固い握手
しばらくして、赤ちゃんが到着したとの連絡を受け、やはり、集中治療室に入院になるということで、そちらへ向かいました。
少しお待ちくださいと言われ、はじめての慣れない場所で、はじめてお会いするスタッフさんに、戸惑いながら待っていました。
すると…見覚えのある顔が…そうです。付き添って兵庫まで来てくださった担当の先生と看護師さん。来る途中でも一度、順調に赤ちゃんも安定した状態で向かえていると連絡もくださっており、ありがとうございましたと泣きそうになりながら声を絞り出しました。
すると先生の方から握手してください!とこちらでも頑張ってと声をかけてくださりました。
その手の暖かさと心強さ。本当に良い先生がずっと赤ちゃんを見ていてくださった。
日をますごとに顔色が悪くなっていただろう、情緒不安定すぎるわたしとも、毎日向かい合ってくださり、良いことも悪いことも丁寧に説明してくださりました。
生きているのが奇跡、ギリギリで生きていると言われたとき
私は希望が欲しい、希望は捨てたくないと言いました。
今はこんなに大変だけど、数年後元気に走り回る可能性もありますよね、と
目をそらさず、その可能性は充分ありますよと言ってくださった先生。本当に感謝しかない。
ここからまた頑張らなくては。
よくある、頑張っているのにこれ以上どうやって頑張れっていうの?そんな感情は微塵もわきませんでした。
ずっとずっと一ヶ月半見ていてくださった先生が、一緒に戦ってくださった先生が、ここからまた頑張ってと背中を押してくださった、胸が熱くなりました。
そしてまた愛知へ帰っていかれました。
赤ちゃんの命のため、手をさしのべてくれる大人がたくさんいる。みな、生きてほしい、良くなってほしいと尽力してくださる。
すごいことだと思います。
次回に続きます。
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