『ゴドー氏の仕事』終演
2019.6.29-30 サクマ企画『ゴドー氏の仕事』@砂丘館・蔵 無事終演致しました。
出演者の皆さん、演奏の飯田さん、スタッフさん、プロデューサーのサクマさん、作演出の平塚さん、そして、ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』をモチーフに、当時『ゴドーを待ちながら』を読んでいない平塚さんが書いた作品。
ひたすら登場人物がそれぞれ誰かを待っている。「正しい待ち方」とかいう現実では考えた事もないようなことを真剣に考えている。それぞれが何者で、なぜ待っているのかも知らないのに、待つ/待たれる で力関係が生まれてしまう。目覚めたら筋が辿れなくなる一夜の夢のような、不思議なお話でした。
終演後パンフレットを見て、そういえば、どの出演者が何役かどこにも書いてないんだ、と気付きました。私は赤い帽子の人でした。
WS発表を除くと、大学卒業以来2年ぶりの公演でした。稽古から5回の本番にかけて、演劇のむつかしさと楽しさを改めて実感する日々でした。
ヒエラルキーの上にいる帽子の人は、これまでやったことのない役柄で、自分が演じて説得力があるのか、成立しているのか不安でした。
けれど、幕が上がれば意外にも、存在感があったと褒めて下さる方がいたり、おじさんに見えたと聞いたりして、不安だった分、すごく嬉しかったです。
自分で勝手に自分はこういう役しかできない、と狭めてしまう、自分から限界を決めてしまうのは勿体ないなと反省しました。
演劇以外でも、そういう事あるかもなぁと思いました。自分にはできないと思っていたり、想像もしてみなかった事を、人に機会をもらってやってみたら案外上手くいった、みたいな。
できる役の幅を広げたい、でもどうしたらいいかわからない、というのは大学からの悩みだったのですが、チャンスをもらった役に毎回全力で取り組んで、稽古場では試行錯誤し、本番は腹括って堂々とやって、その上でお客さんからの評価を真摯に受け止めて、そうやってできることが広がっていく部分もあるのかな、と思いました。
そんな風に思える機会をいただけて有り難かったです。
・会場の砂丘館について
昨年水と土の芸術祭で作品を観に訪れたときには、まさかここで自分がお芝居できるなんて想像もしていなかったので、会場が砂丘館と聞いて驚いたし、嬉しかったです。一本の木と、枝で作った道が、蔵の壁や床に馴染んでいました。
・演奏について
パンフレットにも書いたけれど、コンサティーナはおとぎ話に出てきそうな音色でした。シーンに合わせてその場でどんな曲を演奏するか考えたり、尺を調整したり、飯田さんすごい...。
・平塚さんとのこと
名古屋の劇団 オイスターズの舞台を初めて観たのは2013年の『ドレミの歌』@りゅーとぴあ。(めっちゃ笑った。)
平塚さんと初めてお話したのは「演劇大学INにいがた2015」のWSでたまたま平塚さんチームになったとき。そのときの縁で平塚さん作演出『街の火』@えんとつシアター(2015)に参加させていただき、今回4年ぶりの平塚さん演出でした。
平塚さんの中の「もっと面白くなる」イメージに追いつけてないんだろうなと、毎日もどかしく、でも、平塚さんの演出がまた受けられて嬉しかったです。
演劇は、正直趣味としてコスパ悪いよなと前から思ってます。時間がかかるし、責任もあるし、稽古から家に帰るとぐったりするし、どうしたら良くなるかわからなくて悩むし。
でも、自分にとってはこれ以上に生きてるって感じられるものはないし、同じ演劇を好きな人達と一つの公演を作って、お客さんに楽しんでもらえると嬉しいし、やっぱり楽しくて好きで続けたいです。もっと良い作品作りに貢献できるように成長していきたいです。
今回も新しく色んな人と知り合えて嬉しかったなあ。そして、お客さんが笑ってくれるのを肌で感じる瞬間はさいこーに嬉しくて、醍醐味だなあと思いました。でも、笑いは難しい...!もっと上手くなりたい。精進します。
『ゴドー氏の仕事』参加できて幸せでした。
座組の方々、観て下さった方々、本当にありがとうございました!
そして、8月末には、またサクマ企画に出演させていただきます。がっつり会話劇、楽しみで、めらめらしています。昨日から予約が始まりました。ぜひ観に来て下さい!
http://ticket.corich.jp/apply/100567/004/
予約ページ(石川未来扱い)
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