経営セーフティー共済
以前、「1人会社の節税 あまりやることはない」で経営セーフティー共済について触れたのですが、ここではその内容と使い方について触れておこうと思います。
中小企業基盤整備機構のパンフレットには、
中小企業倒産防止共済制度の愛称で、取引先事業者が倒産し、売掛金債権等が回収困難になった場合に、貸付けが受けられる共済制度のことです。「もしも」のときの資金調達手段として当面の資金繰りをバックアップします。
という説明があります。
つまり、取引先にモノやサービスを「月末締め翌月末全額支払い 現金」など、いわゆる「掛け」で販売しており、その取引先が倒産をしてしまうと「売掛金」の回収が出来なくなる、あるいは、回収できたとしても全額ではない場合や入金が大幅に遅れるというようなことが起こり、自分の会社の経営も傾いてしまう可能性があるので、そのような時のために毎月共済金を掛けておき、いざという時にはその掛金に応じてお金を貸してくれるという制度である。
ということで、この掛金が全て損金に算入できるので節税に寄与します。
この共済のおおまかな特徴は以下のようなものです。
キーとなるところを太字にしています。
(1) 加入条件は、中小企業(中小企業基本法で定められている資本金、従業員数を満たす)であり、1年以上事業を行っていること
(2) 掛金は¥5,000~¥200,000までの間で¥5,000ステップで設定可能
(3) 掛金の上限は¥800万まで
(4) 途中で掛金の増額、減額が可能
(5) 共済金の貸付額は「困難となった売掛金債権等の額」と「掛金総額の10倍に相当する額」のいずれか少ない方が上限
(6) 12カ月以上掛金を納付していれば、掛金総額の80%以上の解約手当金が受け取れる。100%の解約手当金を受け取るには40カ月以上の掛金の納付が必要
(7) 前納ができる(申込み月+11カ月分)
(8) 一度解約してもまた再加入できる(実証済み)
自分は1度加入->解約をして、現在は2回目の加入中なのですが、その経験上、以下のようなポイントを押さえて利用するのが良いと感じています。
・初回は、会社を設立して1年後にすぐに加入する。
100%の解約手当金を受け取るのに40カ月かかるため。
最低掛金の¥5,000でOK。
・利益が大幅に出そうな年に前納に切り替え節税額を大きくする。
・掛金の上限(¥800万)に到達するのを待つ必要はなく、掛金総額以上の赤字が出そうな時に解約してキャッシュ化する。(加入後、40カ月以上経過しているのがベスト)
・(当たり前なのですが)掛金は解約するまで自由に使えるキャッシュではなくなります。
以上、経営セーフティーネットのお話でしたが、いずれにしてもこれは節税のためのツールであり「手段」でしかありませんので、あまりのめり込まないようにしましょう(笑