アイディアが生まれない時は、ブックカフェの中で見つけてみる。
昔、とあるデザイナーさんに
「アイディアが浮かばない時は、インプットが足らない」
と言われたことがある。私はこのインプットというのは、インターネットで得ることができる情報で十分足りるのだと、これまで思っていた。
情報が飛び込んでくる感覚
先日、ちょっと用事があって都心まで出かけていった時のこと。私は時間が余って、ふと気になったオフィス下にあるブックカフェでその時間を過ごすことにした。
この時、私はちょっとした仕事の悩みを抱えていた。けれど、それに伴うアイディアが全く生まれなくて、モヤモヤとした日々を送っていたのだ。
ところが、そのブックカフェに入るなり、不思議な感覚に襲われた。まるで頭がインターネットの受信機になって膨大な情報が飛び込んでくるような、暗いトンネルに無数の穴が開いてプラネタリウムのように光が差し込んでくるような、そんな感覚。
もちろん目の前に本がたくさんあったり、人がたくさん居たというのも大きな理由だと思うけれど……本に意識を向けていない間も、どこからともなく情報がブワーっと入ってくる感覚は続いたままだった。
ちなみに私はエスパーでもなんでもなく、「この場所は雰囲気がいいな」とか誰でも感じる程度の空気感くらいしか分からない。
(例えば、楽しそうな人の隣にいると自分も楽しくなったたり、悲しんでいる人の隣にいると自分も心が暗くなるような。しかも外れることもある)
その場所がオフィス下で、意識の高い話がチラホラと聞こえてきたせいも、あるのかもしれない。
けれど、もしかしたら目に見えない多くの人の意識が、多くの人の心が、悩んでいた私に影響を与えてくれたのかもしれない……そんなことを思わされた瞬間だった。
(ちなみにそのおかげか、導かれるように「まさにこの本!」と言わんばかりの、悩みを解決する書籍に出会うこともできた)
肌で感じるインプット
インターネットを使って悩みが解決しなかった私、そしてブックカフェに来て解決した私を見比べて、どこかに出かけて肌で感じ取るといったような、リアルから得るインプットが足りていなかったのかもしれないと、学ばされた。
情報をかき集めても解決しない。もしそんな状況になったときは、またブックカフェに出かけようと思う。
誰かと話さなくてもいい。ただその人たちと同じ空気感の中にいるだけで、きっとさまざまインプットを得ることができるはずだから。