行口座の残高がどんどん減っていくのを見るにつけ、通帳を開くのが嫌になり引き出しの中に入れっぱなしにしてしまう状態。

そのような中で、奇跡的に2年前ぐらいに訪問した会社から突然仕事依頼のメールを頂き「おお、神風が吹いた!」と喜んでその会社に向かいました。

自分の会社が倒産したところで死ぬ訳でもなくそれほど大袈裟なことではないのですが、やはり決意をして起業をしましたので、それを辞めてしまわなくてはならないというのは非常に辛い、というよりは悔しい気持ちがありました。

幸い、先の会社の仕事が取れ何とか首の皮1枚のところでつなぐことができ、その後、他のお客さんからも順々に仕事を頂き現在に至っているのですが、2度と味わいたくない感覚であったことは確かであり、以下のことは十分に考えながら走っていかないといけないと痛感したものです。

・現在の顧客の状況をコマメに感じ取るようにアンテナを張っておく
・顧客のポートフォリオを常に意識しておく
・常に種まき(新しい顧客の獲得のための行動)を行っておく

ただ、先にも「全く論理的でない」と書きましたが、やはり「風」って感じるのですよね。

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