荒れ狂う母

集中治療室で、必死に生きようと頑張っている赤ちゃん。

毎日毎日、面会に行く。

なかなか良い報告を医師から受けることができない。

季節は冬。

家から車で1時間半くらいの病院。

電車より車の方が他人と関わらずに、家と病院を往復できる。車の中であれば、泣こうが喚こうが周りの目は気にならない。遮断された空間。

運転は本当に下手くそ。苦手。

でも必死に毎日泣き叫びながら車で、通った。

夫と実母には、本当に申し訳ないが

八つ当たりしまくりだった。

くだらないことで目くじらを立て、壊れたように何かを叫んでいた。

家中のものを蹴り飛ばし、泥棒が入った後のような空間で血走った目で皿を洗うわたしに、寝起きの夫が困った顔で部屋中、片付けていた。

もう何が何だかわからない。頭の中はいつもぐちゃぐちゃ。

この時…生きていることが奇跡だと、ギリギリで生きています、と毎日報告をされていた。

もうよくわからなかった。

何を言われているのか

何がなんだか

わかるよ。頭ではわかる。

ただ、心が全ての現実を、拒否していた。よくわからなくなっていた。

特に手術のあと、気管狭窄がわかるまでの間、人工呼吸器が外れない理由がわからない間…人として壊れていた。

この頃、車のラジオで本当によく流れていた髭男さんのPretender…わたしは今この曲を聴くと、時空を超えて、この頃に戻る感覚がもうなんとも言えない気持ちになります(もちろん髭男さん達は何も悪くありません)

次回に続きます

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