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ナナとミライの占い探検記 vol.5 - ラッキーアイテム編
第一章:言葉は消え、思い出も消える?
ある雨上がりの放課後。ナナは、傘をくるくる回しながらいとこの家へ向かっていました。ミライの家はいつも通り居心地がよく、リビングに入るなりホッと一息つきます。
「ねえ、ミライ……最近さ、友だちから恋愛相談とか勉強の悩みとか聞かれるんだけど、いろいろアドバイスしても翌日には忘れてるんだよね。私もせっかく、数字や神話の話をまぜて頑張って説明したのに」
ナナはそう言うと、少しションボリした表情を浮かべました。
「わかる。それって大人でもあるよ。占いでいいアドバイスもらって、『よーし!』って思っても、気づいたら日常に流されて『あれ? なんだっけ…』ってなっちゃうこと」
ミライはクスリと笑いながら、机の上にノートを広げます。
「そうなの。数字を使って周期を説明しても『難しい!』って言われるし、シンボリックな神話を話しても、『うん、すごいね!』で終わっちゃうし……。翌日にはたぶん、頭の片隅にも残ってない感じ。どうすればいいんだろう?」
「うーん、やっぱり言葉だけだと記憶に残りにくいのかも。ナナが前に言ってたみたいに、神話のたとえ話をすると理解は早まるけど、それでも時が経つと忘れちゃうことがあるよね。何かこう……日常の中で思い出せる仕組みがあるといいのかも」
「たとえば、神社でお守りを買うと、そのお守りを見るたびに『あ、そうそう、これお願いしたんだった』って思い出すじゃない? 占いにも、そんなアイテムがあればいいんじゃないかな……」
ナナは自分の経験を振り返りながら、アイデアを口にします。
「お守り、かあ。たしかに神社やお寺の世界では当たり前の方法だよね。占いの言葉って頭では理解しても、時間が経つとすぐ忘れちゃう。だからこそ、『形に残す』仕組みは大事かも……面白いね!」
こうしてふたりは、「言葉でのアドバイスをどうやって現実に根付かせるか?」という新たなテーマに取り組むことになりました。
第二章:五感を刺激するアイテムの力
その週末、ナナは改めてミライを訪ねました。ミライの机には、色とりどりのメモや小物が置かれています。クリスタルのペンダント、香りつきのハンドクリーム、そして謎めいた音楽が流れるプレイリストのリスト……。
「わあ、なんかいろんなアイテムがあるね。これって、もしかして占いと関係ある?」
ナナは思わず目を輝かせます。ミライはニヤリと笑いながら、「うん、私流の“ラッキーアイテム実験”中なんだ」と説明を始めました。
「たとえば、占星術とかタロットで『こういう方向性がいいよ』とか『こんな気持ちを大事にしよう』ってアドバイスが出ても、人はすぐ忘れちゃう。だから、五感に訴えかけるアイテムを用意すると、頭だけじゃなく体全体で思い出せるの。たとえば、視覚ならラッキーカラーを使ったアクセサリー、触覚ならクリスタルを握ることで意識を高める、とかね」
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