学び 〜好きな事と仕事〜
2月末から徐々に、3月末には完全に、運営しているサッカークラブの活動がストップしました。
いつかは必ずそうなりたいなぁ。なんて思っていた
今日何しよ?
の毎日がこんなにも早く訪れるなんて。
ひたすら自分でデザインできる24時間があり、全てを決められる1日の繰り返し。
(もちろん深く考えれば、これまでも常にそうだったのですが。)
学ぶ。
ということの楽しさを身を持って感じています。
毎日楽しい?
こう聞かれる事はこれまでも多くありました。
この類の質問にはこれまで必ずと言っていいほどうん、楽しいよ。と答えていました。その後に出てくる言葉は好きなこと出来てるしね。
好きなことが仕事って最高だよね。って言葉もたくさんかけてもらったことがあります。
確かに。あ、いま幸せじゃないな。って感じたことはこれまで一度もありません。
ただ、自分のことですら実は分かっているつもりで分かっていない部分もあるんじゃないか?
これまでの選択に後悔はないけれど振り返る作業をする事で見えてくるものもあるのではないか。
色々と学びを深めていく中で自分のこれまでをもう少し掘り下げて見返してみようと思うようになりました。
今は新たな学びで未来へ目を向けつつ、振り返り過去を見直すという作業を同時進行でしています。
私が身を置いてきた世界は一般的にという言葉には当てはめにくい場所だったかもしれません。
仕事とは?趣味とは?好きなこととは?
仕事と趣味(好きなこと)の関係性。
このような感覚を持っている方が大半だと思います。
仕事があるからお金を稼げてそのお金を趣味に費やせる。
しかし私は少し違っていたように思います。
18歳で飛び込んだ憧れの世界。
日中はクラブが斡旋してくれた仕事をして、夕方から練習。お給料は職場からいただき、選手としてのお給料はなし。
好きなことを仕事にする。
冒頭の質問に対してこの言葉を丸々当てはめるのは、やはり少し違和感が残ります。
もちろんクラブや職場にはお金としては見えてこないところでの多くのサポートをたくさんしていただきましたし、今でも感謝しています。
なでしこリーグも来年からプロ化になる予定です。多くの選手が抱えるこの、いわゆるねじれの様な状況が解消され、良い意味でシビアに競技に集中できる環境が整うのではないかなと楽しみにしています。
20代半ばになり、選手としてのキャリアも女性としてのライフプランもどちらも大切にしたいと思うようになりました。
全部いっぺんにできたらいいのに。
周りにこう話していたのを覚えています。
当時の私はひとつひとつ順番に進むしかない。だから今は選手を頑張ろう。と、たどり着いた答えを信じ今を全力で過ごしていました。
人生の岐路は25歳。
考え抜いて出た結論は選手を辞めて結婚をする。でした。
まさに、サッカーを一旦置いて次のステージへ飛び込む。覚悟でした。
今、あれから歩んできた8年を振り返ります。
その都度私を必要としてくれる人がいて、やりたいことを選択し、向き合える環境とサポートがありました。
ひとつひとつに区切りなどなくあらゆる自分を使い分けながらここまで来ました。
そのおかげで物事を多方面から見れるようにもなりました。
当時、思っていた全てひとつひとつしか進めない。も私の大きな思い込みで好きな事を仕事にする。も指導者として過ごす今、ようやくその形を実現できたように思います。
女子サッカー界という区切りではなく女性社会、そして社会の全てがこれから先は
diversity=多様性
や
freedom=自由
を仕事に求めるようになっていきます。
好きな事を極めることが仕事に繋がる流れもやがて今以上に自然な形になると思います。
いま、指導している選手たちにはこう伝えていきたいと思います。
興味のあることには何でもチャレンジしよう
そしてとことん取り組んでみよう
子供たちと関わるこの仕事は日々の変化や成長に喜びを感じると共に、一人一人の人生に触れているという大きな責任も感じています。
自分の枠の中で言葉を伝えるのではなく、世の中を知り、学び、今を生きる子供たちに向けた言葉をかけていけるようになりたいと思います。