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ナナとミライの占い探検記 vol.6 - 西洋占星術 相性占い編

第一章:変わりゆく季節、変わりゆく私たち

まだ残暑はあるものの、夜風にはほんのりと秋の気配が混じる季節。高校生になったナナは、放課後の図書室でため息をついていました。幼かったころから占いに親しんできたナナですが、このところ相談内容が少し変わってきているのを感じます。

「ふう……恋愛相談かあ……」
 机に頬杖をついてつぶやくナナ。最近、友だちから恋愛の悩みを相談されることが増えていました。中学時代までは「今日の運勢」とか「好きな人にどうアピールするか」程度の相談だったのが、高校に入るとより深い内容が増えてきた気がします。

「私自身、彼氏いないんだけどなあ……」
 そんなぼやきをこぼしていると、スマホが振動しました。画面をのぞくと、大学生になったいとこのミライからのメッセージです。

ミライ:「元気? 最近どうしてる? 恋バナとか忙しくなってそうだけど(笑)」
ナナ:「ちょうど恋愛相談されて困ってた。私には彼氏いないし、うまくアドバイスできるか不安……」
ミライ:「あはは。前にも話したけど私も大学で出会った彼氏がいるよ。占星術で相性見てみたらいい感じだった! 話してみる?」

 ナナは大きく目を見開いて、すぐに返信します。

ナナ:「そうなんだ! ぜひアドバイスちょうだい! 友だちの恋バナも私の恋バナも全部まとめて、ミライにSOS出したい!」

 こうして、いつものごとくミライに助けを求めることになったナナ。帰りの電車の中でも「どうしよう……恋愛相性なんて、ちゃんと占えるかな」と思い悩みつつ、スマホのカレンダーを開いてミライと会う日を探しました。


第二章:久々の再会、そして二人の成長

 週末、大学生になったミライと高校生のナナは、久しぶりに駅前のカフェで待ち合わせることに。すれ違う人たちの中にはカップルらしき若者があちこちで楽しそうに談笑していました。

「わあ、ナナ、背が伸びたね! なんか雰囲気も大人っぽくなったんじゃない?」
 先に到着していたミライが、満面の笑顔で手を振って迎えます。久しぶりの対面に、ナナも嬉しそう。

「ミライこそ、全然変わんないよ! でもなんだろう、ちょっと雰囲気が落ち着いてる気がする……“大学生の余裕”ってやつ?」
 からかうように言うナナに、ミライは苦笑い。確かに、ミライの雰囲気は以前よりも柔らかく、しかし芯の強さを感じさせる大人の女性へと変わりつつあります。

「まあ、私もいろいろあったしね。占い研究も続けてるけど、大学の勉強やサークル、バイトで忙しい日々だよ。あ、それと彼氏ができたんだ。大学の同級生で、好きな音楽の趣味が合う人」
 ミライが照れながら言うと、ナナは目を輝かせて身を乗り出しました。

「わあ、いいなあ……やっぱりミライは進んでるね。私の周りにもカップルは多いんだけど……私自身はなんかタイミング逃してる感じかな。でもみんなからは恋愛相談ばかりされるんだよ。『ナナ、占い得意でしょ?』って」

 カフェの注文をすませ、二人はテーブルに着きます。ふと、ナナのスマホが通知を受け取りました。差出人は同じクラスのリカ。「また相談きた……。『どうしたら彼氏との距離をもっと縮められるか』らしい。ええー、どうしよう?」
 ナナが小声でぼやくと、ミライはにやりと笑いました。

「いいねいいね、実践的な相性占いの題材じゃない? 私も彼氏との相性を見たことあるし、西洋占星術を使えばけっこうはっきりアドバイスできるよ。せっかくだし、また“シナストリー”を勉強しようか」


第三章:相性占いと年齢域

シナストリー……ああ、前にちょっとだけ教えてもらった“相性占い”のことだよね。二人のホロスコープを重ねて見るんだったっけ?」
 フラペチーノを飲みながら、ナナは懐かしそうに思い出します。ミライはそのとおりと頷き、「でも今日はもう少し簡単な方法をメインにしよう」と言いながらノートパソコンを取り出しました。

「これね、太陽と月、水星、金星の組み合わせでざっくり見るやり方。高校生や大学生ならこの4つで十分、相性を占うのに参考になるの。細かいアスペクト全部読むのは大変だから、入り口としてはここがおすすめ」

 ナナは「なるほど」と感心した表情。「太陽はその人の生き方とか人生の方向性で、月は感情やリラックスしたときの自分、水星はコミュニケーション、金星は恋愛観だよね……覚えてるよ!」と元気に口にします。

「うん、それそれ。ただね、今回はさらに『年齢域』って考え方を意識するといいかも。月は幼少期の0~6歳、水星は7~15歳、金星は16~24歳、太陽は25~34歳……みたいに、人は成長しながらその惑星を“使いこなす”ようになるって話。ちょっと特殊だけど、西洋占星術では一部でそういう見方をするのよ」

 ナナは目を見張って聞き返します。「へえ、知らなかった……。ということは、高校生だと金星がメインの時期に突入したばかり、って感じ? まだちょっと大人の恋愛に慣れてない時期なのかも」

「そうそう。だから高校生ぐらいなら、太陽もだけどむしろ、金星と水星、あと月の相性が重要になってくる。『自分が落ち着けるか(月)』『会話とか勉強とか考え方が合うか(水星)』『恋愛の価値観は合うか(金星)』が一番リアルに響くわけ。太陽の相性を見ても、まだそこまで大人じゃないからピンとこないこともあるのよね」

「なるほど……じゃあリカたちみたいに、“付き合ってはいるけどお互いに壁を感じる”って状況には、このへんがポイントになるのか。詳しく教えて!」
 ナナの頼もしげな眼差しに、ミライはうれしそうにノートパソコンを開き、手持ちのホロスコープソフトを立ち上げたのでした。


第四章:リカとヒビキのホロスコープ概要

 ナナは事前にリカからもらっていた生年月日の情報を使い、ヒビキの分も合わせてミライと一緒にホロスコープを作成。さっそく主要な惑星(太陽、月、水星、金星)を確認していきます。

  • リカ(女)

    • 太陽:おとめ座(地/柔軟)

    • 月:いて座(火/柔軟)

    • 水星:てんびん座(風/活動)

    • 金星:てんびん座(風/活動)

  • ヒビキ(男)

    • 太陽:おうし座(地/固定)

    • 月:みずがめ座(風/固定)

    • 水星:ふたご座(風/柔軟)

    • 金星:おひつじ座(火/活動)

「ほうほう、なるほど……」とミライが画面を見つめながらつぶやき、ナナの手元のノートにもさっそく書き写されます。エレメント(火・地・風・水)とクオリティ(活動宮・固定宮・柔軟宮)のマトリックスを頭に入れつつ、二人の星座配置をチェック。

「おとめ座太陽+いて座月+てんびん座金星のリカちゃん……真面目で完璧主義、でも月がいて座だから自由を求める面もある、って感じかなあ。実は彼女自身、めっちゃ矛盾してるかも。完璧にやりたいけど、冒険もしたい……みたいな?」
 ナナはそう分析しながら、リカの性格を思い出します。

「対するヒビキくんは太陽おうし座で、堅実志向。月がみずがめ座ってことは、感情面ではちょっとクールかもしれないね。でも水星ふたご座だから会話は得意そう……って不思議な組み合わせだなあ。金星がおひつじ座ってことは、恋愛は情熱的だけど実は短期決戦型だったりするかも」

 ナナは笑いながら言いますが、その結果に「でも話が盛り上がらないなんて矛盾してるなあ」と首をかしげます。ミライは意味ありげに目を細め、「たぶん、そこに年齢域やアスペクトが絡んでるんだよ。あと、二人とも太陽と月のアスペクトがハードだから、自分の内面に葛藤を抱えつつあるのかもしれない」と言葉を続けました。


第五章:太陽と月のアスペクト、そして高校生の本音

 テーブルにホロスコープを広げ、ナナとミライは二人のチャートの“太陽×月”の関係をチェックします。すると、どちらも「太陽と月が90度(スクエア)」に近いアスペクトである可能性が見えてきました。

「太陽は地の星座、月は火や風……スクエア(90度)の関係だと、子供の頃と大人になったときで大きく価値観が変わりながら成長するタイプかも。これは悪いことじゃないけど、高校生の今はまだ途中段階。自分の本心と理想の人格がマッチしていない感じだと思う」
 ミライが指をホロスコープの角度に走らせながら説明します。

「ふむふむ……リカなら“いて座の月”が無邪気で自由奔放。でもおとめ座太陽が『きちんとしなくちゃ』って思わせるから、無茶をしたい気持ちと、完璧でいたい気持ちがぶつかってる。ヒビキは“みずがめ座の月”でクールに見えるけど、“おうし座太陽”で安定志向……?」
 ナナはイメージを膨らませながら、「それだとお互いにまだ自分の本当の感情をうまく扱えてない時期なのかな」と推察します。

「そうそう。しかも二人とも高校生だから、“金星の時期”に入りたて。金星は16~24歳が年齢域だから、本格的に恋愛っていう形で自分を表現するのはこれから、みたいな感じかもね。だからこそ、どう恋愛を進めていいかわからないし、相手に期待しすぎたりするんだと思う」

「なるほどねえ……。じゃあ、太陽同士が地の星座なのはわりと相性がいいんだよね? 安定した関係を築けるはず、と。月もいて座とみずがめ座なら、火と風で60度だから一緒にいて快い雰囲気はある。コミュニケーションは……水星どうだっけ?」
 ノートを見返すナナ。リカの水星はてんびん座、ヒビキの水星はふたご座。どちらも風の星座で相性は悪くないはず。

「そうなんだよ。水星同士も風の元素で気軽に話せるはずなんだけど、なぜか盛り上がらない……そこには、もしかしたらお互いの“本心”が言葉に乗っていないのかも。月が自由を求めていたり、太陽が安定を求めていたり、金星がお互いに先走ったり──いろんな要素が混在して、素直に言えないんじゃないかな」

 ナナは「うんうん」と頷き、「やっぱり高校生だとお互いに“幻想”を抱きがちなんだろうなあ」と思い当たります。いかにも青春真っ盛りの悩みを抱えるリカたちの姿が目に浮かぶのでした。


第六章:リカとヒビキの悩み─葛藤と期待

「実はリカからのメッセージには『彼氏のヒビキはおしゃべり楽しいんだけど、なんか本音を言えてない気がする。私も完璧にしようとして疲れる』って書いてあるんだよね。しかも、相手も自分もお互いを気遣ってる感じがして、なかなか踏み込めないって」

 ナナはスマホに書き込まれたリカからの相談内容を読み上げます。ミライはなるほどと頷き、ホロスコープの金星部分を指して言いました。

「リカの金星はてんびん座で“完璧な恋愛”を演じようとしがちだし、相手にもバランスの取れた対応を期待するでしょう。でも、月がいて座だから本当はもっと奔放でいい加減な自分を出したいはず……でも、おとめ座太陽が『きちんとしなくちゃ』とストッパーになるから、二重三重のブレーキがかかってるのかもね」

「そっか……しかもヒビキの金星はおひつじ座だから、もっと情熱的にアタックしたいタイプなのかもしれないけど、月がみずがめ座でクールな面もあって、安易にベタベタするのは嫌って思うかも。太陽おうし座の堅実性もあって、一気に踏み込みたくはない……みたいな葛藤?」
 ナナは複雑な組み合わせに苦笑い。高校生同士、まだ感情の扱い方がつかみきれないのだろう。

「うん。でもここが面白いんだよ。火や風の星座が好き勝手やりたい気持ちを持ち、地の星座が“安定志向”で抑えようとする。そのせいで『おしゃべりは楽しい、でも本音までは踏み込めない』って状態になってるんじゃないかな。要するに、自分が大人になりきってないから“金星”をうまく表現できないんだ」

「なるほど……。こういう時こそ占い的にはどうアドバイスしたらいいんだろう? ミライ、教えて!」
 ナナは切実な顔で頼み込みました。ミライはスマホを操作しながらにっこり笑います。


第七章:ミライの分析─年齢域と成長過程

「いい? 今のリカたちにとって、太陽ってまだ25歳以降のイメージなの。完全には使いこなせてない。だから二人とも“太陽同士が地”という相性の良さを実感しづらいかもしれない。でも将来的には“落ち着いた関係”が築けるポテンシャルがある。つまり長期的には良い相性なんだよ

 カフェの落ち着いた照明の下、ミライはノートに図を描きながらナナに説明します。そこには各年齢域が惑星ごとに並べられ、0~6歳が月、7~15歳が水星、16~24歳が金星、25~34歳が太陽……と続く。

「へえ……じゃあ今は16~24歳の“金星の時期”なんだね。彼らは金星の力を使い始める段階だから、“これが自分の恋愛観なんだ”って確立する前の状態か」

「そうそう。さらに言うと、リカもヒビキも“太陽×月がスクエア”だから、内部で“子どもの部分(月)”と“大人になりたい部分(太陽)”がバチバチぶつかる成長期を過ごしている。水星や金星のエネルギーも、まだ整理しきれないんだよね」

「なるほどねえ……だから『しゃべれるけど本音が伝わってない』とか、『恋人同士のはずなのに、どこかギクシャクしてる』なんて現象が起きるのか。そもそも自分の中で答えが出てないわけだ」
 ナナは唸るように納得し、「でもどうやってサポートしたらいいの?」と首をかしげます。

「そこは“無理に完璧な恋愛を求めないこと”。リカなら金星てんびん座で『美しく調和の取れた恋愛』を演じがちだけど、“相手も未完成”ってことを理解して、期待を下げるとか。ヒビキは金星おひつじ座だから本当は熱いんだけど、太陽おうし座や月みずがめ座でクールに見せてしまう……。それを話し合うのは難しいから、占いの知識をナナがうまく伝えてあげればいい」

「うん、わかった。つまり『お互いに今はまだ発展途上だから、じっくり時間をかけて本音を出してみたら?』ってことかな」

 ミライはうれしそうに笑って、「私も彼氏と話すとき、いつも心がけてるよ。大学生でもまだ全然未熟だしね」と言葉を添えました。


第八章:ナナの処方箋─ゆっくりした時間を共有

「でも、リカは『もっと仲良くなりたい! でも会話だけじゃ物足りなくなってきた……』って感じらしいんだよね。じゃあ何をすればいいんだろう?」
 ナナはグラスのストローをくるくる回しながら考え込みます。

「うーん、私は“静かにゆったり過ごすこと”をすすめたいかな。特に地の太陽同士が相性いいから、『実際に何かを一緒に作る』『おいしいものを食べに行く』『日帰りでどこかに行って自然を満喫する』みたいな、五感を使う体験がいいと思うのよ。火や風ばっかりだと『しゃべる・動く』ばかりで落ち着かないだろうから」

「ああ、なるほど。おしゃべりは楽しいけど、結局お互いに本音を出せてない……ってことなら、少し静かに二人の時間を共有するほうがいいのか
 ナナは膝を打ちます。「まさに以前やった“ラッキーアイテム”とか“五感の活用”を思い出す感じだね。行動で距離を縮めるっていうか、言葉以外のつながりを深めるのがいいのかも!」

「そうそう! たとえば、喫茶店でおいしいスイーツをゆっくり味わうとか、景色のきれいな公園でのんびり散歩するとか。会話が少なくても気まずくならない空気を作るのが大事。二人とも地のエレメントを活かせれば、安心して本音が出やすくなるはず」

 ナナは早速メモを取り、「じゃあリカには“デートで食べ歩き”とか“ローカル線の小旅行”とか提案しよう!」と張り切ります。もう少し踏み込んで言うなら、「二人とも喋りすぎると風や火のエレメントが暴走しちゃう」みたいな分析もありそうですが、それはおいおい伝えればいいでしょう。


第九章:実践─リカとヒビキのデート計画

 翌週、ナナは放課後にリカを呼び出し、ミライと一緒に考えたアドバイスを伝えました。リカは驚きながらも興味津々。

「へえ、静かにゆっくりかあ……そういえば私、いつも“何話せばいいのかな”って考えちゃって、余計に気を遣ってたかも。太陽が地同士で将来は安定するかもって、すごく安心する。ちゃんと付き合っていけるんだね……」

「うん、全然大丈夫だよ。むしろお互いに地の太陽なら、いずれ社会に出たときも価値観が近いと思う。今はまだ金星や水星のほうが強いから、そこの温度差をどう埋めるかが大事かな」
 ナナはスマホでいくつかのデートプランを示しながら提案します。

「たとえば、日帰り旅行ってどう? 電車に乗って少し遠くの町まで行って、美味しいもの食べて、景色を見て……。会話が盛り上がらなくても、そこにある体験を共有するだけで楽しいかもしれないし」

「それ、いいかも! ヒビキ、電車とか好きだし、私も最近写真撮るのハマってるから自然の風景とか撮りたい!」
 リカの目が輝き始めました。

「おしゃべりしなくちゃって思うと疲れちゃうけど、“一緒に美味しいものを食べて笑う”って、じつはすごく大事だと思う。気を張り詰めずにいられれば、月の相性(いて座×みずがめ座の60度)でけっこう楽になるんじゃないかな」

「うん、やってみる! ありがとうナナ!」
 リカは嬉しそうに返事をし、その日のうちにヒビキにデートを提案。翌月には二人で近郊の温泉街に出かける計画を立てたのでした。秋の紅葉が始まるころ、静かな山あいで過ごす一日が、二人の関係にどんな変化をもたらすのか、ナナも楽しみでなりません。


第十章:デート大成功、そして新たな展望

 それから数週間後──リカからナナへの連絡が来ました。
リカ:「ありがとーーー! この前の日帰り旅行、すっごく楽しかった! おしゃべりより、おいしいお蕎麦とか景色とか、いろんなのを一緒に楽しんだら自然に会話も増えたよ。帰りの電車ではあえて無言でも平気だったし、なんか心がつながった感じ!」

 嬉しそうなメッセージに、ナナは思わず顔がほころびます。すぐにミライにも報告。ミライは「うんうん、やっぱり実体験が大事なんだよね」と返してきました。

「こうやって占いを使って相性を見るのって面白いよね。それに“年齢域”とか“惑星のエネルギーを順に使いこなしていく”って考え方も、すごくわかりやすかったかも。まだまだ未熟だから、ゆっくり焦らず大人になればいいんだって思えるし」
 ナナはスマホを閉じながら、改めて自分の恋愛事情についても考えます。

「私もそろそろ、金星の時期なんだよね……。とりあえず自分の金星が何座か振り返ってみようかな。あとはミライの彼氏との相性も気になる……」
 思考がどんどん膨らむナナ。「もしかして私が大人になったころには、また違う占いの視点が必要になるのかも」と感じています。

 カフェで読書していたミライから着信。「もしもし? ナナ、今度大学祭があるんだけど、うちのサークルで『恋愛占いブース』やろうって話が出てるんだ。一緒にやってみない?」と誘いが。ナナは目を輝かせ、「行く行く!」と即答します。

 こうしてまた、新しい占いイベントに向けて動き出す二人。小学生の頃から培ってきた占いスキルは、高校生・大学生という時期にあわせて恋愛相談をガイドする方法へと進化を遂げていました。

 “恋愛相性”──それは西洋占星術の大きな見せ場の一つであり、ナナとミライの成長をさらに促す舞台でもある。まだまだ未熟な二人だけれど、占いの視点を活かせば、きっとこれから先の恋愛や人間関係をもっと豊かにすることができる──そんな確信を、ナナは心の奥で感じていたのでした。


まとめ

ここまで、「ナナとミライの占い探検記 vol.6 - 西洋占星術 相性占い編」を全10章にわたってお送りしました。
今回は彼女たちが一気に成長した舞台設定で、ナナは高校生、ミライは大学生で登場。恋愛相談をきっかけに、西洋占星術のシナストリー(相性占い)を一段深く学びました。

1. 年齢域の考え方

今回のストーリーで象徴的だったのが、「人はある程度の年齢になるまで、その惑星を十分に使いこなせない」という説。具体的には以下のような区分で見ることがあります(諸説あり):

  • 0~6歳:月

  • 7~15歳:水星

  • 16~24歳:金星

  • 25~34歳:太陽

  • 35~44歳:火星

  • それ以降、木星・土星……と続く

この考え方では、高校生や大学生は金星の時期に突入したばかり。まだまだ恋愛観や自分の魅力の表し方を模索している段階といえます。これが「太陽(25歳以降)ほど大人じゃない」理由になるわけです。

2. 太陽×月、水星、金星で見る相性

シナストリーは本来ならホロスコープ全体を重ね合わせて細かく読むものですが、今回は太陽・月・水星・金星という4つを中心に簡易的に分析してみました。それぞれの役割は以下:

  • 太陽:人生の方向性、アイデンティティ

  • :感情やリラックスしたときの自分、潜在意識

  • 水星:思考やコミュニケーションスタイル

  • 金星:恋愛観、好き嫌い、美意識

恋愛相談では特に金星の相性が注目されますが、高校生・大学生の段階では月(水星も)の相性も非常に重要。なぜなら、まだ太陽の力を発揮するには若いし、逆に金星を駆使するには十分に成熟していない部分があるからです。

3. ハードアスペクトと成長

リカとヒビキの例では、「太陽と月がスクエア」というハードアスペクトを持つ可能性が示唆されました。スクエアは一見ネガティブに見えがちですが、自己矛盾や葛藤を通じて成長する要素が強いとも言われています。
また、相性占いでも「自分の太陽が相手の月にスクエア」などハードアスペクトがあると、一定の刺激やドラマが生まれやすいのです。高校生や大学生という変化の時期には、それがむしろ成長の糧になると考えられます。

4. おしゃべりだけじゃない繋がり─地のエレメントの活かし方

リカ(太陽おとめ座)とヒビキ(太陽おうし座)ともに地のエレメント同士だったことで、長期的には堅実かつ安定感のある関係が見込めます。しかし高校生の今は、どうしても金星(水星)の相性に振り回されがち。そのとき大事なのは「しゃべりすぎず、五感をともに楽しむ」こと。
特に地のエレメントは現実的な体験(おいしい食事、風景、物づくりなど)から相手と絆を深めるのが得意。話し言葉だけに頼ると、逆にエレメントの良さが発揮されないまま終わるケースもあります。

5. 思春期~青年期の恋愛の難しさ

恋愛経験がまだ少ない、または自分の本心をはっきり認識していないからこそ、相手に期待しすぎたり、不安が募ったりするのが思春期の恋愛。占いを参考にして「今はまだ育ち途中」「相手も同じように試行錯誤してるかも」と考えると、肩の力を抜ける面もあります。

6. 相手への理解と自己理解

今回のストーリーでも強調されたのは、占いは「相手を知る」だけでなく「自分を知る」手段でもあるということ。リカは完璧を求める金星てんびん座の自分、ヒビキは情熱を秘める金星おひつじ座の自分に葛藤を感じていたかもしれません。
占い結果を言葉にして共有することで、「本当はこういう自分がいるんだ」「相手にもこういう一面があるんだ」と理解し合うことができれば、より深い関係を築く土台になるでしょう。

7. 五感を意識したアドバイス

前作(vol.5)で「ラッキーアイテム編」を扱いましたが、今回の物語でも「おしゃべりよりも体験を共有する」「一緒においしいものを食べる」といった五感への訴求が大事だというテーマが引き継がれています。高校生というと、まだまだ会話一辺倒になりがちですが、身近な体験こそが心の距離を縮める手段になるのだと示唆しています。

おわりに:相性占いの可能性と未来

本編の最後で、リカとヒビキのデートが大成功し、二人から感謝されるシーンがありました。ナナの占いが友だちの恋愛をサポートできたのは、彼女自身が“相手を知りたい、そして自分も成長したい”という気持ちを持ち続けていたからでしょう。

また、恋愛だけでなく、大学生のミライ自身が彼氏との関係を西洋占星術で考える姿も描かれました。人は年齢とともに成長し、使いこなす惑星やエネルギーも変わります。占いはそのプロセスを優しくナビゲートするツール。

今後、ナナがどんな恋をし、どんな仲間を得て、どんな「相性占い」をアドバイスしていくのか……物語はまだまだ続きます。恋愛に限らず人間関係全般で役立つ相性の知恵と、日々進化し続ける二人の姿を、これからもどうぞお楽しみに。


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