ぽんぽこ「カフカ」と甲賀(カフカ)
ぽんぽこ「カフカ」
ぽんぽこさんの歌う「カフカ」は、2021年5月6日「ぽんぽこ24 vol.5」 (第3部)の最終盤に初めて公開された。MV単体でもぽんぽこちゃんねるに上げられている
「カフカ」の意味
公開当初から「カフカ」という名前の意味についてはいくつか説があがっていたが、ぽんぽこさんの地元である甲賀市の古い読み方(鹿深・カフカ)に由来するのではと、早くからコメント欄やツイッターで指摘されていた。
「鹿深夢の森」という公園があるなど、鹿深という言葉は今も使われているようで、地元の人にとっては「カフカ」と「甲賀」はすぐに結びついたのだろうか。
私自身はぽんぽこさんが甲賀市のことを「こうかし」と言うのを聞くまでは、滋賀や伊賀とおなじように「こうが」と濁点をつけて読む読み方しか知らなかった。
また「カフカ」を聴きツイッターやユーチューブのコメント欄の感想を見てみると、この名前が甲賀市に由来するかも知れないとあった。それで、そもそも「甲賀・こうか」と濁らないで読むのは甲賀が「鹿深」に由来するからだということを初めて知った。
甲賀の読み方の移り変わり
鹿深 かふか 百済からきた「鹿深臣(かふかのおみ)」に由来
甲賀 かふか かふかを「甲賀」と書く
甲賀 こうか 「甲賀」をこうかと読む
甲賀 こうが 「甲賀流忍者(こうがりゅうにんじゃ)」のように「こうが」と読むこともある。
「甲賀(カフカ)」の初出
滋賀県甲賀郡の地名の由来について辞典(主に『日本歴史地名大系』)を引いて調べてみると、「甲賀」という字を「カフカ」と読む根拠としては、『拾芥抄』(しゅうがいしょう)という本にカフカという訓(読み仮名)が振られているのが最も古いらしかった。そこから読み方が変化して「コウカ」と読むようになったらしく思われる。
『拾芥抄』とは南北朝時代の百科事典で、著者は洞院公賢(とういんきんたか)とされる。地理や天文など分類ごとに言葉の説明があって、「甲賀」については「本朝国郡部」という箇所にのっていた。
『拾芥抄』はインターネット上でいくつか原本を確認できた。確認できた中では京都大学図書館所蔵のものが古いらしい。
『拾芥抄』を見てみるとたしかに、「甲賀郡」に「カフカ」と片仮名で読みが振ってあった。
『拾芥抄』は下記より引用した
京都大学貴重書デジタルアーカイブ
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00007919
『拾芥抄』巻中 第二十三「本朝国郡部」 東海道八カ国—近江十二郡—甲賀 (150/235画像)
「カフカ」と「カフカ」が似ている?
これを見て驚いたのが、『拾芥抄』のカフカの字体とぽんぽこ「カフカ」のジャケット画像の字体がそっくりだったことだ。
偶然そう見えるのか、あるいはぽんぽこさんの地元愛によるものだろうか。
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